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子どもも使える、貼る「酔い止め」を使ってみた

 私は、乗り物酔いしやすいタイプだ。特に飛行機と船では、とにかく酔いやすい。飛行機に乗っている時の、身体がふわっと縦に浮くような揺れや横にがたっと動くような揺れ、どちらもとても苦手だ。今、その状況を思い浮かべながらこうして文字にしているだけで、気分が悪くなってきそうだ。
 そして、長男も、乗り物酔いしやすいタイプのようだ。厳密にいうと、3歳前あたりから、特に飛行機の乗った時に酔うようになった。3歳前のころはまだ明確に「気持ち悪い」などと言えず、20分ほどぐずぐずと泣いた後に突然嘔吐する、ということもあった。
 そんな私と長男なので、特に飛行機に乗る時、私はいつも緊張している。市販の酔い止め薬を飲み、ミント味のアメやガムを持ち、ごく少量のミントオイルも手荷物に入れる。それでも、酔いそうになる時はある。

「絶対に酔えない」乳幼児2人連れ、ワンオペ飛行機


 少し前のことになるが、長男のプレスクールの夏休みに合わせ、日本に一時帰国していた。夫は仕事があるため北京に残り、私1人で、子ども2人を連れて帰った。
 「これは絶対に酔えない」と私はいつも以上に緊張した。そして、長男にも酔ってほしくはない、とも思った。乗り物酔いした長男と、確実に機内でぐずるであろう次男を同時にケアできるかわからない。そしてその時に自分自身が酔っていたら・・・もう考えたくもない。

 日本で購入した大人、子どもそれぞれの酔い止め薬を持っているが、ストック分のことも考えると、使える量には限りもある。中国で、子どもも使える酔い止め薬は売ってないだろうか…そんなことを考えて、インターネットで探し始めた。

インターネットで発見。「貼る」タイプの酔い止めとは

 中国語で車の意味の「车」と、薬の意味の「药」の2文字で検索すると…出てきた、出てきた。

通販サイトで検索すると、酔い止めがずらりと出てくる。

 見慣れた日本製品「センパア プチベリー」などもあるが、中国の酔い止めもある。よく見てみると、多数表示されているのは、円形の貼るタイプ、いわゆるパッチタイプのようだ。
 子どもにも使える、というようなことも書かれている。当時、まだ次男に授乳していた私は、授乳中でも使えるものなのか、そしてそもそも、効くのかどうか、ということが気になった。

 日本人の友人複数人に「使ったことはあるか」と尋ねたが、使ったことがある人はいなかった。しかし、親切な友人の一人が、彼女の中国人の友人に確認をしてくれて、「授乳中でも、子どもでも使えるものだ」ということを教えてくれたうえ、高すぎず安すぎない、大手メーカーの商品(8枚で30元=日本円で600円程度)を薦めてくれた。中国人にも確認をしてくれたなら、大丈夫だろう。友人の気遣いが本当にありがたい。

友人に確認して購入した酔い止め。「北京同仁堂」は中国でも有名な製薬会社だという。


そして一時帰国当日。酔い止めは、貼るタイプだけを使うことに

 そして日本への一時帰国当日、私と長男は、購入した酔い止め薬(パッチ)の商品ページの動画を見ながら、それぞれ貼り付けることになった。

商品ページの動画から。へそのちょうど上あたりに貼り付けている。
商品ページの動画から。耳の下あたりに貼り付けている。


 商品ページの動画によると、耳の少し後ろあたりと、なんとへその上に貼っているのだ。長男は「えー!こんなところにはるの?くすぐったい」と笑っていたが、私はまじめに長男と自分のへそ上にはりつけた。
 ただ、長男は耳付近に貼ることをいやがったため、結局、日本で購入した市販薬「センパア プチベリー」も飲ませた。私の勝手な挑戦で酔わせるのはかわいそうだ。

パッチの中心部には小さな突起がある。これでツボを刺激するのだと思われるが、
貼ってみても何も感じなかった。

 つまり私だけ、へそ上と、左右の耳付近に貼った。パッチの中心部には小さな突起があるが、1ミリほどの大きさのため、耳付近に貼ってみても何も感じない。
 パッチの表面はベージュ色の湿布と同じような色をしているが、これを左右の耳付近に貼っていると、目立つ、気がする。夏場ということもあって髪の毛を結んでいるから、隠れない。とはいえ、そもそも、ワンオペで乳幼児2人を連れて搭乗するのだ。見た目なんぞかまっていられない。 
 万が一のことを考え、「酔ってからでも効く」という日本で売っている大人用の酔い止め薬をリュックサックに入れた。でも、普段なら飛行機に乗る時には必ず飲む市販薬を、飲まなかった。このパッチタイプ酔い止め薬、私が使ってみて、効果を確かめなければ!!!!


そして、貼る酔い止めオンリーにした結果は…

 
 少しも酔わなかったのだ!!!
 北京から飛行機にのり、数時間以上は機内で過ごし、日本についてからも車などで移動したが、そのどのタイミングでも、酔わなかった。。そして、貼っていることを忘れるほど、何もなかった。(ちなみに、市販薬を飲んでいた長男ももちろん酔わなかった。それに、長男のへそ上に貼ったパッチは、いつの間にかとれていて、夜、長男が履いていたズボンの中から見つかった…)。
 天候に恵まれていた、とは思う。離陸時と着陸時、本当に少し揺れただけで、大きな揺れはなかった。この要因は大きい。
 それに、車酔いには心理的な影響もあるらしい。「今日ばかりは絶対に酔えない」という決意で搭乗していたから、私の気持ちが車酔いに勝った、かもしれない(何をオーバーな、という感じだが、本当に私は酔いやすいのだ)。
 だとしても、このパッチには、一定の効果はありそうだ。

 これから飛行機や車に乗る時のために、これも買いだめしておくことに決めた。見た目は少々アレだが、効果はありそうで、市販薬特有の長時間続く眠気もない。長男は市販薬を併用したため子どもへの効果はいまいち確認できていないものの、飲み薬ではないため大人と同じものを使える。
 
 私は嬉々として、夫にこの結果を報告した。
 ちなみに夫は、ほとんど車に酔ったことがなく、機内で読書をしたり、新幹線の車中でPCを開いて数時間仕事をしたりしている。以前、高速バスの車内で文庫本を読んだ後にはさすがに「ちょっとだけ酔った」と言っていたが、私からすると、そもそも、高速バスで本を開いたこともなく、開こうと思ったことは1ミリもない。
 その夫は、この中国の酔い止め薬を興味深そうに見ていたが、「へえー、よかったね」というやや軽めの反応だった。
 良い酔い止め薬が見つかったことについては嬉しいが、結局のところは、車酔いしない人が、心底うらやましい。