セリナウンナ佐藤

佐藤です。中年オヤジです。 50代応援短編小説を中心に 日々の葛藤を短編小説で綴ります みなさん、よろしくお願いします

セリナウンナ佐藤

佐藤です。中年オヤジです。 50代応援短編小説を中心に 日々の葛藤を短編小説で綴ります みなさん、よろしくお願いします

最近の記事

【応援小説】自分が正しいと言い張る上司の末路

佐藤課長は、いつも「自分が正しい」と信じて疑わなかった。部下たちはその強い姿勢に圧倒されていたが、同時に次第に恐れを抱き始めていた。彼の意見が最優先され、どんなに部下が自分の方法に疑問を持とうとも、それを口にすることすら許されない雰囲気が職場には漂っていた。 課長は、仕事に関しては常に完璧を求め、結果を出すことが最も重要だと強調していた。「成功するためには、自己の方法を貫き通せ」と。そのためには部下の意見も、時には無視してでも自分の指示を押し通すことが必要だと考えていた。

    • 【応援小説】外部評価依存症

      ある企業の営業部門に、完全に外部評価しか考えていない課長がいました。この課長は、社員たちからは「外部評価依存症」として有名で、社内の問題や部下たちの成長にはまったく目を向けませんでした。彼にとって大切なのは、外部からの評価だけ。取引先との良い関係、メディアでの露出、業界の賞や表彰。すべてが彼にとっての成功の指標であり、そのためには部下たちの感情や労力などどうでもよかったのです。 社内で問題が起きても、課長は一切関心を示しませんでした。例えば、部下が過労で倒れるような事態が起

      • 【応援小説】ダメ上司についても:腐るな若手

        田中誠一は、就職してから2年目の冬を迎えた。入社当初は期待に胸を膨らませ、仕事に対するモチベーションも高かった。しかし、ここ最近は毎日がつらい。特に上司の存在が、誠一にとって大きなストレスとなっていた。 彼の上司である高橋課長は、誠一にとって「だめ上司」の典型とも言える人物だった。部下の指導や業務管理はほとんどおろそかで、会議では何度も同じことを繰り返し、終わった後に「何か質問あるか?」と聞かれても、だれも答えられない。その結果、チーム全体の雰囲気は次第に悪化し、業務の効率

        • 【応援小説】上司は自分?

          田中誠一は、毎朝6時半にアラームが鳴ると、ベッドから飛び起き、鏡の前で顔を洗いながら、自分に言い聞かせるように呟いた。「今日も頑張ろう」 もう3年目になるが、彼の心の中にはまだ会社の仕事が重荷でしかなかった。 出社してからは、デスクに座り、同僚たちと雑談を交わしながら、日々の業務をこなす。だが、どこかで心が満たされない。毎日、上司である課長の顔を見ていると、ふと未来の自分がそこに映し出されているような気がしてならない。 課長の名前は佐藤一郎。40代半ばで、穏やかな外見とは

          【更年期応援小説】更年期の辛さを緩和させたい

          冬の朝、外の空気は一層冷たく、頬を刺すように感じる。彼女はコートの襟を立て、手で顔を覆いながら息を吸い込んだ。冷たい風が肌に触れ、心の奥まで冷えていくようだった。寒さはもう、彼女の体の一部になってしまったようだ。 何年か前から、彼女は少しずつ変わり始めていた。最初は些細なことだった。月経の周期が不安定になり、時折、体が異常に暑くなったりした。でも、それ以上に寒さを感じることが増えていった。布団の中で、温かい飲み物を手にしても、なかなか体が温まらない。どんどん痩せていく自分に

