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元・電通の営業マンが巨大広告代理店の内幕を暴露!

フォレスト出版編集部の寺崎です。

三五館シンシャという出版社さんをご存じでしょうか。
惜しまれつつ事業を閉じた三五館という出版社に勤めていたエース編集者が1人で立ち上げた出版社です。弊社はこの三五館シンシャさんの書籍の発行・発売を請け負っています。

上記リンクのホームページからも伺えるように、とてもユーモラスな代表の方が切り盛りしている出版社ですが、三五館シンシャさんには「日記」シリーズという人気シリーズがあります。

『交通誘導員ヨレヨレ日記』
『派遣添乗員ベトベト日記』
『メーター検針員テゲテゲ日記』
『マンション管理員オロオロ日記』
『非正規介護職員ヨボヨボ日記』
『ケアマネジャーはらはら日記』
『タクシードライバーぐるぐる日記』
『ディズニーキャストざわざわ日記』
『コールセンターもしもし日記』
『住宅営業マンぺこぺこ日記』
『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』
『障害支援員もやもや日記』
『保育士よちよち日記』
『バスドライバーのろのろ日記』
『コンビニオーナーぎりぎり日記』
『大学教授こそこそ日記』
『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』
『電通マンぼろぼろ日記』

いやー、こうして書き出してみると実に圧巻ですね。どれもその職業の内実を赤裸々に暴露した内容なのですが、今日はそんな日記シリーズの最新刊である『電通マンぼろぼろ日記』をご紹介します。

結論から言うと・・・・めちゃくちゃ面白いです!

電通の「営業マン」が書いた日本初の本?

電通の現役社員、もしくは電通をすでに退職して広告業界などで活躍されている方が著者となった書籍は世にたくさんあります。

ただし、それらはすべて「電通のクリエイティブ畑出身」あるいは「電通
マーケティング畑」であることがほとんどではないでしょうか。あったとしても元営業マンが語る「電通式仕事術」とか「気くばりの本」といった感じかと思います。

一方で巨大広告代理店である電通たるもの、キラキラしたクリエイティブだけではなく、メディアとクライアントをつなげる「泥臭い営業マン」の存在が電通を電通たらしめている。

本書『電通マンぼろぼろ日記』はそんな「電通の営業マン」の赤裸々な日常がたっぷりと描かれています。おそらく、かつて電通が強大な権力を有していたころは、このような本が世に出ることはなかったことでしょう。

カバー袖には次のような文言が印刷されています。

長く電通に勤務してきた身として、
あまり知られることのないその内幕を
読者のみなさんにお伝えしたいと思う。
広告業界に関心がある学生にも、
就職サイトには絶対に載ることのない、
巨大広告代理店の真の姿を知っていただけるはずだ。
——本書の内容はすべて、私が地べたを這いつくばって得た実体験である。

福永耕太郎『電通マンぼろぼろ日記』カバー袖より

もうこの時点で気になりませんか。

私の親族にも電通の営業局に努める人間がいるのですが、内実はさっぱりわかりません。これまで本人から仕事の詳細を教えてもらったこともありません。ただ、どうやら普通の会社とはまったく違う異世界であることはなんとなく伝わっていました。

そんな個人的事情もあり、一気に読み終えた本書『電通マンぼろぼろ日記』。ドロドロとした内幕に手に汗を握りながら、最後は不思議と爽やかな読後感が得らえる内容でした。

詳しくは中身をお読みいただきたいのですが、「まえがき」の書き出し部分を紹介します。これまた、直ぐに惹き込まれる魅力に満ちている一文なんです。では、どうぞ。

まえがき——「クリエイティブ」はエラいのか?

 クリエーティブ局の局長が、社内の大きな会議で言い放った。
「クリエイティブ*こそ広告そのものなんだ。だから、クリエイティブは偉いんだ。私服で会社に来てもいいし、遅刻したって全然構わない」
 会議に出席していた私は耳を疑った。会議には、われわれ営業局の人間のほかにも、総務や経理の人たちも参加していた。あえてこの場で、そんなことをエラソーに言うのはどういう了見なのだろうか。私は反発心と鼻白んだ思いを抱えながら、その発言を聞いていた。

*クリエイティブ
英語の「creative」は「創造力のある・独創的な」といった意味だが、 広告業界では広告の制作物や素材、またその制作部門やそこに所属する人を指す。デザインや制作を行うクリエーターや、管理を担うクリエイティブディレクター、プロデューサーなどの仕事が含まれる。ちなみに電通の部署名は「クリエイティブ局」ではなく「クリエーティブ局」である。

 電通の事業領域は、大雑把に「マーケティング」「デジタルマーケティング」「クリエイティブ」「プロモーション」「メディア」「コンテンツ」「PR」「グローバルビジネス」の8つに分類される。とりわけテレビなどマスコミで脚光を浴びるのは、おもにコピーライターやCMプランナーといった「クリエイティブ」の人びとで、彼らは広告代理店の花形*である。

*広告代理店の花形
クリエイティブの社員はみな私服で、夏はポロシャツに短パンでもOK。暑苦しいからクライアント(広告主)の前でもネクタイなどしない。「アイデアは夜に出る」などと言って昼前に出社してくる。合コンで一番モテるのも彼らである。

 書店に行っても、電通マンが書いた本はたくさんある。どれもクリエイティブの人間たちが、コピーライティングテクニックだったり、マーケティング術だったりを語るのがほとんどである。
 本書はそうした本とは一線を画す。書名でもおわかりになるとおり、本書には仕事術や発想のテクニックなどはいっさい書かれていない。本書に描かれるのは、私が地べたを這いつくばって得た経験だけである。

福永耕太郎『電通マンぼろぼろ日記』「まえがき」より

一読してお分かりの通り、本文中には「*」がところどころ入っていて、用語の脚注が施されているのですが、これがまた面白い!

いま、ベストセラー街道まっしぐらの『電通マンぼろぼろ日記』。

気になった方はお手に取ってみてみてください。


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