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【台北ブックフェア2025】たった1年でここまで変わる?いま台湾で求められている書籍テーマ
今年も台北國際書展(台北国際ブックフェア)2025に参加してきました。
現地では国の垣根を越えて出版業界の情報交換をしたり、自社の作品の版権を海外の出版社さんに売り込んでいきます。
▼昨年、台北ブックフェア2024のレビューはこちらから
今年もブックフェアでの様子や見聞きした台湾の出版事情などをお伝えしていきます。
▼ちなみに今年の会場(出展ブース)はこんな感じ。
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【商談で注目された書籍TOP3】
1.『欲ばらない練習』石川勇一・著
2.『自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典』大芝義信・著
3.『人生に「意味」なんかいらない』池田清彦・著
ご覧のとおり、今年はマインドフルネス、心理系の書籍が台湾の出版社に求められていました。その理由をいくつか挙げてみます。
※実際に現地の方に聞いた話、私個人の考察も含まれています。
社会環境の変化によるストレス増加
台湾では近年、働き方の多様化やテクノロジーの進化により、仕事や人間関係におけるストレスが増えているとのこと。その結果、ストレス管理や感情コントロールのニーズが高まり、メンタルヘルスに関心を持つ人が増えているのでは?
実際、昨年同時期の商談では『女子ボスのトリセツ』は台湾人には合わない(お局的存在の人にもズバズバ言いたいことを言える国民性のため)と言われていたのですが、今年翻訳され現地の書店でしっかりハマってました。
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自己成長・内省ブームの拡大
台湾では近年、自己啓発や哲学的思考を深める本が人気を集めており、「どう生きるか?」という問いに向き合う動きが強まっています。『人生に「意味」なんかいらない』のような実存主義的なテーマが受け入れられるのも、その流れの一環かもしれません。
哲学的思考で言えば、こちらの一冊も台湾人にいま必要なよいコンセプト! ということで、注目されていました。
日本の心理・マインドフルネス系の本の信頼性
日本の心理学や精神的な学びに関する書籍は、台湾の読者にとって実用的で信頼できるものと認識されているようです。これまでにも禅やマインドフルネス関連の本が台湾市場でヒットしているため、継続的な関心があるのではと推測できます。
昨年と比較して、全体的に台湾の読者が「心の余裕」や「感情のコントロール」を求める時代に入っている、そんな印象を受けました。
さて、今年も5日間で新たな発見がてんこ盛りでした。それではまた来年も機会があれば。
最後までお読みいただきありがとうございました。
フォレスト出版・美馬