オーストラリア連邦予算案
2年連続で黒字達成(予定)
5月14日、2024-25年度(24年7月1日〜25年6月30日)の国家予算案を発表しました。今年度(23-24年度)の単年度の基礎的財政収支は前年度から2年連続で黒字を見込んでいますが、24-25年度は3年度ぶりに赤字に転落する見通しです。(好調な雇用市場とコモディティー(商品)価格の高騰の為)
歳出面では、所得制限のないエネルギー料金の一律支援や低所得者層への家賃補助の増額など、生活費高騰を和らげる施策を打ち出しました。労働党政権の下で中間層により優しい形で修正した所得税減税の第3弾も、7月1日から実施する予定です。
予算早わかり
財務省は予算案の柱として、
生活費高騰対策:7月から実施する所得税減税策(2027/2028年度まで合計13億豪ドル)世帯や小規模企業を対象にした電力料金の払い戻し策(2025/2026年度まで合計35億豪ドル)
国民への住宅供給:7月1日から5年間で120万戸の住宅を建設するとの政府目標を達成するため、住宅支援策(2027/2028年度まで合計1億豪ドル):クリーンエネルギー分野〔グリーン水素、グリーンメタル(鉄鋼、アルミナ、アルミニウム)、低炭素液体燃料、重要鉱物の精製・加工、バッテリーやソーラーパネルのサプライチェーンを含むクリーンエネルギーに必要な製造業〕を中心とした国内への民間投資の促進
新産業の自国生産を支援する「フューチャー・メード・イン・オーストラリア」:イノベーション・科学技術分野の基盤強化!イニシアチブへのパッケージ支援策(2024/2025年度から10年間で227億豪ドル)
メディケア(公的医療制度)と介護サービスの充実
責任ある経済財政運営の継続
の5つです!
インフレ継続による生活費高騰、移民急増による住宅供給不足など、国民が直面する課題に取り組みつつ、ビジネスに対しては特に脱炭素分野への支援を打ち出しました。