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【社員インタビュー:前編】子育てを新しい挑戦の源に。清水美保と奥村さやかが実感する、母としてのキャリア選択

「大切なのは、自分が本当にやりたいことを見つけること。それは子どもにとっても良い影響となるはずです」

アパレル業界でキャリアを積んできた奥村さやかは、この言葉に心が軽くなるのを感じました。0歳の子を持つ母として、未経験の領域に踏み出すことへの不安を抱えていた彼女に、母親としての先輩でもある清水美保は実体験に基づくアドバイスを送りました。それは、転職相談という以上に、人生の選択についての対話でした。

清水自身、2018年1月、2歳の子を持つ母としてフォースタートアップスに入社。そして今、プリンシパルとして数多くの転職支援に携わっています。二人の出会いから1年半。奥村は現在、ヒューマンキャピタリストとして活躍しています。

フォースタートアップスでは、女性管理職比率の高さが特徴です。しかし、それは数字だけの話ではありません。子連れ出社を受け入れる文化や、時間単位の有給制度など、制度と文化の両輪が、多様な働き方を支えています。二人は何を考え、どのような未来を描いているのでしょうか。前後編に分けてお届けします。

(前編では、二人のキャリアの転換点と、フォースタートアップスならではの女性の働く環境について。後編では、ヒューマンキャピタリストという職業の本質と、未来の仲間へのメッセージをお伝えします)

清水 美保
タレントエージェンシー本部 プリンシパル
千葉県出身。米国南部で大学時代を過ごし、2008年外資IT企業に新卒入社。コンサルティング企業を経て、メガベンチャーでマーケティング・CRMに従事。2018年フォースタートアップス入社。「想いが仕事になるライフワーク」を重視し、社会課題解決や、新技術を扱うスタートアップなど50社以上を担当。経営幹部層やベンチャーキャピタリストの方々など幅広くご支援。一児の母。
・2022年 SOZOW社主催「SOZOWフェス - いろんなシゴトの世界を見てみよう!」登壇
・2023年 NHK Eテレ『おとなりさんはなやんでる。』出演
・2024年 CORE社主催「女性管理職が語る!女性が長期的なキャリアを築く上で大事な視座」登壇
・2024年 IVS2024 KYOTO 「安定ってどこにある?カオスを生き抜くキャリア戦略!」登壇

奥村 さやか
タレントエージェンシー本部 ヒューマンキャピタリスト
早稲田大学を卒業後、アパレルメーカーにてSV業務を経験。公式ECの構築やソリューション販売を行い、取引先の課題解決をサポートする。
出産後、育児と仕事の両立をきっかけに仕事へやりがいや社会的意義を求める気持ちが強くなり、日本の未来をより良いものにするため、成長産業支援を行うfor Startups,inc.に参画。2歳の子供を育てるシングルマザー。


キャリアの転換点。自らの想いに導かれた道

フォースタートアップス forStartups 奥村さやか
奥村 さやか タレントエージェンシー本部 ヒューマンキャピタリスト

お二人がフォースタートアップスに入社されたきっかけを教えていただけますか?

奥村:新卒からアパレルメーカーに勤めていて、そこでオンラインストアを作る仕事をしていました。人材業界は全く考えたことがなかったのですが、出産を経て変化が訪れたんです。産後4ヶ月で復帰するくらい仕事は好きでしたが、「このまま同じような仕事を続けるのか」と考えた時に、我が子の未来や日本経済のことを考えるようになりました。

「何かもっと、自分にもできることがあるのかもしれない」。もやもやしながら、子供が6ヶ月の時に転職活動を始めました。まずは転職媒体に登録していた時に、フォースタートアップスの社員と出会い、(清水)美保さんとも話す機会をいただきました。

清水さんとの出会いが転機になったのですね。

奥村:美保さんの人生や、お子さんが2歳くらいの頃から子どもを連れて働いてきたリアルな経験を伺いました。仕事の内容や事業についても、こんな仕事があるんだ!とワクワクするものがありました。結局、フォースタートアップスだけを受けて入社することに決めました。

清水さんはどういったキャリアを歩まれてきたのですか。

清水:大学時代にアメリカのアラバマ州に留学していたことをきっかけに、初めて日本を客観視する機会を得ました。2006年頃、まさに失われた30年の真ん中のような時期です。GDPの成長率がほぼ横ばいの日本をよそに、中国やシンガポールが急成長している状況に、漠然とした不安を感じていました。いつか、日本経済の「見えない天井」を引き上げることはできないものか、とも。

