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コミュマネは多言語話者である【コミュカレアドベントカレンダー】

おはようございます。
今日は普段以外と言語化しないコミュニティマネジャーの仕事のことを。

今回、僕も参加・運営のお手伝いをしているコミュニティで生きる人の対話の場「コミュニティのカレッジ」でのアドベントカレンダー企画にて筆を取りました。

言い出しっぺということで、トップバッターを飾ります。

コミュニティと僕とについて

超簡単に自己紹介を。
1997年浦和生まれ。
サウナと放浪、たこやきが好き。犬か猫派でいえば猫派。
大学生の時に日常の退屈を打破すべく多拠点生活を実践したら、東京暮らしより地方の方が面白そうだと感じて、新卒から福島県南相馬に移住。

震災に伴う原子力災害の旧避難指示区域をフロンティアと見たて、事業創出をするインキュベーション施設小高パイオニアヴィレッジのコミュニティマネジャーをやっております。

その他、旅を広める会社Tabippo inc. 主催、オンラインのコミュニティ&スクール POOLO 4期の小ミュニティマネジャーをやったり、移動式サウナカーのお仕事をお手伝いしたりしてます。

こんな職種を選んだのも、多拠点生活時代に自分の持てるものはバックパックひとつという有限性に対し、人との繋がりや縁の無限性に自分の豊かさの琴線に触れたからです。

と同時に、割と天職に近しいと思ってます。自分のエネルギードライバーは「未知と好奇心」。(16TYPEでは広報運動家)
ルーティンワークは飽きちゃうし得意じゃなく、常に変化と幅広な仕事、新たな人や、既知の人でも新しい側面に出会うことができる。

この記事で、未だ社会に認知されきってないコミュニティの力、そしてコミュマネという職の難しさや面白さを皆さんとシェアできればいいなと思っております。

本題:コミュニティとは「世界の相似形」

画像引用:いらすと屋より

地球には70億人(80億?)ぐらいの人がいて、196カ国ある。
それだけでも多様な気がするが、言語はもっとだ。
1国1言語とはいかず、世界には言語の数は7000種類ちかくあるなんて説もある。

言語も驚くほどだが、「文化」となるともはや正確に捉えることは難しいだろう。
アジア文化、日本文化、アイヌ文化など便宜上の地理的な区切りもあれば、ギャル文化、サブカルチャー、ストリートカルチャーなど特定の集簇を区切ったり、平安文化など時代区分で見ていく視点もある。

彼ら彼女らの価値観の中での善し悪しがあったり、そこでの常識、慣習から議論されていること、未来など色々ある。
言語だって文化の中に内包されているのだと思う。

常にその文化とは緩やかで曖昧で変動的で、地球単位、大陸単位、地域単位など可変でありつつもふんわりと存在し、絶妙なバランスで内包されている。

こういう前提に立ってみると、コミュニティそのものも一つの世界であり、その中に小グループや個人が一国と同じぐらいの単位として、相似形で成り立っているのだ、というのが僕の主張の前提。

コミュニティマネジャー=外交官?


画像引用:https://www.16personalities.com/jaより

他国の情勢を収集しつつ、国の安全や発展に繋がる政策を立案したり、他国との交流や利害調整をして相互理解や和平に務める仕事がある。そう、外交官だ。
コミュニティマネジャーとなんだか似てると思わないかい?
外交官が「自国」起点であるのに対して、コミュマネはいちコミュニティの全体調和と発展というより中立性がある点で異なりはあると思うけど。

やることはなんだろうと改めて整理してみると
・メンバーの人となり、バックグラウンド、どうしていきたいのかを理解する
・メンバー同士の利害調整、一致する人がいたらハブになって繋げる
・時に上記のようなことを生む企画をする
・コミュニティの「顔」となり外部対応をする、発信する
・コミュニティの価値観にそぐうものは促進する、反することを諌める

他にもあるけど、ここら辺は近しいのではないだろうか。

上記のようなことをするには、文化と言語を理解する必要がある

先に書いたような外交官として最低限のスキルは相手方の言語と文化を適切に理解できることだろう。

外国の方が、たとえ全部ではなくとも「Thank You」で終わらせず「ありがとうござました」と会話の最後に日本語で言ってくれ、表情が綻んだことは一度ぐらいあるんじゃないかな?

