見出し画像

美容師が考察する「肌の免疫力」について。

ヘアサロン・フォルムでは
“ヘアケアとスキンケアは同じこと”
という価値をお客さまにご提供しています。

頭皮は肌の一部です。

ですから、頭皮と顔のお手入れのアプローチは同じです。顔につけて害があるものは、ヘアケアにも使用しません。
肌本来の美しさを大切にすることが、全てのヘアケアの基本となります。
だからこそ、「肌・地肌の免疫力」を保つことが重要だと考えます。

1.肌免疫とは

私たちの身の周りにはウイルスや細菌などの有害物質がたくさん存在しています。外界と接している「肌」には花粉やハウスダストなど刺激や異物から体を守る免疫機能が備わっています。
この肌に備わっている機能を「肌免疫=バリア機能」といいます。

肌免疫には、ばい菌や有害な化学物質などの異物を見つけて排除する機能、紫外線や乾燥などの刺激への反応を沈静化する機能があります。美しい肌とキレイな髪を保つためにとても大切な働きです。

2.肌免疫=バリア機能を高める対策とは

肌免疫を高める対策は2つあります。

(1)
腸内環境を整える・ストレスをためない・質のよい睡眠など、
内側からの対策

(2)
外界からのストレスを軽減する
外側からの対策

(1)を実行するのはなかなか大変ですが、(2)はそうでもありません。「美肌」のためにすぐできる、外側からの対策をまとめてみました。

3.肌免疫を高め「美肌」のために欠かせない3つの対策

画像2

①紫外線から肌を守る。
肌のバリア機能の役割を果たしているのは角質と皮脂膜です。紫外線はこの皮脂を酸化し、保護層の働きを弱めます。

多くの人はこんがりと焼けた小麦色の肌を魅力的だと感じますが、残念ながら日焼けは肌本来の防衛機能が働いた結果なのです。
日焼けは体内がダメージを受けないように働き、防衛機能を果たしているということです。肌が紫外線にさらされると、肌細胞を保護するための色素メラニンが生成されます。結果、肌は小麦色になります。
それが過剰に起きると、シミなどの色素沈着を引き起こします。

また加齢による老化は自然なプロセスですが、紫外線を長年浴び続け引き起こされる老化現象を「光老化」といいます。
ある研究では肌の老化の80%が光老化といわれています。肌のシミやシワなど肌のトラブルを防ぐためには、紫外線対策が欠かせません。

②乾燥から肌を守る。
肌の一番外側にあるのが角質層です。
角質層には「バリア機能」という役割があります。角質層が肌内部の水分蒸発を防いでいるのです。ところが、何らかの原因により角質層にあるアミノ酸などの天然保湿因子や細胞間脂質が減ってしまうと、細胞をつなぎとめる力は弱くなり、バリア機能が低下し、水分が逃げてしまいます。
つまり乾燥肌は「潤いを保てなくなった」状態です。
空気が乾燥する季節の悩みだと思われがちですが、最近はエアコンなどほぼ一年を通じて肌トラブルの原因は存在します。

乾燥トラブルを防ぐため、頭皮も肌もこまめな保湿が必要です。

画像2

出典:「バリア機能の低下」も肌荒れをまねく

③肌をプラス電位にさせない。
電位と聞いてもピンとこないかもしれませんが、すべての分質はプラスかマイナスか、どちらかの電位を持っています。

少し詳しく説明すると、電子を失う反応をプラス電位、電子を受け取る反応をマイナス電位といいます。

健康な肌は「プラス」と「マイナス」の電位がきれいに並んだ状態です。乾燥や紫外線、加齢など様々な要因で角質層のバリア機能が傷つくと、電位が乱れて「プラス」に傾き、電子を失い酸化された状態になります。
いうなれば「錆びた」状態です。

私達の暮らしの中には、この電位の仕組みを利用した界面活性剤の製品が数多くあります。
肌に直接触れるものでは化粧品やシャンプー・ヘアトリートメント、洗浄剤や柔軟剤などがあります。これらはプラス電位=カチオン界面活性剤、マイナス電位=アニオン界面活性剤などに分けられます。
近年はプラス電位=カチオン界面活性剤による肌トラブルが多くあります。化粧品や洗剤を選ぶ際はぜひ参考にしてください。

まとめ

人間が持つ免疫機能は複雑で、解明されていないことも多くあります。しかし、美しさと若さを保つためには不可欠な働きです。トラブルが起きてから対処するのではなく、免疫力を上げ、予防することが大切です。これからは予防美容という考え方が必要ではないでしょうか。

みなさまのご質問やご意見をお待ちしています。

-----------------------------------
この記事は 永森博明 が書きました。


いいなと思ったら応援しよう!