2008年に外資IT企業に新卒で入社して、2011年にはコンサルタントに転身しました。2014年から楽天に勤めて、マーケティングやCRMといった領域で仕事をしました。産休・育休取得も復帰もしやすく、とても良い会社でした。辞めるつもりはなかったのですが、子供が0歳3ヶ月の頃に復帰して、しばらく仕事をするうちに、自分自身が抱いた「問い」にまた立ち戻ってきたんですね。子どもたちやその先を生きる人たちのために、自分の仕事を通じて、もっと社会のために価値提供できないかと。

そんな時に、弊社代表の志水から「日本はこれから伸びる成長産業にもっとリソースを投下して、新しい産業を生まなければならない」という話を聞く機会がありました。直観的に、私と考えていることがすごく近いなと思ったんです。

人材業界は未経験でしたが、「できることはよくわかりませんが、何でもやるので入れてください」と願い出ました(笑)。ただ、当時は2歳の子どもがいましたから、保育園の送迎のために「フルタイムですが2時間前倒しの8〜17時で働きたい」ともお願いしました。まだそういった制度が整っていないなか、みなさん快く受け入れてくださって。

楽天という大手企業で安定していた分、決断には勇気が必要でした。でも、日本の産業の未来について「外貨を獲得していかないと、内需だけではこの国は厳しい」という志水の考えに強く共感したんです。「この人と一緒に働きたい」という思いが、不安を上回りました。

子どもを産んでみたら、意外ともっと仕事がしたくなった

フォースタートアップス forStartups 清水美保
清水 美保 タレントエージェンシー本部 プリンシパル

奥村さんは当時、転職に際してどのような不安がありましたか?

奥村:私の実家は製造業なんです。両親も製造業を効率化するシステムの会社を経営していて、小さい頃からサプライチェーンやものづくりに興味がありました。中でも特にファッションが好きで、「私がアパレル業界を変えるんだ」という思いで新卒入社したんです。

オンラインストアの立ち上げでは、生産効率やデータを活用した新しいビジネスにも携われました。それだけに、この専門性を手放すことへの不安はありました。29歳という年齢で、全く未経験の人材業界に飛び込むことに、プライドも邪魔をしていたと思います。

その不安をどのように乗り越えられたのでしょうか?

奥村:美保さんが「専門性やポータブルスキルは、時代が変われば変わるものだし、それよりも今やりたいことをやればいい」とカジュアルに話してくださって。その瞬間、すごく心が軽くなったんです。中長期での未来が見えていないまま、目の前のキャリアにしがみついていたなと気づきました。一度きりの人生なので、せっかくなら本当にやりたいことをやった方がいい。それは子どもにとっても良い影響となるはずだと思うに至りました。

私と同じように悩んでいる子育て世代や、ライフイベントを控える女性にもキャリアとの向き合い方をぜひ知って欲しいと思うようになりました。それは今の私自身の仕事にもつながっています。ヒューマンキャピタリストの役割は、仕事だけでなく、プライベートな部分も含めた人生設計を相談できて、サステナブルに両立を楽しみ、仕事でも活躍していけるようなキャリアを提案することだと考えているんです。

お二人にとって、子育てとキャリアの両立は、決断の大きな要素だったのではないでしょうか?

清水:実は私、育児休暇は1年間は取るのが理想だと思っていたんです。でも実際は、私自身はその期間に耐えられなくて……結局は生後3ヶ月で保育園を決めて、仕事へ復帰したんです。「仕事が好きなんだな」って、改めて実感しましたね。

奥村:私も同じでした。産後4ヶ月で復帰したんですけど、やっぱり仕事が好き。「子どもを産んでどうなるか」って、人によって全然違うと思うんです。私の場合は、産んでみたら意外とめちゃくちゃ仕事がしたくなって(笑)。でも、ただ働くだけじゃなくて、日本経済や産業を元気にしていくという、社会貢献の文脈でも働きたい思いが強くなりました。

そうした思いを持つお二人が出会われたのも、運命的ですね。

清水:本当にそうなんです。実は、私が奥村さんと初めてお会いした時、「この人と一緒に働きたい」と直感的に思ったんです。奥村さんから「社会のためになりたい」「社会貢献したい」という想いがすごく伝わってきました。私自身、この仕事をする上で、その想いを大切にしていますから。そこからは「奥村さん自身が楽しく働けるか」という視点で、いろいろな質問を投げかけました。制度のことはもちろん、実際の働き方まで。

奥村:そうでしたね。当時はまだフォースタートアップスでも、子育て中の社員は本当に少なかったですから。でも、私にとっては美保さんという先輩がいるということが、すごく心強かった。「子育てしながらでも、新しいキャリアを築ける」という希望が見えたんです。

この出会いは、私にとって人生の転機でした。今では私自身も、同じように悩む方々の相談に乗る立場になっています。特に、キャリアと子育ての両立に不安を感じている女性の方には、私たちの経験をお伝えできればと思っています。

