1985月刊コラム

1985アクション(家庭部門のエネルギー消費量を2011年の半分にする活動)を行う(一…

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1985アクション(家庭部門のエネルギー消費量を2011年の半分にする活動)を行う(一社)Forward to 1985 energy lifeの委員会・理事・スタッフから、「小さなエネルギーで豊かに暮らせる社会」実現のためのヒントをお伝えします。

マガジン

  • 住宅の温熱環境・省エネを深掘りする -1985基盤情報委員会

    快適・健康・省エネな家を実現しようと、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して情報を発信していきます。

最近の記事

室温と健康 その4 ~夏の温熱環境と健康リスク~

こんにちは。 Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。 「室温と健康 その1~3」は、主に冬の低温が健康に与える影響について書いてきました。今回は夏の温熱環境についての内容になります。この記事を書いている2024年の夏も昨年と同様に記録的な暑さでした。家づくりに携わる皆さんにとっても夏の暑さ対策は今後もより重要度を増してくると思いますのでその参考になれば幸いです。 1. 夏の暑熱環境が与える健康影響皆さんも実感されているかと

    • 室温と暖冷房負荷のシミュレーション

      1985理事で基盤情報作成委員会の中野です。 近年では住宅用の温熱・省エネシミュレーションツールが比較的手頃な価格で入手できるようになりました。快適性と省エネの両立を目指す家づくりのために、シミュレーションはとても有効なツールです。 基盤情報作成委員会では、㈱インテグラルのホームズ君省エネ診断エキスパート/パッシブ設計オプションを使って様々なシミュレーションを行っています。ホームズ君は24時間365日の各部屋の室温や暖冷房負荷を算出できるところが特長です。このように詳細な結

      • 電気自動車のリアル

        こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 2023年5月末に電気自動車リーフを購入して1年ちょっとが経ちました。 今回は乗ってみての感想や、走行距離、電気代の"リアル"をお届けしたいと思います。 0.電気自動車(EV)の種類まず電気自動車とは、その名の通り「電気を動力源として走行する車」のことです。EVとも呼びます。EVとはElectric(=電気) Vehicle(=車)の略で、ひとえにEVと言ってもいくつか種類があります。

        • エネルギー消費量の実績を振り返ろう  ~1985年間レビュー~

          こんにちは。 1985の代表理事の辻です。 1985では家庭のエネルギー消費量を標準家庭の半分以下(エネルギーハーフ)にすることを目標にして活動していますが、一昨年から1985の会員を対象として、それぞれが設計、施工した住宅の1年間のエネルギー消費量を専用のシートにとりまとめて共有する、「年間レビュー」に取組んでいます。 まだまだ会員内で浸透しているとは言い難いですが、今後、こうした取組みが内外問わず広がっていくことを期待して、結果の振返りも交えながらまとめてみたいと思い

        室温と健康 その4 ~夏の温熱環境と健康リスク~

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        • 住宅の温熱環境・省エネを深掘りする -1985基盤情報委員会
          7本

        記事

          全国都道府県の省エネの動きが活発に

          一般生活者推進委員の川端です。 今日は2024年11月12日に開催される 全国省エネミーティング実行委員長として、書いております。 さて、現在鳥取県を筆頭に全国で、 省エネの取り組みが活発になってきています。 それもそのはず、CN(カーボンニュートラル)宣言をしている 都道府県は関東の一つの県を除いて、46都道府県。 (どこが宣言していないかは、どうぞ調べてみてください。笑) CNを目指すことは世界的な取り組みで、 これからの社会活動では必須となっています。 そんな流れ

          全国都道府県の省エネの動きが活発に

          いよいよ卒論にも”断熱”の重要性が取りざたされました!

          理事の吉田です。 他団体連携委員長を一応させていただいており、地域アドバイザー拠点の活動の一環から、宇都宮大学国際学部髙橋若菜教授と知り合うことになりました。 髙橋教授は日本では珍しい”環境政治学”を研究されています。 なぜ日本では珍しいかと言えば、日本の場合は環境なら環境、政治なら政治と区分けされてしまい、環境問題を提起するもそれを解決する手段としての政治や政治的アプローチを研究するような学問がわたしのつたない見識では見受けられませんでした。 そんな中、そこを研究されている

          いよいよ卒論にも”断熱”の重要性が取りざたされました!

          パッシブデザインとプランニング ~オープンプランニングの工夫しておきたい点~

          こんにちは。1985理事の米谷です。 最近の1985会員の工務店さんの住宅づくりは、 断熱や日射遮蔽の工夫が加速し、 日射利用を目指した配置や開口の設計においても 充実してきた感があります。 同時に、住宅づくりが一気にパッシブデザインに向かったことで、 住宅に求められるパッシブデザイン以外の要素と 折り合いを付けておく必要も感じます。 住宅のオープンプラン化 研究者らが温熱環境をシュミレーションする際に用いられているプラン (図2)では、 中廊下型の自立循環型のモデル住宅