          【更年期応援小説】更年期の辛さを緩和させたい

          【応援小説】グリーングラス:もっと自分を大切にしてもよい

          その後も、店主は変わらず店を訪れる人々に温かい言葉をかけ続けた。時折、少しだけ心のひだを覗かせては、誰かの悩みを聞き、少しだけ光を差し込むような言葉をかけた。その言葉は決して大げさではなく、ただ静かに響いて、人々の心に余韻を残した。 ある日、久しぶりに店にやって来た常連客の一人が、店主にこう尋ねた。「最近、何だか元気そうですね。前よりも、少し輝いているような気がします。」 店主は少し驚いた顔をしてから、にっこりと微笑んだ。「そうですか? でも、正直言うと、何か特別なことを

          【応援小説】グリーングラス:もっと自分を大切にしてもよい

          【応援小説】グリーングラス:良いところを探せる人

          ある町の片隅に、小さな喫茶店があった。店の名前は「グリーングラス」。それは特別な場所ではなかったが、店主の名は誰もが知っているわけではなかった。店主の名前は、誰もがよく知らない人物だった。通りすがりの誰かがふと立ち寄り、コーヒーを飲みながら一息つく場所だった。 店主は特に目立つこともなく、静かに暮らしていた。ただ、店主には、ひとつだけ人と違う特別な才能があった。それは、「人の良いところを見つける」ことだった。誰とでも自然に話し、いつもその人が持っている小さな美点を見逃さなか

          【応援小説】グリーングラス:良いところを探せる人

          【応援小説】根がある:花の色が変わっても続きがある

          毎朝、通勤ラッシュに揉まれながら、彼は思う。今日もまた、何も変わらない一日が始まるのだろうか。毎日同じように終わり、次の日も同じように始まる。会議、書類、期限に追われる日々。時には、自分がどこに向かっているのか分からなくなることがある。あの頃、夢見ていた仕事の意義が、少しずつ霞んでいくように感じる瞬間もある。 だが、ふとしたことで思い出すことがある。あの春の朝、道端で見かけた一輪の花。どんなに小さくても、静かに咲くその花は、何か力強さを感じさせていた。美しいだけでなく、その

          【応援小説】根がある:花の色が変わっても続きがある

          【不眠小説】寝れない男4:ある日ショートスリーパーになったら

          ある日、彼は目を覚ました。目を開けた瞬間、時計を見て驚いた。普段ならばもう少し眠っていたいと思う時間だったが、今日は何故かすっきりとした気分だった。 「これでいいのか…?」 彼はいつも、毎日10時間の睡眠を欠かさず取っていた。睡眠は身体と心の回復に不可欠だと信じていたからだ。しかし、ここ数日、妙に目が冴えている自分に気づき始めていた。 数日前、長時間の会議に追われて疲れ果て、夜も遅くまで仕事をしていた。そんな中、偶然眠るのが遅くなり、結局3時間だけ眠ることになった。とこ

          【不眠小説】寝れない男4:ある日ショートスリーパーになったら

          【不眠小説】寝れない男3:寝ないと決めてみたら

          朝が来る。街はいつも通りに慌ただしく動き出す。彼は昨夜も眠れなかった。 「寝れない男」と呼ばれることに、彼はむしろ誇りを感じていた。それが何か特別なものだとでも思っているかのように。仲間たちは彼が真夜中まで画面を見つめているのを見ては、冗談半分でそのことを指摘するが、彼にとってそれはすでに習慣だった。毎晩、床に入っても目は冴えて眠れない。いや、正確には「寝なくていい」と決めたのだ。 最初は、それに不安を覚えた。しかし、次第にその不安は好奇心に変わり、深夜の静けさが心地よく

          【不眠小説】寝れない男3:寝ないと決めてみたら

          【不眠小説】寝れない男2:自分を見失う前に

          眠れぬ夜が続くうちに、私は次第に自分が何者か分からなくなり始めた。心と体が一体となって、少しずつ壊れていく感覚があった。目を覚ますと、まるで昨日の自分を忘れてしまったように、何もかもが薄ぼんやりとしている。 仕事に行くのも、帰るのも、無心でこなしている。毎日同じ顔を見て、同じ会話を繰り返す。上司は少し冷たく、同僚たちは忙しそうにしている中、私は何も感じないようになっていた。無理に笑顔を作り、無理に会話に参加するけれど、それがどんどん辛くなっていった。 家に帰っても、また無

          【不眠小説】寝れない男2:自分を見失う前に

          【コメディ小説】こたつ布団の秘密:せっかくの布団が台無しになったことはないですか?

