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【おすすめ小説紹介】働いていても本は読めます
こんにちは、フォレスト出版編集部の小原です。
フォレスト出版はビジネス書・自己啓発書がメインの出版社ですが、そこで編集者として働く私は、小説・エッセイ・詩歌などの文芸作品も大好きです。
最近流行りの本に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆、集英社新書)というのがありますよね。
私も忙しくなるとプライベートで活字に触れたくない時期がやってきたりますが、読む気が起きなくても文庫本などは持っておくようにしています。
上記の本が売れているということは、できることなら本を読みたい、物語に浸りたい、そう思っている人はたくさんいるのでしょう。
そこで今回は、忙しい方でもサクッと読める小説作品を2つ紹介します。
1.本嫌いが克服できた短編小説
まずはじめに紹介したいのが、
村上春樹さんの「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」です。
村上春樹さんってけっこう好き嫌いが分かれるイメージですが、短編小説はとっつきやすいと思います。
こんな偉そうなことを言っている私ですが、実はこれが人生で初めて自分で買った小説でした。
大学時代、本好きな友人と代官山の蔦屋書店に行ったときのこと。
もともとは『カンガルー日和』という短編集に収録されている作品ですが、その書店に当時、「文鳥文庫」という1作最大16ページのお手軽文庫があったんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1721698859148-X868Ztnafe.png?width=1200)
友人が勧める作品だし、安いし、見た目もかわいい!
これならさすがに読み切れるだろうと思い、購入しました。
読んだ瞬間、なんて綺麗な文章を書く人なんだろうと思いました。
わかりやすいオチがあるわけではなくちょっとモヤっとしたけど、あ、これが小説で得られる感覚なのね……と。
恋の話なんてリアルでは恥ずかしいけど、小説の中では恋についても自由に表現できて、読む側はひっそりと共感したり異を唱えたりできる。
小説ってすごい文化だ!と感銘を受けたのを、今でもはっきりと覚えています。
本なんて教科書と参考書しか持っていなかった私ですが、このボリュームなので難なく読めました。
「ちゃんと読み切れた!」という小さな達成感を得られ嬉しかったのを覚えています。
残念なことに文鳥文庫はもう増刷していないようで、同じものはなかなか手に入らないかもしれません……。
でも、ぜひこのかたちで本作を読んでみていただきたいです。
「文鳥文庫」ではありませんが、このような形の文庫は今でも書店でよく見かけます。
長編が苦手な方や、時間がないという方は、まずはこのようなお手軽な作品から始めてみてはいかがでしょうか。
※本作が収録されている文庫本はこちらです。
2.けっきょく一番読みやすい「短編ミステリー」
自論ですが、この世で最も読みやすいのは短編ミステリーです。
短編集のなかでも、ゆるやかな展開の作品だと、どうしても飽きのフェーズが来てしまいます。
でも、ミステリーは結末ありきなので、多少疲れていてもオチまで読みたくなる。
というわけで、短い時間でハラハラ・ドキドキしたい方におすすめなのが短編ミステリーです。
短編ミステリーはこの世にたくさんありますが、私が最近読んだこちらを紹介します。
結城真一郎さんの「#真相をお話しします」。
以前から気になっていましたが、最近ついに文庫化され、50万部を突破したとのことで、私もようやく買いました。
計5作品が収録されています。
途中までは想像がついても、完璧にオチを予測することは誰もできないんじゃないかと思うような、クオリティの高さでした。
「どんでん返しのどんでん返し」ともいわれており、これでオチがついたな~と思ったところで、もういっちょ驚きの展開が待っています。
(居酒屋でたらふく食べたあとに、帰りがけに出口でお菓子とか入浴剤とかを渡してもらえたときのような嬉しい気分になれます。)
リモート飲み会、マッチングアプリ、YouTuberなど、イマドキなテーマばかりなので、どの事件も現実に起こり得そうだな……というリアルさにも、ゾクゾクしました。
面白すぎて買ったその日に全部読んでしまい、ちょっともったいない気分になりました。
……以上です。
ゆる~く、2作品紹介させていただきました。
いかがでしたでしょうか。
ほかにもおすすめしたい本はたーーくさんあるので、今後も定期的に紹介させてください。
小原