ましてや日本文化が好きと言ってくれる人にはなんだかそれだけで好意と安心感をその人に覚える。

コミュマネも一緒で、同じ一つのコミュニティにいる以上何かしらの価値観は共有しつつ、それぞれの活動と価値観、言語や文化が隠れている。

それらをまずは理解することで、その人の人となり、思考回路がある程度掴める=心理安全性につながる。

前提ができた上で、共通項を見出して人と人をつなげたり、文化促進ができるようになっていくのだろう。

リアルワールドのコミュニティの方がより外交官的な手腕が必要(だと思う)

なお、これは地域などのリアルなコミュニティと何かのユーザーコミュニティではやや異なる。

コミュニティとはなんらかの価値観や属性の複雑な集合体が、引きで見ると共通項で括れる、みたいな曖昧な存在。

何かのサービスで作られた選択性が強い後者と、必ずしも選択的にいるわけではない前者と。

より雑多なものが雑多なもののまま内包されている地域の方が、利害調整や共通項の見出しが難しくなるなと、地域にいながらコミュマネをやっていると感じる。

一つ具体例を出そう。
僕の住む地域は、この狭い区に至っても「Aさんの仲間」「Bさん一派」「ああ、〇〇さんのところの若いこね」などの緩やかなグルーピングができている。
ワンピースでいうところの4皇みたいな。(別に対立が起きてるわけでない)
それぞれが大事にしたいものがあったり、特有の取り組みがあったりする。一方で、ちゃんとJC、商工会、なんちゃら会みたいな経済団体もあったりする。

普段の自分のいるコミュニティは自分自身のホームだからある程度気心しれている間柄。
よりアンテナもはれているので、誰が何を欲しているか、ある程度目が行き届いている。より調整役としての手腕が生きる。

その関係性ならではの、普段の貸し借りを用いた少し無理なお願いも通せたりすることも。。。(あまり好き好んで多用するわけではないけど)

が、ひとたび別のコミュニティの飲み会にお呼ばれした時はちょっと緊張感を持って、土産物を持って、相手がたに粗相がないようにと気を張る。
飲み会ひとつとっても比較的少ない情報量から相手の腹の底を察しにいく。

普通の格好なのに、気持ちはさながらスーツとネクタイをきた国際会議のようなものに様変わりだ。

そうして得た情報を翻訳・編集すること

情報を得たら終わり、ではなく時に相手の言語や文化に翻訳をした上で、わかりやすく伝えるまでを翻訳したり編集して伝える。

例えば東京のスタートアップ界隈の文化・言語と、地域に暮らすおじいおばあの諸文化・言語は全く異なるだろう。

これが都市部にいればフィルターバブルの世界にいれば済むので気にする必要がないが、地域とはそういう異質・対極な存在も地域として内包されている。

なのでわかりやすく彼らの持つ共通言語や構造に当てはめて「翻訳」したり時に加工してお伝えする役割も請け負う。

ただの言語の対になるものを提示するのでなく、パーソナリティを、編集を、関係性を、あらゆるものを総動員して伝達してく役割は、Google翻訳でもなしないことだ。

地域にいれば個人というちっぽけな最小単位ですら、いち国家のような存在感だし、彼ら彼女らが内包するバックグラウンドや活動はいち文化に影響しえる。

時に引き出し、撚り合わせ、文脈を紡ぎ出すためには多言語話者たれよという自分の矜持とも言える文章でございました。

まとめ:コミュマネはおもろいよ

つらつらと書いてはや3000字を超えてしまったが、こういう人間の機微、に触れていくことを生業とする仕事はバランスが難しく、それでいて調和を見出した時のエウレカと美しさがクセになる。

常に変化する環境に適応と楽しみを見出すタイプの人には、かなりいい職種ではないかと思う。

こんな特性でもあり

お手伝いしているコミュニティのカレッジでは、コミュマネ職の人や主催者、支援サービスの運営に携わる人などが、正解のないコミュニティを探求するスタンスで集っている。

募集は3ヶ月に1度ではあるのだが、かなり良質なインプットとディスカッションの機会があるので、ぜひチェックしてみてくださいな。


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