離乳食@北京、最大の壁!?日本ならどこにでもあるアレを探す日々①
北京に来て以来、日本の家族や友人から時々尋ねられることがある。それは「食事は口に合う?」「ごはんどうしてるの?」ということだ。
乳幼児がいるためほぼ自炊の生活を送っているが、日本の調味料については、醤油やみりん、料理酒なども手に入るし、様々な硬さの豆腐や薄切りの肉を置いている店もある。大人と長男の食事については、マイナートラブルはあれど、ほぼ平常運転だ。
ただ、我が家には乳児の次男がいる。一日2~3回(北京へ来た当時は2回だった)の離乳食は私が自宅で作っているが、この離乳食用に欲しい食材が、こちらへ来た当初は手に入りづらかった。手に入れることができる場所を、知らなかったのだ。
その代表例として、真っ先に挙げたいものがある。白身魚の切り身、だ。
日本の離乳食のタンパク質代表ともいえる存在、白身魚
離乳食の本などでは、「魚は5、6か月ごろから」「肉は赤ちゃんの体に負担になる脂肪も多く」「まずは淡白な鯛や鱈から始めて」と書かれていることが多い。実際に、私が参考にしている離乳食の本にもそうしたことが書かれていた。
「絶対に魚から始めなければならない」「絶対に肉を食べさせてはいけない」というわけではないだろう、とは思うが、乳児の未成熟な胃腸を考えると、負担の少ないものから食べさせる方がいいのは当然のことだろう。
日本で長男の離乳食を作っていた時には、鯛はもっぱら、スーパーの刺身売り場で調達していた。食べるのがごく少量の頃は、刺身を1、2切使えばよい。鱈については、鍋物用が1切から売られていて、非常に役立った。
ただ、それも日本がゆえだ。さすがの私も、北京へ来る前から「鯛の刺身はないだろうな」と覚悟していた。それでも、中華料理には鍋物も煮物もあるのだから、切り身はあるだろう、と考えた。
私の想定している「切り身」がない。というか…コレじゃない!!!
ところが…数か所のスーパーを回ってみたが、私の想定していた「切り身」(いや、おそらく私だけでなく大勢の人が思っているであろう「切り身」)が見当たらないのだ。旅館の朝食に出てくるような鮭の切り身、鍋物に使うのに最適なサイズにカットされた鱈の切り身…そう、あの切り身だ。
まず、日系スーパーの「イトーヨーカドー」で見つけたのは、新鮮すぎるこちらのみなさん。
この生け簀はごく一部にすぎず、この何倍もの量があった。初めて見た時には、ぽかーんとして立ち尽くしてしまった。日本でも、生け簀が置かれたスーパーもあるだろう。でも、ここまで種類は多くないように思う。
ちなみに別のスーパーの生け簀には、すっぽんがいた(本記事トップの画像)。長男が「亀だ!」と言って、しばらく生け簀の前から離れなかった。
そして、「切り身」といえばそうなのだが、切る方向が私の想定と真逆のこちら。
このタイプの「切り身」は初めて見た。手に取って考え込んでしまった。
生け簀の魚が新鮮なことは十分わかっているが、海の魚なのか川の魚なのかよくわからない。頼めばさばいてもらえるに違いないが、家族で食べきれることができるかわからない。
とはいえ、冷凍されたこの胴体を横断?した切り身も、どのように調理すればよいのだろう。
「いきなりこれを離乳食にするには、ちょっとハードルが高すぎるね」。
魚コーナーの前で夫と吟味し、そう結論づけた。
後日、この冷凍鱈の切り身を購入し、大人と長男用に調理した。臭みを抜くため、解凍の過程で塩をまぶし、バターとハーブソルトで焼いた。
味は…思っていたより悪くなかった。ただ、どれだけ焼いても、身は少しトロッとしていて、火が通ったのか不安だった。非常に脂がのった鱈のようで、日本で食べていた、火を通すとパサつく鱈とはずいぶん異なっていた。
離乳食に使えるかどうか、という点においては、いまいちだろう、と結論づけた。塩などで強めに味をつけなければ、臭みが少し残ってしまうと感じたし、何より油分が多かったからだ。
そして、白身魚の切り身を探す日々が始まった
それ以来、次男の離乳食の貴重なたんぱく源を求めて、私は初めて訪れるスーパーでは、真っ先に魚売り場を見るようになった。
豆腐やきな粉は手に入るからたんぱく源としては確保できているし、もう数か月たてば肉も取り入れることができるようになる。白身魚に固執するつもりはなかった。サーモンでも、マグロでも大丈夫なはずだ。
でも、「そう簡単には見つからなさそうだ」ということがわかると、がぜんやる気が出た。白身魚の切り身を、見つけてやるんだ、と。