サイゼリヤ

急に食べたくなったミラノ風ドリアを食べていた。ぼーっと、ドリンクバーでジュースを入れている男の人を見つめる。仕切りの向こう側にいる、2家族がいっしょになってるプチ団体客のひとりっぽい。女の子がその男の人のもとに走ってきた。その子の父親なのだろうか。男の人は、どこか険しい顔をしながらジュースを手にテーブルへと戻る。

土曜の夕方、ひとり気ままにサイゼリヤにいるわたしと、家族とサイゼリヤにいる男の人。やっと仕事が休みの、土曜日の午後。わたしだったら、家族と過ごすのは退屈だろうな思った。せっかくの休み、ひとりでゆっくりしていたい。明日もまたその家族と過ごすのだから。

土曜日の午後にひとりでサイゼリヤにいる34歳の女。誰かからすると、不幸だと思われるのだろう。自分自身、不幸なのかはわからない。考えたくない。無の土曜日。疲れて動けなくて、予約していた映画のチケットも無駄になった。

ひとりでいる時間が長くなるにつれ、家族を持つのはもう無理だと思うようになった。自分の生活に誰かがいる、おそらく耐えられない。でも、子どもなんてできたら嫌でも色んなことを耐えなければならなくて、みんな思考停止してるように見える。それが怖い。

わたしにはわたしの地獄があって、あの人にはあの人の地獄がある。死ぬ時まで生きていかないとな。


地元のスーパーマーケット、うるさい子どもとそれに怒鳴る親ばかり。怒鳴り声を聞くたびに心臓がギュッとなって、無理。


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