「ワンダーランズ・ウォー」の間違えやすい点について
アソビション様から和訳されたKick発のワンダーランズ・ウォー。
ルールを読んでいて分かりづらい点が多くあったためBGGのFAQ等から間違えやすいポイントをまとめました。(2024/05/02 初版)
プレイの参考になれば幸いです。
※ちなみに翻訳の問題ではなくほとんどが原文の問題です。
割と根幹にかかわる部分
【不思議の住人の能力はその住人が戦闘に参加している場合のみ】
なんとなく判断は出来るのですが実はルールに明文化はされていない部分です。
例えば白ウサギの能力を使いたい場合は白ウサギがその戦闘に参加している必要があります。
また、これはP13に明文化されていますが、狂気チップ等で不思議の住人が戦闘から失われた場合、不思議の住人の能力はその戦闘では適用されなくなります。
(但し、住人の能力で増えた戦力を減らす必要はありません。)
【リーダーの能力と勢力能力は別物】
これも根幹に関わる部分ですがルールに記載がありません。 プレイヤー勢力ボードには「リーダーの能力」と「勢力能力」の2つが記載されておりこれらは別物です。 「リーダーの能力」はボードの左上に記載されている主にお茶会の際に使う能力になります。 そして茶色のアイコンで開放する4つの能力は「勢力能力」であり「リーダーの能力」ではありません。 そのため、特に記載がなければ解放した「勢力能力」はリーダーが参加していない戦闘でも効果を発揮する事に注意してください。
【クエストカードの同じ手柄はゲーム中複数達成することはできない】
クエストカードには戦闘の条件により達成する「手柄」とゲーム終了時にチェックする「目標」の2つに分かれていますが
ルールには「1回の戦闘ではクエスト1枚の手柄のみ達成できます」としか記載がなく、一度達成した手柄を次のラウンドで再度達成した際にもう1度点数を得られるか否かの記載がありません。
実際は何度条件を達成しても1つの手柄から得られるVPは1回のみになります。
より正確に言うとクエストカードを表にする処理は「戦闘で条件を達成した」という事を表すために行うもので、手柄と目標によるVPを得るタイミングはどちらもゲーム終了時になります。
(手柄を達成してクエストカードを表にしたタイミングではVPは入りません。)
間違えやすいので注意しましょう。
【クエストカードは裏面で持っておくが、ゲーム終了時に表になっていなくても(手柄を達成していなくても)目標を達成しているかチェックを行う】
これもクエストカードの補足です。
ルールに「どちらか一方のみでも達成することが出来ます」と書いてあるため分かるのですが、手柄を達成していない(表になっていない)クエストカードもゲーム終了時にはカードを開け目標を達成しているかを確認してVPを得ることが出来ます。
【毒チップを盾で防いだ場合盾は壊れる(裏面になる)】
狂気チップを盾で防いだ際は盾を裏返すよう明記されているのですが毒チップは「盾で防ぐことができます。」としか記載がなく、防いだ後の処理が書いてありません。
確認した所狂気チップと同様に処理、つまり毒チップを盾で防いだ場合は盾を裏返(破壊)してください。
つまり、ダブルシンボルの狂気に備えてあえて毒チップを防がず盾を温存するという選択肢も出てくるという事です。
(もちろん壊れた盾で毒を防ぐことはできません。)
以上がゲームの根幹に関わる点になります。
ここからはもう少し細かい能力や個別のカードの補足です。
細かいルールの補足
【一部クエストカードの条件について】
・貝の呼び声の目標
「3種類以上の味方チップを鍛造している。」と記載されていますがこの際弱いチップと強いチップは同一の物とみなします。
つまり、弱いフラミンゴ、強いフラミンゴ、弱いトランプの兵隊 を鍛造している場合は2種類(フラミンゴとトランプの兵隊)のため
目標は達成していません。あくまで3種類の別のチップが必要であることに注意してください。
・旗を掲げろの目標
「支持者が3人のお茶カードが4枚以上」とありますが公式によるルールの変更がありました。
