本当にレイキ系の手かざし、手当てで癒しを得られるのか? いや、得られる!
ここ1カ月で、私はすっかり「統一教会」「安倍」「自民党」関連のニュースウォッチャーになってしまいました。
有田芳生さん、紀藤弁護士、山口弁護士、鈴木エイトさん、前川喜平さんのいずれかがテレビに出ていると、つい見続けてしまいます。江川紹子さんももっと出てほしいですね。
さて、そんな私の目に昨日飛び込んできたのが、コチラのニュース。
このニュースで触れられている「手かざし宗教」は私の家の近所にも教団施設があります。
それにしても気になるのが「手かざし」。記事によると……
とのこと。
これがホントならスゴいことですが……実際はどうなのでしょうか?
昨年刊行されて話題になった雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』では、民間療法に関連して、この「手かざし」の歴史について触れている箇所があります。
本記事用に一部抜粋・改編したうえで転載させていただきます。
レイキは日本で生まれた
レイキとは施術者が患者の身体に手を当てて「霊気」というエネルギーを送る、手当て療法やエネルギー療法と呼ばれる民間療法の一種です。
レイキは臼井甕男(うすいみかお)という人物が1922年に鞍馬山で断食修行をしていたときに感得した治療法で、臼井は東京で「臼井霊気療法学会」という組織をつくりレイキを普及させていきました。
レイキは戦後GHQに禁止されたことから一気に衰退しますが、臼井霊気療法学会は、入会は紹介者のみ、治療を受けられるのも会員とその家族のみというクローズドな状態で現在も存続しています。
また、臼井の直弟子である林忠次郎からレイキを学んだ山口千代子がその技法を復活させた「直傳靈氣(じきでんれいき)」もあり、このように日本国内で受け継がれてきたレイキの流派を伝統霊気と呼びます。
伝統霊気が国内で細々とその技法を受け継いできた一方で、レイキは海外にも普及しており、これが現在主流になっている西洋レイキと呼ばれる流派です。
林忠次郎が治療した人物の中に、高田ハワヨという人物がいました。彼女はハワイ出身の日系人で、林の治療を受けたのをきっかけにレイキを学び、1935年に師範の資格を授与されます。高田は長く施術を主として活動していましたが、70年代から後継者の育成を開始し、22人の直弟子が生まれます。
ここからニューエイジの勢いに乗ってレイキが普及していきました。ニューエイジらしく、西洋レイキには伝統霊気にはないオーラやチャクラが導入されています。
その後、80年代にジャーナリストの三井三重子という人物によって西洋レイキが日本に持ち込まれ、90年代には北海道で活動していたドイツ人のフランク・ペッターが指導者講習を開始したことから各地にスクールが設立されていきました。
9歳少女の科学研究でウソがバレたヒーラー
また、手当てではなく「手かざし」を行う療法としてセラピューティック・タッチというものがあります。
これはアメリカ神智学協会会長も務めた神智学者のドラ・クンツ(スピリチュアルな背景があることがわかります)とニューヨーク大学看護学部教授だったドロレス・クリーガーによってつくられたもので、手かざしによって身体のエネルギーバランスの乱れを感知し、整えるというものです。
セラピューティック・タッチについては興味深い実験があります。
1998年に『米国医師会雑誌(JAMA)』に掲載された「A close look at therapeutic touch」という論文に、セラピューティック・タッチの効果を検証するシンプルかつ効果的な実験の結果が記載されました。
この実験を行ったのはエミリー・ローザという女性で、実験当時は9歳の小学生でした(検証を行ったのは小学校の理科研究発表会で発表するためでした)。彼女は2つの穴が空いた衝立を制作し、その穴からヒーラーの両手を出させました。そして、ヒーラーから手元が見えない状態で左右のどちらかの手の上に自分の手をかざし、どちらを選んだかを答えてもらいました。
もしもヒーラーが「身体のエネルギー」を感知できるなら高い確率で当てられるはずです。ところが正答率は44%で、ランダムに選んだ場合よりも低い確率が出てしまいました。
こうしてセラピューティック・タッチの理論は否定されてしまいましたが、会話や手かざしによって「癒し」が得られること自体は否定できません(これはもちろんエネルギーが働いているわけではなく、リラックス効果やプラシーボの一種です)。
しかし、日本においては「神世界事件」も起きているため、怪しい業者でないか気をつけたほうがいいでしょう。
著者も記しているとおり、手かざしによって「癒し」は得られると私も思います。
ダライ・ラマとか、俳優ののんさんなんかに手かざししてもらったら、一時でも現世の苦しみを忘れ、幸福感に満たされるのは間違いないでしょう。触れられれでもすれば、トランス状態に入って宇宙と繋がれるかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(編集部 いしぐろ)