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シャキッとする”心理的安全性” 〜エイミー・エドモンドソン博士から
2022年のキーワード
2022年のキーワードの一つに”心理的安全性”があげられる。
”心理的安全性”を世に広めた書籍『恐れのない組織』を書いたエイミー・エドモンドソン博士(Dr. Amy Edmondson)がニューロリーダーシップ研究所の11月4日のWebinarに登壇したので、改めて”心理的安全性"とは何かを学んでみた。
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ぬるま湯ではない心理的安全性の定義
”心理的安全性”はどこか仲良しグループのイメージを感じてしまうのは、私だけではないと思う。
確かに仕事がしづらいチームもあるが、安全とは安心なのか?
チームと上手くやっていくのと、"心理的安全性"が高いのと、パフォーマンスにどう関係するのか?
エドモンドソン博士の"心理的安全性”の定義は下記だった。
心理的安全性とは個々が、
対人関係のリスクがとれると信じられること。
率直に話すことを許されていると感じていること。
気まずくなっても良いと知っている状態。
これを聞いて、なかなかシャッキっとする内容だと思った。
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チーム毎に作られる特性である
エドモンドソン博士は、さらに、"心理的安全性"は、チーム毎に発生する性質だという。
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ある病院のエラーを調査していた所、チーム毎に失敗から学べるかどうかに違いが出た。そして、それはチームがエラーについて話せるかどうか、に起因していたという。
当たり前だが、エラーについてグループ内で話せないと、その失敗からは学べない。
元々が心理的安全があるわけではない
誤解があるかもしれないので強調しておきたいとエドモンドソン博士が言ったのが、ノーマルは何かという点。
人々は、心理的安全性がない状態がノーマルな状態である、と博士はいう。
人間は常にリスク回避をしようとし、他人からの印象を管理しようするのが性質であるので、"心理的安全性”は、あえて努力して作っていくものだという。
ちょうど良い脅威レベル
人間は、ビーチに座って何も制約がないとかえって仕事がはかどらなくなる。
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Webinarでデイビッド ロック氏は、脅威レベル1は、仕事をするのに最も適しているという。次のような状態をさす:
脅威レベル1
アラーム(警報)が鳴っている状態
集中できる
ポジティブなストレス
創造性は少し減る
脅威レベル2
脅威が現実にせまっているという認識
システムが落ちてしまう
ミスが起こる(状況判断や質問の意図を取り違える)
はずかしさを感じる
発言できない
プロセスが上手く機能しない
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脅威レベル3
ハイジャックされた状態
心や頭が炎上中
目指したいのは、社会的脅威とプロジェクト脅威の区分
恥ずかしい想いをしたり、発言できなくなるのは、心理的安全性がなく、社会的脅威を感じている状態である。
これらの脅威は無くすよう取り組む必要があるものだ。
プロジェクト脅威は、あっていい脅威である。
プロジェクト脅威は、ディスカッションでき、共有し、一緒に取り組むことができる。
例えば、「この状況は今まで一番困難だ。」「スケジュールが厳しくなるなあ」など、プロジェクト脅威は明らかにするこで、お互いの間にあるバリアを下げることも可能にする。
まとめ
心理的安全性とは、チームの人間が、言いづらい意見でも率直に話してもいいと感じられる環境をさし、それは取り組んで作り出す関係性である。
また、適度な脅威は良いパフォーマンスを引き出すが、社会的脅威は発生させないのが重要である。
参考情報:
Photo by Sasha Kaunas on Unsplash
Photo by Vlad Hilitanu on Unsplash
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Photo by Lubo Minar on Unsplash
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