採用時のプロセスも丁寧に進められているそうですね。

奥村:私の場合は、美保さんとは2回もお話させていただいて、それ以外のマネージャーの方とも合わせて4回ほどお会いしました。回数が多いように感じるかもしれませんが、その分会社の事や中で働く人の事をよく知る事ができました。

清水:現在は3〜4人ほどの社員と会うのが通常のフローになっています。時間はかかりますが、お互いのフィット感や価値観をしっかり確認できる。実は「全員と話していて楽しかった」という声をよくいただくんです。それは、その方がフォースタートアップスのカルチャーに合っているということの表れかもしれません。それをカバーするための複数回の面談プロセスだと思っていただくとよいでしょう。

「当たり前」になった制度と文化が支える、女性活躍

フォースタートアップス forStartups

フォースタートアップスでは、子育て中の社員が増えてきているそうですね。

奥村:私が入社した後にも、産休から復帰した方が2名いて、現在も育休中・妊娠中の方が複数名いらっしゃいます。制度面でもどんどん進化していますね。例えば、時間単位の有給休暇や時差勤務で、子どもの行事や病院への付き添いなど、ちょっとした時間が必要な時にも柔軟に対応できるようになりました。

それから、生理痛が重い時や、妊娠中で体調が優れない時に使える「Woman制度」も導入されました。在宅での就業に切り替えたり、有給で特別休暇を取得できる制度です。

清水:制度があるだけではなく、実際に使われていることが大事なんです。子連れ出社もその一つですね。有事の時や社内イベントでも「子連れでいいですか?」と聞くと、誰からも「ウェルカム」という雰囲気が根付いています。

私がフォースタートアップスに入った頃は、まだリモートワークの文化があまりなくて。夜の採用イベントや起業家のピッチイベントといったリアルイベントも多かったので、その時は子どもを抱っこしながら参加していました。そんな話を奥村さんとの面談でもしたんですよ。

奥村:今では私自身がその文化を体現する側になっています(笑)。最初はオフィスまでの通勤は体力的にも大変でしたが、実際に子供を連れてくると皆が暖かく迎えてくれます。子どもと一緒に起業家の説明会やピッチに参加することもあって、それも一つの良い経験になっていると感じます。東京での子育ては関わる大人の数が少なくなりがちですが、ここでは子どもにとっても新しい出会いの機会になっているんです。

清水:子育てする社員が増えてきたことで、必要な制度も見えてきて。それが実際に使われることで文化として定着する。そうすると、また新しい仲間が入ってきやすくなる。そんな好循環が生まれています。

そうした環境づくりの背景には、どんな考えがあるのでしょうか?

奥村:実は子育て中の社員のための制度づくりに関わっているのですが、大切なのは制度をつくることではなく、その人がいきいきと働けることだと思っています。転職相談で「子どもがいるから、できることが限られてしまうのでは」と悩む方もいらっしゃいますが、むしろ子育てがあるからこそ、新しい視点が得られることも多いと思うんです。

清水:子どもがいることで、時間の制約はもちろんあれど、プラスの面も確かにあります。最近、小学校3年生の子どもに「将来何になりたい」と話していたら、以前は「警察官!」と言っていた子が、突然「ママみたいになりたい」と。驚いて「なんで?」と聞いたら「楽しそうだから」って(笑)。

日々バタバタしているつもりでしたけど、子どもの目には「楽しそうに働いているママ」として映っていたんですね。結果的に、私が好きな仕事をしていて、子どもにとっても良かったのかなと思いました。

奥村:私も同感です。結局、子どものために時間を割くことも大事ですが、親が楽しそうにしていないと子どもも楽しくないと思うんです。仕事でも何でもいいんですけど、自分が幸せな姿を見せられることはとても重要だと感じています。

お二人の経験は、これから転職を考える方々にとっても、大きな参考になりそうです。

奥村:私自身もInstagramなどで発信していることですが、実はまだまだ知られていない制度やサポートって多いんです。大手企業の福利厚生が充実しているから安心、というわけでもありません。

清水:そうなんです。実は私たちのような成長産業の方が、働く人たち自身で制度をつくり、より使いやすい環境を作れることもある。そういった可能性も、もっと多くの方に知っていただきたいですね。

フォースタートアップス 清水美保 奥村さやか

後編では、二人が思うヒューマンキャピタリストという職業の本質と、未来の仲間へのメッセージをお届けします。

(取材・文:長谷川賢人)

会社概要

フォースタートアップス株式会社は、スタートアップ企業の人材支援を中核に、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」の運営、官庁・地方公共団体のスタートアップ関連事業の支援など、産・官・学連携による成長産業支援事業を展開しております。

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