          寒くなり始めたある秋の午後。佐藤さんは、毎年恒例のこたつ布団を出す作業に取りかかっていた。つい先日、ようやく家の片付けを終わらせたばかりだったが、ついに待ちに待った季節がやってきたのだ。 「さあ、こたつ布団、今年もよろしくね。」 佐藤さんは重いビニール袋を手に取り、ゆっくりと引きずりながらリビングに運んだ。ビニール袋の中身が少し膨らんでいるのは、毎年、寝室の奥にしまっているからだろうか。少し不安になりつつも、彼は布団を取り出す準備を始めた。 ビニールを引き裂くと、ひんや

          【コメディ小説】こたつ布団の秘密:せっかくの布団が台無しになったことはないですか?

          【不眠小説】眠れない男:1時間しか寝れなかった葛藤?

          金曜日の夜、男は一週間にわたる眠れぬ日々を背負って、ようやく家に帰りついた。足取りは重く、体はフラフラとし、どこか魂が抜け落ちているような感覚を覚えながらも、玄関の扉を開けた。仕事のことも、心の中に渦巻く雑念も、今はすべて放り出したかった。ただ、眠りたかった。 時計を見れば22時を回っていた。普段ならまだ夜の時間を楽しむこともあるが、今日は何もかもが面倒くさく感じられた。彼は無言でシャワーも浴びず、ベッドに倒れ込むように横になった。まるで久しぶりに訪れた安らぎに包まれるよう

          【不眠小説】眠れない男:1時間しか寝れなかった葛藤?

          【応援小説】未来をつなぐ電気:人生なにがあるか分からない

          東京のビジネス街にある「ネオテクノロジー社」には、技術開発を担当するエンジニア、佐藤隆一がいた。彼は、超伝導体技術に関するプロジェクトを担当しており、この技術が将来のエネルギー革命を引き起こすと信じていた。しかし、それが商業化されるまでには、多くの課題と時間が必要だった。 ある日、佐藤は営業部門の田中俊介と打ち合わせをすることになった。俊介は若手の営業マンで、最近この超伝導体プロジェクトにも関わり始めたばかりだった。佐藤は、彼に技術的な詳細を理解してもらうために、少し時間を

          【応援小説】未来をつなぐ電気:人生なにがあるか分からない

          【応援小説】愛を超えて

          佐藤雄一は、毎朝6時に目を覚まし、家族に軽くおはようを言ってから、出勤の準備を始める。サラリーマンとして働く彼は、日々の仕事に追われながらも、家族を支えるために懸命に働いていた。結婚して5年、妻の美奈子との関係は、結婚当初の熱い愛情がどこかへ消え去り、今ではお互いの存在が当たり前のようになっていた。 「今日も忙しいの?」美奈子はリビングでコーヒーを飲みながら、わずかに眉をひそめた。 「うん、月末だから少し厳しいかも」と雄一は答えるが、その顔はどこか疲れて見えた。 お互い

          【応援小説】愛を超えて

          【応援小説】蜂の巣の中の魔法

          冷たい風が、暗い空の下で荒れ狂っていた。街の灯りはかすかに揺れ、冬の寒さが骨まで染み込んでいた。だが、ヴィオラにとって、今の世界は冷たく孤独なものではなかった。彼女の目の前には、何もかもを変える「穴」が広がっている。 その穴は、地下の古びた図書館の隅にひっそりと存在していた。最初はただの不自然な隙間だと思っていたが、触れた瞬間、ヴィオラは異次元のような感覚に包まれた。引き寄せられるように穴の中へと踏み込むと、彼女は一気に異世界へと飛ばされた。 その世界は、見渡す限りの巨大

          【応援小説】蜂の巣の中の魔法