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井上尚弥選手と、カナヘビ&トカゲたちのコントラストに見る等身大の企画

いやあ、井上尚弥選手、強かったですねー!

井上選手が勝つとは信じていたものの、前日の軽量で2人の上半身を見たとき、相手のフルトンのほうが大きく感じて「体格差でフルトンが圧倒的に有利、だから勝つのはフルトン」という米国識者の予想が頭をよぎりました。また、めずらしく井上選手が感情的になってメンチを切っていたので、なんとなく「いつもと違う展開になるかも……」などと思ったものです。

しかし、1Rを見てそんな不安は完全に払拭されました。「これはもう、井上選手の圧勝だろう」と確信、そして期待通り8Rでメガトンパンチと猛ラッシュが炸裂、見事KO勝利。うひょー、スゴい!

その後、井上選手関連の速報記事を読んだり、戦評動画を一通り見たあと、いい気分のまま眠りについたのでした。

しかし、翌朝にはそんな興奮もあっという間に吹き飛ばされます。
地味な日常、圧倒的な現実が襲ってくるからです。
出社前に、近所にワラジムシとミミズをとりに行きました。飼っているニホンカナヘビ3匹とヒガシニホントカゲ2匹のエサのためです。

水分補給をするカナヘビの幼体で色白のカナ太郎。シュッとして美人です。
トカゲのトカ坊(右)とあくびをしているトカ次郎(左)。ずんぐりむっくりした体型はかわいいのですが、テカテカした質感と柄が、まだどうしても抵抗があります。
一緒のゲージでも喧嘩せずに仲良しのトカゲのトカ次郎(左)とカナヘビの成体で色黒のアイス(右)

人目を憚りながら、コンクリートブロックや大きめの石をひっぺ返したり、地面に積もった枯れ葉を手で払いのけながら、手(手袋を装着)でワラジムシ30匹、ミミズ3匹ほどを捕まえます(気持ち悪くて背中あたりがザワザワします)。
1週間に2,3回ほど取りに行くので、最近はワラジムシがだんだん減ってきて、集めるのに一苦労。そろそろ、新しい巣を開拓しなければならなさそうです。
一通り集め終わったら、家に戻ってカナヘビたちのゲージの掃除をしながら、捕まえてきたエサを与える時間です。

カナヘビ3匹(カナ坊、カナ太郎、アイス)、トカゲ2匹(トカ坊、トカ次郎)が同居するゲージ。霧吹きをしたあとなので水滴がついています。

そのときに私なりのこだわりがあります。爬虫類はカルシウムを接種しないと病気になってしまいます。ワラジムシは「歩くカルシウム」と言われるくらい優秀なエサなのですが、ミミズにはカルシウムがあまりありません。そこでミミズにカルシウムパウダーをまぶします(とはいえ、這いずり回ったり、トカゲに噛まれてぶん回されている間にミミズのカルシウムパウダーはほぼほぼ飛び散ってしまうのですが……)。

ゲージにワラジムシをぶちまけたあと、いよいよミミズを入れます。うちのカナヘビたちはミミズをあまり食べないので、2匹のトカゲ(トカ坊とトカ次郎)のエサになります。

スゴい勢いでミミズを貪るトカ坊(動画のスクショ)

2匹とも、ニョロニョロしているミミズを見つけて一目散に噛みつきます。一方、ミミズも逃れようと必死に暴れます。そんなゲージの中で行われている小さな食物連鎖を、人間社会の営みに重ね合わせて眺めているときでした。トカゲがミミズを力強くブン回しすぎたことでミミズがちぎれ、ミミズの中身が私の顔にビチャッと飛び散ったのです。

井上尚弥選手の活躍と、私の日常――。目眩がするほどのコントラストです。
ふと、こんな考えが頭をもたげてきました。
「もう、オレの人生には今後、うれしい系のサプライズは起きないだろう。オレの、オレによる、オレのための人生は終わった」
そういえば以前、妻と娘、妻の両親とおばあちゃんの6人で回転寿司屋(魚べい)に行って「このポテトフライ、おいしいね」「そうっすね……」なんて会話したときにも、同じことを思ったものです。

ヤバイヤバイヤバイ……。

世の孤独なオジサン、というか、自分の未来がわかってしまったオジサンたちは、どのように自分の「終わった人生」と折り合いをつけて生きているのでしょう?

そういう意味で、こちらの連載は非常に参考になります。

今後、そんなテーマの自己啓発書の企画を追求していきたいと思います。
がんばれ! ニッポンのこどおじ(孤独なオジサン)!

(編集部 い し ぐろ)

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