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読めばわかる!『あなたを陰謀論者にする言葉』の面白さ、新書としてのクオリティの高さが……!

書店に行ってふと雑誌「中央公論」をめくってみると、「新書大賞-2022-」という特集が目に入りました。

「目利き49人が選ぶ2021年私のオススメ新書」とのことで、ドキドキしながらめくったのですが……、どこにもありません! 私が編集した、大槻ケンヂさんや江川紹子さん、上念司さんに取り上げていただいた、あのメチャクチャ面白い新書が……!
(見逃しましたが、読書猿さんも選者の一人だったぽいので、献本しときゃよかったな……)

ということで、フォレスト2545新書の雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』は、この「新書大賞-2022-」には箸にも棒にもかからない結果となり、失望を禁じえまえん。
そういえば、読書猿さんの『アイデア大全』『問題解決大全』ですら、そして昨年、全国の人文書コーナーのなかでもかなり売れた(丸善ジュンク堂書店様では年間1位)情報文化研究所『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』も、「じんぶん大賞」にノミネートすらされませんでした(『独学大全』は昨年ノミネートされて、3位という結果だったのに……!)。

やはり、ビジネス書とか自己啓発書の色がついた出版社の本や、弱小の新書レーベルは、こうした権威と歴史ある賞レースから無縁なんだな……、「目利き」と呼ばれる人にとっては眼中にないんだな……、とつくづく実感、落胆し、いじけると同時に、著者には申し訳ないという思いと、「いつか必ず……!」というメラメラとした感情が湧き上がってきました。

さて、話を戻しますと、クドくて恐縮ですが、雨宮純『あなたを陰謀論者にする言葉』はメチャクチャ面白い本なんですよ。


スピリチュアル、自己啓発、マルチ商法、アロマテラピー、民間療法、宗教、カルト、ヴィーガン、UMA、都市伝説、陰謀論……という、怪しいけど、いまいちその繋がりがピンこ来ないトピックを、初めて歴史を通して体系的にまとめた労作なんです。

「親しかった人が、コロナになってから言動が大きく変わってしまい、疎遠になってしまったけど、この本を読んでその理由が理解できた。それだけでも少し安心できた」という声などをいただいています。

本書の出版以来、こういう怪しいもの好き「界隈」では話題になっており、著者の雨宮さんはさまざまなイベントに登壇したり、インタビューを受けたりと活躍しています。
その中の一つが、先日配信された次のYouTubeです。

中沢健のUMA・オカルトチャンネル

UMA研究家で作家の中沢健(なかざわたけし)さんと、その異様な風体については、15年くらい前?にテレビに出演されていたのを見て知っていましたし、中野駅だったか荻窪駅で、いつもの格好で歩いているのを遠巻きで見た記憶があります。
この対談の感想については、日を改めて、ご紹介できればと考えています。

さて、中沢さんのことをちょっと調べてみて、おっと思ったのが、Wikipediaに記された次の一節です。

『初恋芸人』は出版後、直木賞受賞作家である朱川湊人やライトノベル作家の日日日、評論家の切通理作、歌人の枡野浩一などといった多くの著名人からその内容が絶賛された。

中沢さんの著作『初恋芸人』のもともとの出版元は風塵社さんで、今は小学館のガガガ文庫のKindleで読めます。

恐縮ながら風塵社さんは一般的にそれほど知名度がある版元ではありません。しかし、上記のように錚々たる人たちが作品を評価しているのを知って、「見ている人は、ちゃんと見ているんだな」と、勇気をもらった次第です。
早速、『初恋芸人』を購入しました。読むのが楽しみです……!

(編集部 いしぐろ)

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