地域再生の戦略
地方出身者であることもあり、地方が衰退するのは何とも防ぎたいとの思いを持っている。
マクロとミクロ両方の視点から見ると非常に難しい問題であるが何とかしたいと思っている。
本書は公共交通を軸とした地域創生を議論している。
公共交通の衰退は地域の衰退との負のスパイラルの関係にあることを示した上で、国内では富山市や新潟市の優良事例を取り上げた上で、独・仏の欧州の事例も踏まえ、望ましい在り方を議論する。
続いて議論されるのは反対論の立場からなされる「費用対効果」。その概念では従来の枠を超えた検討ができないということで「ソーシャル・キャピタル」の概念が検討される。
以上が要旨であるが、本書で定義されている反対論はおそらく今の日本の多数派の論調である。
鉄道もバスも赤字なら廃止というのは一見合理的だ。
黒字にできなければ廃止というのは、成長が前提にあり、確かにバブルまではある程度機能した。
しかしおそらく現在の縮小経済下では赤字が増えるばかりで、上手く機能しないだろう。
水道等、社会インフラはそろそろ新たなタームに来ていると思っている。
単体ではなく、全体でどれだけの価値を生み出せるか、を定義し示すことがこれからの社会インフラの経済学を考える上の肝になっていくと想定される。
我々は新しい物差しを作る時に来ているのだ。
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