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#6 ターゲットの絞り方は〇〇に学べ!

こんにちは、佐藤昌弘です。

前回は、ターゲティングについてお話ししました。
ここまでの話で、ターゲティングの重要性や具体的な方法についてわかってもらえたと思います。

◆ターゲティングの重要性はわかった!でもターゲットを絞るのが怖い・・・という人へ

最初は「ターゲティングはやっていますよ」と言っていた人も、「そこまではできていませ
んでした」と言って考え直してくれるのですが、次に出てくるのが「そうは言っても、絞りすぎのような気がする」という反応です。

できるだけターゲットは広くとっておきたい、という気持ちがムクムク湧いてきてしまうんですね。

でも、たとえばこんな例を考えてみてください。
駆け出しの「経営コンサルタント」が、日経新聞に販促コラムを連載したいと思ったって、まず無理です。有名コンサルタントがズラっと順番待ちしているような状態ですから、そんなところに入っていけるはずがありません。
それよりも、

・製造業専門のネーミングコンサルタントが、『日刊工業新聞』に単発記事
・外食産業専門コンサルタントが、売れるメニュー写真の撮り方を『日経        レストラン』に連載
・建築業専門コンサルタントが、クロージングのトークノウハウをLIXILの       社内報に連載

のほうがハードルが低いことはわかりますよね。

1新聞写真

そのうえ、ターゲットが一生懸命読んでくれます。
一般的な販促コラムはスルーしても、「これはまさに自分が知りたいことだ」と思えば読むでしょう。
お客さんを広く取りたい気持ちはわかりますが、まずは絞る!
できるだけ絞り込んだほうが絶対うまくいきます。

ターゲットを絞り込んでうまくいっている、お手本のような商品を紹介しましょう。
知る人ぞ知るという、こんな商品。

I-O DATA キャプチャーボード ゲームキャプチャー
https://www.amazon.co.jp/dp/B01NBKP6GC

ゲームキャプチャー (3)

自分がプレイしているゲーム動画を、高画質で簡単に録画できるというものです。
ゲーム機とテレビの間にこの機器をつなぎ、録画ボタンを押すだけ。再生すれば、プレイ動画をテレビで見ることもできます。パソコン上でやろうとするとすごい負荷がかかるけれど、これがあればパソコン不要。手軽です。

実はこれが大ヒットで、すぐに在庫切れになってしまうんです。
入荷するとまたすぐ売れる。
一般にはあまり知られていませんが、ゲーム実況ユーチューバーにとっては「神器」なんです。いまどき、こういった小型のパソコン関連機器で単価1万円を超えても売れるものってなかなかありません。ターゲットを絞り込んだニッチ商品だからこそ、大成功しているのです。

ゲームを録画したい人って、そんなにいるかなぁ・・・
ターゲットを絞り込みすぎなのでは・・・
と思いますか?

いいえ、絞ったからうまくいったのです。Amazonでのレビューも1000件以上ついていますよ。売れている証拠です。
素晴らしいですね。

このようにターゲットを絞り込んだ商品は、ストライクゾーンの人以外は知らないので、このnoteを読んでくれている人も「へぇー、そんなのあるんだ」と思ったのではないでしょうか? しっかりターゲティングできているものはテレビCM向けじゃありませんからね。

実は私も、この機器を持っています。ゲームのキャプチャ以外にも使えるのです。
パソコンにつないで、パソコン上の操作を録画したり再生したりするのに便利なんですね。
クライアントさんにパソコン画面を見せながら、「ここの検索窓に××とキーワードを入れて、出てきたこれをクリックして、次にここに××と入力してくださいね」などと伝えたあと、いまの操作の動画を送ってあげる。すると、「聞いたときはわかったと思ったんですけど、どこをクリックするんでしたっけ?」ということが防げます。

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便利でしょ。

「へぇー、全然知らなかったけど、それいいなあ」
そう思った人もいるのでは?
「知る人ぞ知る商品」というところがまた、購買意欲をそそりますね。こうしてまた人気が広がっていくわけです。


◆どんな業界にもいる。ターゲティングが上手な企業

休刊・廃刊に、もはや歯止めがかからない状態の雑誌業界において、そこそこ成功しているんだろうなと感じる雑誌社さんがあります。
その雑誌社は、「顧客を絞り込む」を上手にやっているのが参考になります。

・『主婦の友』(月刊)は休刊。
・『プレイボーイ』(月刊)は廃刊。
・『ダカーポ』(隔週)も休刊。
・『週刊アスキー』や『R25』はWEB版へ統合されました。
・『週刊プレイボーイ』は、約17万部。
・『SPA! 』が10万部。

こんな時代なのです。
ところが、「株式会社えい出版社」は好調だといいます。
『湘南スタイルmagazine』は、12万部です。

湘南スタイル

その他にも、
『Lightning』
『2nd』
『CLUB HARLEY』
『PEAKS』
『ランドネ』
『世田谷ライフ』
『RETRIEVER』

などなど、本当に絶妙な絞り込み具合を見せてくれます。

私が考えるに、えい出版社さんの絞り込み基準として、市場規模については、おそらく30万人マーケットでは少なすぎだけれども、100万人マーケットでは多すぎる、そんなサジ加減をしているのかもしれません。

たとえば、『RETRIEVER』は読者市場があるけど、「月刊シベリアンハスキー」では市場規模が小さすぎて雑誌を維持することができないというサジ加減です。

しかし、そこまで絞り込んでいるからこそ、興味や共感を抱くし、「愛読」されるのだと思うのです。

愛読写真

それに加え、雑誌や広告だけの売上に頼らず、バックエンド企画もしているところも感心します。
本当に賢い会社だなと思わせるところが多いのです。こういったものも、これまでお話ししたターゲティングのプロセスを参考にしてほしいのです。

次回は、マーケティングのプロセス設計についてお話しします。
お楽しみに。


編集部より こちらの連載は毎週水曜日に配信いたします。次回は2月24日です。よろしくお願いいたします。

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