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スーパー猫の日に、ネコが鳴く。ネコに泣く。泣ける“ネコ本”を紹介

こんにちは
編集部の稲川です。

昨日はネコ科寅年、2022年2月22日ということで、「スーパー猫の日」でした。
もう愛猫家にとっては、お祭りのごとくSNSには“我が家のネコ”の写真がたくさん挙がっていました。

これはあくまで持論ですが、ネコ好きの人はどんな猫を見てもかわいいと感じます。
通りすがり野良ネコを見かけるだけでも、なぜかうれしい気分になります。
不細工なネコでもかわいいですし、やせネコもデブネコも分けへだてなく接してしまいます。
私は猫愛あふれる人たちは、平和な愛情あふれた人だと勝手に解釈しています。

そんなネコバカな私ですが、うちにも6歳になるオスネコ2匹がいます。
鯖ネコ(カイ)とキジトラ(クウ)の兄弟ですが、体型も正確もまったく違います。

カイはやせていて、すばしっこく、遊ぶのが大好きな“かまって”ネコです。
クウは太っていて、おっとり、食べてばかりの“わが道を行く”ネコです。
そんなネコたちに、私もいつも癒やされております(写真をアップしたところですが、ここはグッと我慢)。

子どもの頃は『名犬ラッシー』を観て涙し、「イヌが飼いたい」というイヌ派だったのですが、飼っていたイヌが死んでしまい、それから動物はずっと飼っていませんでした。ところが、子どもが勝手にネコを2匹もらってきてしまったために、6年前からネコを飼い始めたというわけです。

近年、イヌを飼う人とネコを飼う人が逆転しましたが、ネコはしつけもなく飼いやすく、基本的にはおとなしいので、家族の一員として招きやすいということもあるのではないでしょうか。
また、飼っている人間も飼われているネコも、一定の生活の距離が保たれるという、いわばネコの孤高さも魅力なのかもしれません。

さて、本の世界では何といってもネコ好きの作家が多い、というのも特徴です。
これは日本に限らず、世界の作家を見てもその傾向が高く、ここで名前を挙げなくても幾人かは思い起こすことができるのではないでしょうか。

もちろん、ネコについて書かれた本、ネコを主人公として描かれた本、ネコが重要な役割として登場する本など、ネコに関する本もたくさんあります。
ここに挙げた“ネコ本”は私の蔵書の一部ですが、ネコ(猫)がタイトルにある本を見るととりあえず買ってしまうネコ好きの私であります。

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※写真の中で、直接ネコに関係のない本が1冊まざっています。さて、どれでしょう?(答えは最後に)。

そんな“ネコ本”から、今回は思わず涙する2冊を紹介します。

『旅猫リポート』(有川浩著、講談社)

猫旅

有川浩(ひろ)さん(女性です)は、『図書館戦争』シリーズの作家さんとして有名ですが、エンタメもの、恋愛もの、感涙ものと映画化や漫画化になるなど、メディア化されるくらい面白い作品を書かれています。
この『旅猫リポート』も映画化にもなっていますね。福士蒼汰さんが主演の映画ですが、キャストには亡くなられた竹内結子さんも出演しています。

ちょっと生意気な野良ネコのナナ(名前はまだない)。ある夜、車に撥ねられ瀕死の状態のなか助けを求め鳴き続けるものの、マンションに停まる銀色のワゴン車の前で力尽きる。その声を聞きつけマンションから飛び出してきたのが、このワゴン車の持ち主サトルだった。
そのままワゴン車に乗せ動物病院へ運ぶサトル。そして、「うちのネコにならないか?」とネコに話を持ちかける。
サトルは子どもの頃、額に八の字の模様をしたハチというネコを飼っていた。そこで、7の数字のようなカギしっぽを持つこのネコにナナと名づけ、女の子のような名前をつけられた雄ネコとサトルの生活が始まる。
しかし、彼らの仲の良い生活は5年後にお別れの時を迎えることになる。サトルは手放さなくてはならなくなったナナを飼ってくれる知り合いを1人1人訪ねていく。
1人と1匹。銀色のワゴン車に乗りながら、彼らは美しい風景に触れ、別れとなる最後の旅に出る・・・。

なぜサトルはナナを手放すことになったのか。
この旅は、どんな最後を迎えるのか。
この本、完全にナナに感情移入してしまいます。そして、ラストには涙があふれていること間違いありません(ネコ好きなら完全に)。
映画化にもなりましたし、有名な作品なので、読んだ方は「そうだ、そうだ」と同感されるのではないでしょうか。

2冊目は絵本からの紹介です。
『わたしのげぼく』(上野そら作、くまくら珠美絵、アルファポリス)

わたしのげぼく

タイトルの“げぼく”には、ネコを飼っている人なら、みな一様にうなずくはずです。
ネコは孤高な生き物。おなかが空いたらごはんを催促するし、遊びたいときだけ要求するし、あとは寝ているだけ。トイレもいつも清潔にしないとダメだし、朝は必ず起こしてくる。
飼い主は、たしかに下僕です。

この本は、4歳の子どもに子ネコのときに飼われ、18年間生きて空に旅立ったネコの思いをつづった絵本です。かっこよくて、かしこくて、すばやいのが自慢な“わたし”の視点から、どんくさい飼い主(と思っている)との生活が語られます。
このネコが、天国から飼い主にプレゼントをあげようとする姿に、涙があふれます。

そして同時に、「ネコのほうが先にしんでしまうんだ」ということを、嫌がうえにも思い起こさせてくれます(ネコを亡くした方は、何度読んでも涙をこぼしてしまうのではないでしょうか)。

うちのネコも6歳。もう壮年期に入ります。
私も下僕として、ネコに使われています。これからも彼らの使用人としてどれくらい一緒にいられるのだろうか。

そんな思いを抱きながらの昨日の「スーパー猫の日」は、特別にチュールを2本ずつあげました。
まあ、ネコの日なんて、あいつらには関係ない日常なんですけど。

おっと、表紙の写真の答えを忘れていました。
答えは『猫だって夢を見る』(丸谷才一著)です(これは猫とは関係ないエッセイでした)。


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