夏の思い出
盆休み終盤、東京に行ってきた。ヤングさんの単独ライヴと、オールナイトライヴを見るためだ。
今回は行き帰りとも飛行機。帰省ラッシュの空港の惨状を想像し、怯えながら関空へ向かったのだが大した混乱はなかった。LCCではなかったので飛行機はオンタイムであり、むしろいつもより交通はスムーズだった。
まずヤングさんの単独ライヴを見に恵比寿へ。現地で東京のヲタ友と待ち合わせをした。最後に会ったのはもう4年ほど前だと思う。無事に落ち合うなり、ハンバーグを食べながらいろんな話をした。4年の歳月はあっという間に埋められていく。彼女は最近お笑い熱が再燃している最中で、渋谷の無限大ホールなどに通っているらしい。ヤングさんは初見である。わたしが初見の人を自分が行くお笑いライヴに誘うのはこれが初めて。どんな感想を持ってくれるのだろう。内心とてもドキドキしていた。
会場へ向かう。確実に目の前に建っているビルの中に会場があるはずなのに、どこから入るのかまったくわからない。謎の小道をぐるっとし、あたふたしていたら道を挟んで向かいにヤングさんが立っていた。亀の前かと錯覚。素直に道を聞くと少し嘘をつかれた。なんとか会場に辿り着くと舞台の後ろはガラス張り、広がる恵比寿の夜景。クソお洒落なステージに少し笑ってしまった。
さっき道を教えてくれたヤングさんが後ろから登場し、ライヴが始まる。いつものように今日はこんなことがあった(嶋仲さんが遅刻した、など)のゆるやかな会話の後する〜っと気持ち良く漫才がはじまる。今回もいつのまにか引き込まれ、想像が広がり、とてもおもしろかった。トークでは即興漫才も披露してくれ、短時間で思いついたり、それに瞬時に応えたり、見事だった。やっぱり芸人さんは頭の回転が速い。ゲストの横須賀歌麻呂さんもとてもおもしろかった。独特の間がいろいろと期待させ、想起させ、裏切られる。ヤングさんの漫才ももう1本見られ、ライヴはあっという間に終演。漫才のCDを買おうとしたが、友人を待たせるのはなんとなくアレだったのでまた今度と思い会場を出た。会場の前ではまさかお会いすると思ってなかった人に会えて、嬉しかった。少しお話しし、また来週に、と言って別れた。
次のライヴ会場のある新宿に向かう。電車の中、友人はどんな感想を持ったのか、ドキドキしながら聞くと、とてもおもしろかったと言ってくれた。嬉しかった。特に、彼女の書いたお題で即興漫才をしてくれたのが感動したと。また東京に来てくれたら見に行きたいと言っていて、よかった。よかった。
新宿で降り、でーんとした佇まいのいかにも老舗な喫茶店に行った。珈琲とパフェを注文。夜パフェ、大人である。胃もたれ、大人である。オールナイトライヴの時間も近くなってきた。途中まで道案内をしてもらい、別れ、ゴールデン街のファミマで栄養ドリンクを買って会場前へ。
熱帯夜であった。無風で、とにかく暑い。開場すると自分がまさかの1番目で、こんな機会はないと最前の真ん中にどかっと腰掛けた。でも何か起こるかもしれないと思い、ほんの少しだが、怖かった。栄養ドリンクを流し込む。
オールナイトライヴはとにかく楽しかった。眠くなることなく、笑い続け、途中顎を痛めながらも無事に完走。2度目の置き引きにあったり、芸能人と握手をしたり、甘やかし隊と言われたり、いろいろあったが、ずっと笑っていた。自分の好きなことやしょうもないことでたくさん笑えるハッピーアワー。楽しい夏の思い出ができた。
休憩中にはやっとヤングさんのCDを買った。ふたりはサインをしてくださった。CDの盤面にはわたしの好きなぶたが描かれていた。大阪で毎週のように来ている人間が東京にまで来るのはどんな感じなのだろうか。わたしはとてもホッとしたのだが。
オールナイトライヴには初めて知る人や何度も見ている大阪の人、また見たかった東京の人などたくさんの人が出ていた。その中のローズヒップファニーファニーさん、日本クレールさん、ズンズンポイポイさんたちはもともと大阪におり、自分が知る前に東京に行った人たちである。わたしはこの3組さんを動画で見たり、ラジオを聞いたりしていて、なんでもっと早く大阪で見られへんかったんやろうといつも思う。ないものねだりである。わたしが大阪にいる限り、しかたのない話だ。
ヤングさんのライヴのトークの中に大阪と東京の話があった。おふたりの考えではあるが、なるほどなぁと思った。ふたりはこの先も大阪にいるのだろうか。
東京も羨ましいが、大阪もええやろ、どや、という気持ち。いつか自分の中のこのバランスは崩れるかもしれない。その時自分はどうするのか、わからない。重く書いているが、実際によくこんな気持ちになる。
生きて続けてくれている限り会える、単純な話だが、距離や時間や環境やお金などがその前でこんがらがる。今朝もオールナイトライヴを終え、歌舞伎町で蕎麦をすすり、上野のネットカフェで仮眠、パンダのシャンシャンに会うべく動物園に向かったが園外の人の多さに断念。まだ9時半なのに暑いし、飛行機の時間もある。生きている限り会えるはずなのだが、このザマだ。身体を冷ますべくあんず氷というかき氷を食べ、羽田へ向かった。機内で爆睡。わたしの夏休みは終わった。
いま自分ができる範囲の幸せを掴むべく、明日からまた働かねばならない。今日が楽しかったから良しとしようやないか。また週末にもお笑いライヴ見に行くんやから。そんなことを言い聞かせ、とりあえず明日朝6時までいまから爆睡します。目覚ましセットせな。
#ヤング さん #村橋ステム さん、楽しいライヴをありがとうございました。また大阪で、見に行きます。