          パッシブデザインとプランニング ~オープンプランニングの工夫しておきたい点~

          1985アワード2024 開催

          こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の松尾です。 1/24(水)に、「Passive × Energy Design 1985アワード2024」を開催しました。第二回の開催となった本アワードの様子をご紹介します。 1.Passive × Energy Design 1985アワードとは 2007年~2020年の間、野池政宏氏を代表とする自立循環型住宅研究会(現在は閉会)にて毎年開催されていた「自立研アワード」を引き継ぐ形で、小さなエネルギ

          1985アワード2024 開催

          「全国省エネミーティング」について

          こんにちは。Forward to 1985 energy life理事の千葉です。 今回は私の担当している、「全国省エネミーティング」について書きたいと思います。 1.全国省エネミーティングとは? 初めに行ったときは実はまだこの団体が任意団体の時、2011年になります。また、その時は“秋の大集会”といった名前でこれからこの団体が目指す方向についての集会が行われました。 その時の大会開催における大会趣意書が残っており、そこには以下のように書かれています。 ◆大会開催の背景と

          「全国省エネミーティング」について

          室温と健康 その3 ~室温と健康リスクの情報整理~

           こんにちは。 Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。  基盤情報作成委員会では、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して、ここのコラムでお伝えしていきます。 0.前回の概要室温と健康リスクの情報を整理するために、主にインターネット等で公開されている公的な情報などを中心におこない、 「Housing health guidelines 2018」WHO(世界保健機構)  「Minim

          室温と健康 その3 ~室温と健康リスクの情報整理~

          室温と健康 その2 ~室温と健康リスクの情報整理~

           こんにちは。 Forward to 1985 Energy Lifeの監事で基盤情報作成委員の坂崎です。  基盤情報作成委員会では、まじめに家づくりに取り組まれている方にとって有益になるであろう情報を整理して、ここのコラムでお伝えしていきます。 0.前回の概要 前回は「室温と健康」をテーマにした理由からはじまり、気温と死亡率や血圧変動など健康リスクについて紹介しました。  前回から時間が空いてしまいましたが、今回は「室温と健康」に関する主な情報の内、海外の報告書等の内容に

          室温と健康 その2 ~室温と健康リスクの情報整理~

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる② 2023年夏の報告

          こんにちは。Forward to 1985 energy life事務局の服部です。 2023年3月の記事でご紹介した『1985House in 別府』(←私の自宅)ですが、住み始めて8ヶ月が経ちました。 そこで、今回はこの夏にエネルギーが自給自足できたのかご報告したいと思います。 1.エネルギーの流れまずはじめに1985House in 別府のエネルギーの流れをご紹介。 何はともあれエネルギーを自給するということは、最初に発電をしなければいけないので、スタートは一番左

          事務局服部、別府にオールタイム車までリアルZEHの家を建てる② 2023年夏の報告

          パッシブデザイン住宅の事前のシミュレーションと実測の重要性について

          こんにちはForward to 1985 energy life理事の木村です。 今回は、シミュレーションと実測の重要性についてお話しします。 パッシブデザインにおいて重要なのは、 ①敷地の日照シミュレーションを行う事 ②ゾーニングを行い、どこに南の窓位置を設けるべきかを検討する ③配置計画、平面計画だけでなく、断面計画を行いながら、主たる居室やその他の居室にどのように日射を入れ、遮蔽するかを検討する ④非居室は、日射熱若しくは暖冷房機器により室温を上げるかを検討する ⑤

          パッシブデザイン住宅の事前のシミュレーションと実測の重要性について

          リアルZEHを目指そう!

          こんにちは。 一般生活者普及啓発委員会の川端だったはずが、 現在は基盤情報作成委員会にも少し関わっております。 前回まで、辻さん、中野さんが、 2050年までのシナリオを分析してくれたわけですが、 実際に私達がどのような家づくりを目指さないといけないのかを、 私から解説をさせていただきます。 カーボンニュートラルは未来の話、光熱費上昇は今の話今年も暑い日がつづいていますが、 全国的に見れば、北海道より、沖縄が涼しいというような 着実に温暖化が進んでいることを感じます。 二

          リアルZEHを目指そう!

          2050年ビジョンを目指す

          1985理事で基盤情報作成委員会の中野です。 前回の辻さんの記事では、1985の長期的なビジョンとして2050年に目指すべきエネルギー消費量の数値化と具体的な目標について解説されていました。 簡単にまとめると、 ①原発に頼ることのないカーボンニュートラルを目指そう   ↓ ②そのためには2050年の家庭部門のエネルギー消費量を1500PJ以下にしよう   ↓ ③1500PJ以下にするには、これからの新築と大規模リノベはリアルZEHを、中規模以下のリフォームはエネルギーハーフ

          2050年ビジョンを目指す

          2050年ビジョンとその具体(後半)

          こんにちは。 1985の代表理事の辻です。 今回は前回の続編ということで、ロードマップの文言及び2050年ビジョンを数値化するための具体的な作業について解説したいと思います。少々ボリュームがありますが、最後まで読んでもらえると嬉しいです。 まずはロードマップの文言「ストック平均でZEH基準の水準の省エネ性能が確保されているとともに、その導入が合理的な住宅における太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となる」の前半部分から。 「ストック平均でZEH基準の水

          2050年ビジョンとその具体(後半)