アンメットの三瓶先生のような人は海外に多い気がする
日本のドラマに久しぶりにハマっている。アンメットだ。
おすすめされて観てみたら、それ以来とにかくハマっている。
特に主役の杉咲花と、三瓶先生の若葉竜也の演技力に、思わず引き込まれてしまう。
三瓶先生のしゃべり方や雰囲気が個性的で、自然で良いな〜と思いつつ、「こんな雰囲気の人、海外で何度か出会ったな〜」と強く思った。
私もそんなにたくさんの海外経験があるわけではないが、イギリスや香港で出会った人で、三瓶先生のように少し無愛想で、余計なことはあまりしゃべらず、淡々としている人がよくいた。
愛想笑いや、日本人的気遣いみたいなものが全くなく、無駄は削ぎ落とし、ただそのまま自然体でそこにいる、みたいな人だ。それは男性でも女性でも同じ。
海外に住んでいるのだから、もちろん日本人的習慣や常識みたいなものは、年々海外生活が長くなるにつれて、自然となくなっていく。
その代わり、周りにいる日本人以外の感覚や習慣が取り込まれていく。そこには時々、ある種のあきらめのようなものも加わっていく。
「あ、またちょっと差別されたな」とか、「正当な言い分なのに聞き入れてもらえなかったな」とか、海外生活での試練をくぐり抜けていくうち、どこかすれた感じになってしまうことが多々ある。
その結果「他人に期待するのはやめよう。無理して人に合わせるのもやめて、自分で全てやるつもりで生きていこう」というようなポリシーを持つようになる。(あくまでも人によるけど)
そのようなリアリティーを、あのような三瓶先生で表現しているのだろうか。もちろん、杉咲花演じるミヤビを治したい、という強い思いを秘めているから、それを押し殺して悟られないようにしている演技でもあるのかな、と思う。
三瓶先生の性格や雰囲気は、もともとあんな感じでぶっきらぼうだったのだろう。ただアメリカの病院で働いていたという経歴から、もともと海外生活に向いていたのに加えて、あのような独特な感じを醸し出すようになったのではないか。
どこか余計な人間関係をあきらめているような、無愛想だけど合理的で、本当は親切なのかもしれない感じ... きっと誤解されやすい人柄だろう。まあ優秀な脳外科医だから本人は別にいいか。
おそらく分かってくれる人は少ないと思うが、若葉竜也の演技は私の中では、Casey Affleck ケイシー・アフレックの演技を思い出させる。(ケイシーアフレックはベンアフレックの弟だが、私は断然、彼の方が良い俳優だと思っている)
Manchester by the Sea (マンチェスター・バイ・ザ・シー)という映画を観た時に、「なぜこの人の演技は、まるでそこで普通の人がしゃべっているような、こちらがドキドキするような現実感があるんだろう」と思った。
あまりの現実感に、たいして面白いことを言っているわけでもないのに、目の前にいる人が意外とユニークだった時のような、そんな面白さが込み上げてきて、声を出して笑ったりしたものだ。
そんなところもそっくりだと思う。
若葉竜也は、 日本のケイシー・アフレックだ。(?)
とにかく、アンメットの他の登場人物もそれぞれ魅力的で楽しいので、来週の最終回を楽しみにしていると同時に、終わってしまうのが本当に寂しい。
海外にいる三瓶先生のような、自然体で他の人関係なく発言&行動する人にも、ぜひこのドラマを観てほしいけれど、そういう人はなかなか日本のドラマを観ないという気がする。
個人的には、「このドラマは日本のドラマの中でも特に面白いので観て」とすすめてみたいです。