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コンサル業界の転職事情(総合系ファーム編)②
自己紹介
こんにちは、私は40代後半の経営コンサルタントで、15年以上の経験があります。私の専門分野は業務改善で、多くの企業に高い価値を提供できる自信があります。しかし、新たな挑戦を求めて転職活動を始めました。今回転職活動を実際に行なって肌で感じたコンサル業界の転職事情について、大手総合系ファームに絞ってお伝えする2回目になります。
1回目の内容はこちらから確認できます。
ここからは総合系ファームで求められているスキル・経験についてお伝えします。
総合系ファームで重視されているスキル・経験
面接を通じて、総合系ファームで重視されていると感じたのは以下の点になります。この部分はブティックファームでも、総合系ファームでも求められているスキル・経験になります。
IT(DX)プロジェクトのプロマネ経験
総合系ファームもIT(DX)が好業績を牽引していることもあり、この知見・経験に対するニーズは強いです。ここはブティックファーム・コンサルベンチャーと共通でした。ただ、大規模プロジェクトのプロマネ経験でないとあまり評価されないようでした。
自分の場合、業務改善が得意な領域にも関わらずIT(DX)プロジェクトの経験も少なく、大規模プロジェクトのプロマネ経験も少ないので、ここが見送り理由になってしまいました。今は業務改善のコンサルはIT導入ができないと大手総合系ファームは厳しいと痛感しました。
プロジェクトマネジメント(プロマネ)経験
IT(DX)プロジェクトでなくても、プロマネ経験は評価していただけました。ただ繰り返しになりますが、大規模プロジェクトの経験と経験したプロジェクトの多さがマストのようです。
総合系のプロジェクトは特に大型案件が多いことが理由だと思います。プロマネとして期待されているので、その大型案件を取り仕切れる、という証明が求められた、ということだと思います。
私の場合、500人規模のプロマネ経験があるのですが、経験したプロジェクト数は少ないということでここもネックとなりました。
プロジェクト獲得能力
ここはファームによる傾向はありましたが、強く求められることが多かったです。また、ブティックファーム、コンサルベンチャーとは求める能力も異なっていたように感じます。
ブティックファーム、コンサルベンチャーではドアオープン後からの関与を求めているところが多かったですが、総合系ファームでは、ドアオープンからできることを求めれていました。
総合系ファームで求められるプロジェクト獲得能力は整理すると以下のようになります。
新規クライアントをドアオープンする能力
過去のコンサル経験からリレーションがある先や、過去独力で新規クライアントを獲得して経験を求められました。
ドアオープン後のニーズヒアリングからプロジェクト獲得まで
ブティックファームやコンサルベンチャーでも求められましたが、総合系ファームでも求められました。ただ、総合系ファームではクライアントのニーズは何でも吸い上げ、社内の専門家を探し、その専門家と協業しながらプロジェクトを獲得できることが求められたが、得意領域での案件獲得を求めるブティックファームとの違いと感じました。
デリバリ後のリピートプロジェクトの獲得
ここはブティックファーム、コンサルベンチャで求められたことと同様でした。
プロジェクトのデリバリー力
プロジェクトデリバリーそのものより、クライアントとのリレーション作り、そこからの新しいニーズの収集とプロジェクトの提案・獲得、リピートの獲得の方が重視されていたと思います。プロジェクトそのものよりもクライアント(アカウント)マネジメント能力に近かったと感じました。
総合系ファームではあまり重視されているスキル・経験
一方で、以下のスキル・経験はブティックファームやコンサルベンチャーでは重視されていたものの、総合系ファームでは重視されていなかった項目になります。
コミュニケーション力
総合系では、ここは当たり前と捉えられていて、プラスになることはなかったように感じます。逆に一定水準以下だと大きなマイナスになるポイントだと感じました。
私の場合、コミュニケーション力がマイナスになることは少なく、ブティックファームだと評価ポイントとしてフィードバックをもらっていたのですが、総合系の場合全く言及がありませんでした。マイナスにもならなかったし、プラスにもならなかったからだと思います。
プロジェクトでの部下の育成経験・実績
ここもあまり求められませんでしたし、面接の中で聞かれることもありませんでした。
総合系は教育制度も充実していることもあり、OJTを通じて部下を育成しなければいけない緊急性や重要性はブティックファームと比べて相対的に低いことが要因だと思います。
ここについても私の場合は、面接の中で質問すらありませんでした。
OFF-JTでの部下の育成経験・実績
上記と被りますが、教育制度が確立され、充実していることからか、あまり求められていませんでした。
ここも私の場合、面接で聞かれることはありませんでした。
組織作りへの貢献
組織が出来上がっていることに起因していると思いますが、組織作りへの貢献を求められることもありませんでした。
総じて、クライアントに対して何ができて、どんな貢献ができるのか、が主要な判断ポイントで、社内に対してどんな貢献ができるのか、という部分はあまり重視されていなかったと言えます。
長くなりましたので、③に続きます。(次回が最終回です)