「先生」を育ててみよう -具体例+『ありがとう』の力-

大変な盛り上がりを見せているDiscrodのGGST初心者サーバー,ちょもす文学賞ことnote投稿コンテストに参加しています.
今回は,こちらの記事に触発されて記事を書きました.

教える側と教わる側.優劣はなく,それぞれの立場が違うだけ.とても大切なことだと思います.そんな感想と自分の体験をもとに,教わる側から逆に教える側を育ててみよう,という事に触れたいと思います.

大学時代,ゼミでの出来事

僕は情報科学系の大学で,大学院まで進学していました.その大学では学部の4年生から研究室に所属して,教員の指導を受けます.それとは別に,学生の間で研究の進捗などを報告しあい,意見を交わすゼミが毎週開催されていました.僕は大学院生という立場上.4年生の発表にコメントを出すことが多くなりました.口はばったいけども,「コーチ」のような役割を務めていたという事になります.
しかし,当時も今も,そのことを振り返ると「失敗したなあ」と思うことがります.それは,自分ばかりが延々としゃべってしまい,しかも同じ内容を何度も繰り返すという厄介な行動です.
「これはこういうことだと思うから,例えばこれこれこういうわけで,別の言い方をすると…」という感じです.自分としては大事なことを強調しているつもりなのですが,聞かされる方は何が何だかわからなかったことでしょう.

教えたことができるのを見ると,嬉しい

そんな中,ある時一人の後輩が,プレゼンテーション用の資料作りについて相談してくれたことがありました.その後輩は,僕のコメントをすぐに飲み込んでくれて,次々と資料を修正していきました.僕はその様子を見るのがとても嬉しくて,次々にコメントを出しました.
その時は,同じことをくどくど繰り返そうとする前に「はい!こういうことでしょうか?」と修正した資料を見せてくれるので,僕のコメントもそれに合わせて,短い言葉でテンポよく,というふうに変化していきました.
そしてとどめの一言が「すごくわかりやすい資料になったと思います.ありがとうございました!」でした.恥ずかしながら,僕は「先輩やっててよかったな」とか思ったものです.

コーチの教え方は反応で変わっていく

ここで,僕のコメントの方針を変えたのは,後輩の「言われたことにあっという間に対応してくる」という行動でした.先に書きますが,こういう態度がいつも正しいというわけではありません.ともあれ,僕はその反応を見て,「意見は短く,具体的に,テンポよく」というコメントのやり方にどんどん変わっていったのです.
格ゲーの初級者と上級者の間でも,こういうことが起きるとよいなと思います.上級者は格ゲーについては相手よりも詳しく,様々な知識や経験を備えていますが,「教え方」について特別な練習を積んでいるケースはそれほど多くないと思います.ですから,上級者の誰もが教え上手で確固たる指導方針を持っているという事はあまりないでしょう.という事は,教え方も反応次第でどんどん変わっていく可能性がある,と僕は考えています.

教わる初心者の側も,この教え方は飲み込みやすいな,これはよくわからなかったな,という感想があったらどんどん言ってよいと思います.その時に僕がコツだと思うのは,「これが良かったので,これができました」という具体例をコーチ側に示すこと,そして少しでいいのでお礼を言う事です.上級者なんて褒められたらコロッといきます.

どんな伝え方がわかりやすいのかは,人によって異なるでしょう.ですから,

「質問に答えてもらったので,答えを聞いてこうしました」
「スパッと言ってくれたので,こんな感じに変えてみました」
「ゆっくり,たくさんの話を聞けて良かったです」

こういった感じで,自分が良いと思った教え方をどんどん褒めましょう.そして褒めるときは,教わる側という立場を利用して「ありがとうございます」の一言で十分です.そうやって,自分の都合のいいように上級者のコーチングを「育成」してしまいましょう.

ちなみに,この企画の元であるGGST初心者鯖ことDiscord「ガチのマジの初心者サーバー」では,たくさんの個性的な先生役がいて,様々な意見をくれます.ある意味では「育てる」手間がなくて,気に入った人を選べばいいとも言えますが,思い切って先生を「育てて」みてはいかがでしょうか?
初心者サーバーに興味がある方は,シュンタックスさんの記事をご覧ください.
それでは,良い師弟関係を!良い格ゲーライフを!

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