なぜ私たちは「りゅうちぇる」が嫌いなのか?
りゅうちぇる氏のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。
本稿では、りゅうちぇるの自殺を社会現象として、哲学と社会学から考察するものです。
「りゅうちぇる」と近代の呪縛
りゅうちぇるへの批判、その自殺への批判。それは、われわれが未だに近代の呪縛にとらわれていることに由来する。
①近代とは、いかなる時代か。
近代とは、同一性の時代である。身分制のからの解放は、新しい近代の秩序への再埋め込みの過程であった(ギデンズ)。代表的な例に、エリクソンがいる。彼の議論を簡単に要約