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#38 「ロビンソン/スピッツ」の歌詞を読み解く

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ロングセラーの謎

2025.1.23

スピッツの「ロビンソン」は初めて聴いた瞬間にお気に入りとなった曲。

リリースは1995年。

30年経った今でも色褪せないロングセラーです。

幻想的なフレーズと繊細なボーカルが魅力ですが、どこか謎めいた歌詞も多くの人に支持される要因となっています。

今回は私なりにこの歌詞を解釈してみましたので、ご笑覧ください。


主人公は「君」を追いかけている

歌詞を最初から順番に眺めていきます。

[1]新しい季節は なぜかせつない日々で
[2]河原の道を自転車で 走る君を追いかけた

[3]思い出のレコードと 大げさなエピソードを
[4]疲れた肩にぶらさげて しかめつら まぶしそうに

[1]からわかる事実は・・・

君(=主人公の恋人または想い人)➤ 河原の道を自転車で走っている
主人公 ➤ 君を追いかけている

自転車に乗っているのは、もしかしたら主人公の方なのかもしれませんが、今回そこは大きな問題ではないので深掘りしません(恐らく違うし)。

[1][3][4]も主人公にしかわからない描写なので割愛します。


意味不明だがファンタジック

次の歌詞に移ります。

[5]同じセリフ 同じ時 思わず口にするような
[6]ありふれたこの魔法で つくり上げたよ

[7]誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように
[8]大きな力で 空に浮かべたら
[9]ルララ 宇宙の風に乗る

[5]~[9]はこの時点では意味不明です。

ここではファンタジックな雰囲気を味わっておくにとどめましょう。


捨て猫の役割は?

2番の歌詞に移ります。

[10]片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
[11]どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬よせるよ

ここで唐突に「捨て猫」が登場します。

自分との共通点を見つけた主人公は、その🐈を身勝手に慈しみます。

この猫の役割は何なのでしょうか?


主人公の「目線」に注目

次の歌詞です。

[12]いつもの交差点で 見上げた丸い窓は
[13]うす汚れてる ぎりぎりの 三日月も僕を見てた

[12]で登場する「丸い窓」とは一体何のことでしょうか?

場所が普段利用している交差点であることはわかっています。

[13]で「うす汚れている」とありますので、少し考えると🚥(排気ガスでうす汚れた信号)だと推察できます。

加えて「三日月も僕を見てた」とありますので、(まだ確証はありませんが)主人公の目線は空を向いているようにも思えます。


ほとり(畔)=水際

[14]待ち伏せた夢のほとり 驚いた君の瞳

ほとり(畔)とは、本来は海や川・池などの水際を指す言葉の筈です。

主人公は交差点にいた筈。

「交差点」には「水」を連想させるものはありませんが、はて?

また、ここで「君」が再び登場します。

主人公はようやく「君」に追いつけたようですね?

ほとりで待っている主人公に「君」はなぜ驚いたのでしょうか?

謎は深まる一方です。


答え合わせ

いよいよこの曲の核心となる歌詞が登場します。

[15]そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ

何と!

「ここで生まれ変わる=ここで死んだ」

しかも「僕ら今」ということは、君も主人公もほぼ同時に?

その仮説が正しければ、芋づる式に謎が解けていきます。

では、歌詞を遡って見ていきましょう。


[14]の答え合わせ

[14]待ち伏せた夢のほとり 驚いた君の瞳

とすれば「夢のほとり=三途の川のほとり」、確かに水際です。

「待ち伏せた」、つまり主人公は君より一足先に絶命し、ほとりで君が来るのを待っていました。

そこに遅れて君が現れ、「なぜ貴方もここ(三途の川)に?」と驚いたのでしょうか?


[12・13]の答え合わせ

[12]いつもの交差点で 見上げた丸い窓は
[13]うす汚れてる ぎりぎりの 三日月も僕を見てた

場所が交差点ということは、死因は交通事故だったのでしょうか?

主人公は道路の上で仰向けで信号と月を見ながら最期を迎えたのでしょう。

もしかしたら事故に遭いそうな君をかばおうとしていたのかもしれません。

しかし、結局君も助からなかった・・・。


[10・11]の答え合わせ

[10]片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
[11]どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬よせるよ

捨て猫に愛着を感じた主人公は「死への道連れ」を求めたのでは?

🐈「(迷惑だニャン)」


[5~9]の答え合わせ

[5]同じセリフ 同じ時 思わず口にするような
[6]ありふれたこの魔法で つくり上げたよ

[7]誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように
[8]大きな力で 空に浮かべたら
[9]ルララ 宇宙の風に乗る

「ありふれた魔法」とはもちろん「死」のこと。

「誰も触れない二人だけの国」とは「君と主人公だけの死後の楽園」。

「大きな力で空に浮かべたら」は…さしずめ幽体離脱でしょうか?

「宇宙の風=三途の川の流れ」に乗って「二人だけの国」へ。

「ルララ」は聞き慣れない表現ですが、悲しい印象はありません。

そうか、「二人だけ(+🐈)の国」に行けて喜んでいるのですね。


【まとめ】魅力の源は重厚なバックグラウンド

今回の歌詞の解釈、皆さんはどのような感想を持たれましたでしょうか?

再度聴き直してみると、今までとは違った曲に感じたかもしれません。


実はこの曲、その後ネットで調べてみると、実に様々な解釈が存在していることがわかりました(後追い自殺説とか心中説とか妄想説とか)。

聴く人によって様々な解釈が成立しますが、いずれにせよ「君」への想いが込められている時点でラブソングだと断言できます。

(私の解釈では)死を扱っているにもかかわらず悲壮感は一切なく、むしろ君と「二人だけの国」に行ける悦びを「ルララ」のひと言で表現している点が秀逸だと感じました。

この曲の魅力の源は、そういった重厚なバックグラウンドにあったのです。


今回はここまで。

次回をお楽しみに。

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