まず、「支持者が3人以上のお茶カードが4枚以上」になっています。きっちり3人である必要がないことに注意してください。
また、この「3人以上」についてはお茶会カードの左上記載のアイコンと別にカードのメイン部分に支持者が書いてある場合は合算するとの事です。
つまり左上に2、中心部分に2が記載されたお茶会カードは条件に合致するという事です。
・不思議の国の英雄の目標
「リーダーの戦力か盾のあるお茶会カードが3枚以上」とありますが、リーダーの戦力のカード2枚盾のカード1枚でも達成します。
(リーダーの戦力3枚or盾のカード3枚ではありません。)
【勢力能力について】
・ハートの女王の「赤く塗れ」
「『戦斧』のチップのプレイ時、任意の領地にいるユニットを1つ失う事で、そのチップの戦力を+2してよい」とありますが
説明文の「そのチップ」とはこの能力を発動するためにドローした『戦斧』のチップの事になります。
※また補足するとP13の「チップの戦力を修正する能力は、一度チップを配置したら適用が終わります」の記載通り、これ以降に戦斧チップを引いても能力を使わなければ戦力は3のままな事に注意してください。
・チェシャ猫の「消える軍団」
消える軍団の能力で取り除かれた相手の支持者は狂気チップの処理と同様に相手の手元に戻ります。
そのため、相手がお茶会カードを使用する事で再度領地に配置することが出来ます。
また、ユニット数が最も多いプレイヤーが複数人いた場合はチェシャ猫のプレイヤーが1人を選んで支持者を取り除いてください。
・マッドハッターの「いつだってお茶の時間」と「私のパーティー」
マッドハッターの「私のパーティー」の能力はP23にあるように通常のターンと置き換わる行動になります。
つまり「いつだってお茶の時間」の能力でお茶会カードを取る際に割り込みで「私のパーティー」を使用しお茶会スペースの補充はできないという事です。
(「いつだってお茶の時間」は通常のターン処理ではないため)
・ジャバウォックの「捕まえる爪」
P23に「手元に毒チップが残っていない場合、この能力は無視します。」とありますが、これは前のバージョンのジャバウォックの捕まえる爪に「サプライの欠片を1つ与える」という選択肢がなかったころのルールがそのまま適用されているためこのような書き方になっています。
アップグレード後、ジャバウォックの「捕まえる爪」は毒チップ1枚の代わりに欠片を与えることが出来るようになったため手元に毒チップが残っていなくても「捕まえる爪」の能力を使用することが出来ます。
【その他】
・能力は(お茶会フェイズであっても)取得したターンには発動しない。
例えばハートの女王が他プレイヤーを追い越して勢力能力のお茶会カードを取得し「二倍の速さ」を開放してもそのターン中に能力を使うことはできません。
(使えるのは次のターン以降になります)
P22のFAQには戦闘時の処理しか記載がありませんでしたがお茶会フェイズも同様の処理となります。
・狂気チップを恒久的に破棄する能力
アイコンやカードで「狂気チップを恒久的に破棄する」という効果を得た際、狂気チップはゲームから除外(箱に収納)ではなくサプライに戻してください。
これにより「狂気チップが足りなくなった際」の処理が起こりにくくなります。
(公式見解としては「狂気チップが足りなくなる」という事態が起こらない前提でルールを作成しているため、との事です。)
とりあえず以上になります。
プレイしていて気づいた点がありましたら追記していきます。
【個人の感想】
前述の通り、ほとんどのルールが翻訳ではなく原文によるあいまいな表記によるものですが「お茶カード」と「お茶会カード」の日本語訳が混同されている点と、バージョンの問題でジャバウォックの能力が誤解されやすい点はエラッタで修正されたらいいな~と思います。
(特にジャバウォックはマニュアルに特記事項として書いてあるため誤解したままプレイされる方も多いのではないかと思います。)
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