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世代を超えて愛される「グミ」のヒットの法則

フォレスト出版編集部の寺崎です。

グミが好きです。

みなさんはグミ、好きですか。
レッツ・グミグミしてますか。

グミって、不思議な食べ物ですよね。そもそもなんで「グミ」って呼ぶのか、語源を調べてみたらドイツ語のゴムを意味するGummiに由来しているそうです。

ところで、世の「グミ好き」の方々におすすめの本があります。それは・・・グミがわかればヒットの法則がわかる(プレジデント社)という本です。

著者は日本経済新聞で記者として活躍され、現在は流通ジャーナリストの白鳥和生さん。一言でいうと、要は「グミの業界研究本」なのですが、これがなかなか面白い。

まず「そうなんだ!」と驚いたのが、チューインガムよりもグミのほうが市場規模が大きいということ。

 飲食料品の世界で四半世紀ぶりの”大逆転劇”が起きた。コロナ禍のさなかの2021年、グミがチューインガムの市場規模を上回ったのだ。これは1998年に、ビール業界で「アサヒスーパードライ」を擁するアサヒビールが「キリンラガー」のキリンビールの牙城を切り崩して首位に立ったのに匹敵する出来事だ。もちろんグミとガムは、ビールとはカテゴリーも対決の構図も違うし、置かれた時代背景や環境も異なる。だが、口に入れてかむという同じ行為で、”お口の恋人”として気分転換する機能を持つガムとグミが、明暗を分けた。これは流通ジャーナリストとしての筆者だけではなく、多くの人ビチの関心を持つところだろう。

白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』「はじめに」より

たしかに言われてみれば、コンビニではガム売り場よりグミ売り場のほうが大きいですね。かつてはガムがダーっと大量に並んでいたのに、いまでは狭い面積しか占めていません。

 最近はコンビニの棚でガムが脇(下段)に追いやられ、「ゴールデンゾーン」と呼ばれる目線の位置に様々なグミが並ぶ。これまではボトル入りのガムを買っていたのが、男性も手に取りやすいパッケージが目立つから、自然と手が伸びるわけだ。

白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』「はじめに」より

「男性も手に取りやすい」という意味では、個人的にはこの「タフグミ」の存在が大きい気がします。この商品が登場したときに「グミは男性も口にするもの」という市民権を得たのではなかろうか。

カバヤ食品株式会社の商品紹介ページより

「果汁グミ」とかも好きですが、なんとなく中年男性が食べていると軟弱に思われるイメージがあります。私の勝手なイメージです。明治さん、ごめんなさい。

・・・話を戻すと、本書『グミがわかればヒットの法則がわかる』では、いまや国民食であるグミについて「グミの歴史と人気」「消費者分析」「メーカー各社の戦略」などから、最終的にはグミから通して学ぶ「ヒットの法則」が導かれています。

ちなみに「グミって、どの層にウケているの?」という疑問をお持ちの方もおられると思いますが、グミを受容する年代は子どもからお年寄りまで、かなり幅広いそうです。

グミは誰が食べているのかーー。消費者調査を紐解くと、グミは決して子どもだけのお菓子ではない。幅広い層がグミを食べている。それもZ世代が発信源となり、その上の世代へ波及したり、親から子どもへと食べつながれたりしている。

白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』第2章より

ここで「Z世代」というワードが出てきましたが、本書によれば、彼らはキーパーソンであり、グミのマーケティングにおいては「タイパ(=タイム・パフォーマンス)」「SNS」「ファンマーケティング」といった要素が浮き彫りになるようです。

 グミという食べ物は、考えれば考えるほど、その摩訶不思議さ、秘めたる”謎”に迫りたくなる。本書は様々な調査データを読み解き、メーカーや卸、小売り、マーケティングリサーチ企業などの関係者への取材から、グミがなぜ、我々の日常生活に定着していったかを明らかにすることを試みた。また、「驚き・感動」「納得感」「伝えたくなる」ーーという筆者なりの「ヒットの法則」に照らし合わせて、グミとは何者かを探った。そして、グミをケースに、消費者に愛されるブランドになるために企業はどうすればいいのかを考えた。

白鳥和生『グミがわかればヒットの法則がわかる』「はじめに」より

人口がどんどん減少している日本で、なぜか成長を続ける「グミ」。そんなグミについて取材を通して肉薄している『グミがわかればヒットの法則がわかる』。おすすめです。

【追伸】
もし、カバヤ食品の企画開発の方がこの記事を読んでいらっしゃったら、ひとつお願いがあります。「タフグミ」のサワーパウダー甘さ控えめバージョン「おとなのタフグミ」を発売していただけませんでしょうか。サワーパウダーがちょっと甘すぎて、血糖値が気になる中年オヤジには背徳感がありすぎるんです。よろしくお願いします。

Voicyでも紹介してみました。


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