見出し画像

イギリス留学に挑戦してよかった

私にとって挑戦しなければいけない時は、時々向こうからやってくる。

「挑戦するか?しないか?」そんな選択肢がある時には、「自分がどうしたいか」という心の声に正直に従ってきた。だから時には「やっぱりやめておけば良かった」「これは失敗した」と思うこともあった。

けれどほとんどの場合、挑戦することは自分を成長させてくれる大きなきっかけになった。

私にとって最大の挑戦だったのは、イギリス留学をすると決めて、1人イギリスに渡ったこと。1年5ヶ月という留学の期間を通して、学んだことはたくさんあったし、重要な出会いもあった。

今ではイギリス留学をなくしては、今の自分はありえないほど、大きく自分を変えることになった。あの挑戦がなかったら、今私が手にしている幸せだと感じるものは何もないと思う。

そう考えると、本当にあの時挑戦して良かった、と思うのだ。

30歳で英語を本気でやろうと思った理由

思えば小学生の頃からずっと海外に興味があった。理由は「かっこいい」から。ぼんやりとした理由ながらも、その気持ちが衰えることはなく、高校生の時にはタイに留学した。そこで色々な文化、価値観の違いを学ぶと同時に、「こんな簡単にやれちゃうんだ」と拍子抜けしたことを覚えている。

『行ってしまえば、なんとかなる』これは私がその時強く思ったこと。

社会人になってボーナスが出ると、1人で韓国に旅行もした。それから最初の結婚をして、香港に1年住んだ。外国にいることで語学の重要さを改めて認識したけれど、どこかやる気が伴わず、適当な英語で日々を切り抜けていた。住んでいるのに失礼な話だが、中国語(広東語)は全く勉強する気にならず、香港人はほとんどみんな英語がしゃべれたので、お店でのやり取りは基本的に英語だった。

けれどその国の言語ができないということは、人と深く分かりあうことは不可能ということだ。よく「翻訳機やAIでなんとかなる」とか言うが、それは旅行でお金を使う側だからである。相手がお金のために気を遣ってやってくれているだけだ。

人と分かりあう、友人になる、好きになるといったことには、目を見て言葉を交わすことが必須だ。言葉ができなければもちろん仕事なんてない。だから満足に英語もできなかった私は、海外では基本的に劣等感を感じていた。

それから離婚して、「本当に1人だ」となった時、真っ先に浮かんだのは『英語圏に行くこと』だった。私はちょうど30歳だった。

その時私は感じていた。「この先何も持ってない自分ではいけない。挑戦するなら今しかない。

この「今しかない」という強い気持ちは、一体どこから湧いてきたんだろう?けれどこの時は本当にそう思っていた。

イギリスで得たもの

イギリス留学で良かったことは色々あるが、まずは英語が話せるようになったこと。けれどそれにはたくさん勉強もしたし、日本にいながらも真剣に勉強して英語を話せるようになる人もいるから、それが留学でなければいけなかったのか?と言われると少し疑問だ。

それよりも私がイギリスで得て本当に良かったと思うものは、自分の価値観だ。それまでも色々と外国の国に旅行していたのに、全くもって知らなかった、新たな価値観。

自分は自分

イギリスは移民の国。都市部へ行けば移民や短期滞在者で溢れていた。ロンドンは外国人だらけと言っても良いだろう。

基本的なマナーやルール、法律で決められていることを守れば、あとは本当に人それぞれ。人種や宗教が違う人同士の間で、暗黙の了解や、同調圧力なんてものは、起こるわけがなかった。

街を歩いていても、みんな違う服装をしている。肌の色も違うから、それぞれ似合う色やファッションが違うのだ。

みんな自分をよく分かってる」ロンドンで街行く人のファッションを観察しながら、そんなことを思った。

自分は自分、人は人、と言葉では理解していても、今まで私は本当の意味で理解していなかった。世界には本当に色々な考え方の人がいて、それぞれ個人で生きているんだ、と実感した。この価値観は、自分を幸せにするために必要な考え方だと思う。

何歳からでも学べる

「私は30歳で、語学学校ではけっこう年上なのではないか?」と通う前には思っていた。けれど実際通ってみたら、年齢なんてそもそも全く関係ないことが分かった。

若い10代のフランス人のグループ、韓国人の20代のカップル、イタリア人、スペイン人、年齢の話になんてならないから、知る機会もない。すごく仲良くなってから「そういえば何歳?」という話になることもあるけど、聞いてもすぐに忘れる。先輩後輩なんていう概念すらない。だから『先輩』は英語などに訳せない。

50代、60代の人もいたし、それぞれ経緯も違った。まだ16歳だけど飛び級したから留学に来た、という女の子もいた。最初はフランス語オンリーだったのに、1週間くらいで話せるようになっていたから「やっぱり天才は違う」と驚いたこともあった。

年齢なんて全く関係ない。みんな人生のそれぞれのタイミングで英語を学ぶんだ、と実感した。それに60代で語学学校に来る人の考え方はとても若かった。そんなふうに学び続ける姿勢が、すでに素晴らしいと思った。

話に一貫性を持つ

イギリス人だけでなく、ヨーロッパ人は基本的にディベート慣れしていた。だから議論が始まるとみんなそれぞれ意見を言った。

まず賛成なのか反対なのか、YesなのかNoなのか言い、その後理由を説明する。どんなに大人しい人でも「意見を持っていない」ということはありえなかった。色々な場面で「あなたはどう思う?」と聞かれたし、その理由を説明することが一番自然な会話の方法だった。

そんな時、全く信念を持たず適当に喋っていると、「さっき言ってたことと矛盾するよね?」ってことになる。だから話に一貫性を持つことがとても大切なことだった。これは本当にイギリスにいる間に鍛えられた。

それによく考えたら、そんな風にしっかりと意見を口に出すことで、本当の友人や出会いたい人に会えるということに気がついた。

人に合わせてばかりでは、自分の好きな人に出会えない。引き寄せられない。これもまた、自分が幸せになるために必要なことなんだ、と実感した。

国際結婚をして挑戦の日々

イギリス留学が1年くらい終わった頃、イギリス人の夫に出会った。私はもう英語がそこそこ話せるようになっていたので、良いタイミングで出会えたと思う。留学したばかりの頃に出会っても、意思の疎通がうまくできなかったと思うからだ。つくづく人生って、タイミングによるところが大きいな、と思う。

その後結婚して、結局イギリスには5年ほど住むことになった。よく「国際結婚いいね」と言われたりするが、色々な価値観が違うので、本当に挑戦の日々だ。特に子育てに関しては、きっと日本人同士でも難しいことがたくさんあるのに、「何がベストなんだろう」と悩むこともある。

けれど、挑戦するのは良いことだし、迷ったり悩んでいる間に素敵なチャンスを逃すこともあると思う。だからあまり深く考えず、前向きに過ごすようにしている。

挑戦は、時に怖いと感じるけれど、自分がより良くなるためには、絶対に必要なことだと思う。特に「大変だ」「難しい」と思うことほど、いざやってみると結果はどうあれ大きな何かが手に入るのではないか。

これからも、挑戦できるタイミングが来たら、迷わずトライしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?