
茨城県近代美術館 中村彝展
茨城県近代美術館で「没後100年 中村彝展」が開幕しました。
中村彝の代表作を網羅し、約120点が展示されています。

2003年の前回展では出品が叶わなかった、南房総・野島崎海岸の巨岩を描いた「巌」。
現在も所在が不明の「曇れる朝」の下絵やモノクロ写真。
新宿中村屋の社長令嬢・相馬俊子をモデルに描いた「小女」。
今回、ホームページなどでメインビジュアルにもなっている自画像。
そして、アトリエにあった、絵にも出てくる椅子や小卓なども展示されています。

中村彝は、兄の影響もあって軍人を目指すが、肺結核を患い、南房総・白浜で療養しながら絵を描くようになります。病気が判明したショックは計り知れないものですが、病気にならなかったら軍人になっていたかもしれませんね。
24歳の時に新宿中村屋裏のアトリエに移り、相馬俊子をモデルとした作品群を描いています。
29歳の時から37歳で亡くなるまで過ごした東京都新宿区下落合にあった中村彝のアトリエは、1988年茨城県近代美術館敷地内に新築復元され、無料で公開されています。



アトリエにあった椅子やテーブルなどは現在、展示会場に持ち出されているため、広々と感じますね。
「カルピスの包み紙のある静物」などに出てくる三本足の小卓が、展示会場にもアトリエにもあって、彜は2つ使っていたのか、どちらかが復元されたものなのか、スタッフの方にも伺ったのですが分かりませんでした。
1階常設展の「展示室2」では「中村彝の仲間たち―大正時代の画家・彫刻家」と題し、中村彝と同時代を生きた作家たちの絵画や彫刻が展示されています。
1階ミュージアムショップでは、中村彝のサコッシュなど関連グッズが販売されています。
1階ミュージアムショップ隣の「アートフォーラム」では、「中村彝展関連プロジェクト」として、彜の作品に影響を受けた高校生たちが描いた作品が展示されています。
また、2024年12月には、中村彝に関連する講演会も予定されています。
展示会場内は撮影禁止なので作品そのものの写真をあげることができませんでしたが、ぜひ実際に本物をご覧ください。
会期は2025年1月13日(月祝)まで。
最新情報は、公式ホームページにてご確認ください。