#2 ほとんどの会社は、ネットマーケティングをまともにやっていない
こんにちは、佐藤昌弘です。
あなたの会社は、ネットマーケティングをどのくらいやっていますか?
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと焦っているとしたら、いったん落ち着いてください。
ネットマーケティングは、やるべきことがわかれば、それほど難しいわけではありません。
初めて挑戦するときは、「何からやれば良い? 何と何をやれば良い? それってお金かからない?」と混乱してしまいます。
ここで、先日行った床屋さんの話をしましょう。
その床屋さんはホームページを持っていません。グーグルマップには一応載っているけれど、まったく管理していません。だから、なんと場所が間違っていて、移転前の住所がグーグルマップで表示されちゃっています。
FacebookもLINEも、普通にユーザーとして使っているだけで、ビジネスには使っていません。
もっと言えば、インスタグラムは、存在は知っているけど見たことない。YouTubeはたまに何かのきっかけでクリックして再生されるとビックリする、というレベル。
これはインターネット界隈の人から「情弱(情報弱者)」と言われてしまうやつです。
さすがにやばいでしょ、って?
いやいや、私は「このレベルがけっこう普通なのでは?」と思うのです。
グーグルマップにお店を表示させるには、「グーグルマイビジネス」から登録する必要があります。お店の外観写真、メニュー写真、内装写真を登録したりとか、住所や電話番号などの情報に変更があれば、「グーグルマイビジネス」にログインして修正をします。
こんなの知っている人からすれば簡単かもしれませんが、これを使いこなしている床屋が全国20万軒のうちいくつあるかと言ったら、4割? いや多めに見積もっても3割ぐらいではないでしょうか?
そう考えると、「情弱」と言われそうなその床屋は、弱者ではありません。7割が使いこなせていないのですから、むしろそれが普通です。メジャーです。
それで、その床屋が、ある1つの施策を知ったらどうなるか。
実は一気に強者になれたりするのです。
その施策とはこうです。
1.「グーグルマイビジネス」に店を登録する。「あなたはオーナーですか?」と聞かれたら「はい」と答えて、旗を自分の管理下に置く。
2.ツイッター、Facebookのファンページ、note、YouTubeのチャンネル、ホームページを開設する。投稿はゼロでかまわない。ホームページもトップページだけでいい。
3.いま開設したツイッター、Facebookのファンページ、note、YouTubeのチャンネル、ホームページそれぞれのプロフィール欄にグーグルマップ上の店のリンクを張る。
4.知人にグーグルマップのお店の「地図へのリンク」を知らせて、クリックしてもらう。
ツイッターのダイレクトメッセージ、Facebookのメッセージ、LINE、ショートメール、メール、それらを使ってお店の「地図へのリンク」を直接送信します。それをクリックして地図を画面に表示してもらう。
これだけです。
グーグルマップで、「地図へのリンク」を取得する方法は、以下のとおりです。
https://support.google.com/maps/answer/144361?co=GENIE.Platform%3DDesktop&hl=ja
(以下ほぼコピペ)
1.パソコンで Google マップを開く。
2.自分のお店をクリックする。
3.左上のメニュー アイコン(3本横線のやつ)をクリックする。
4.【地図を共有または埋め込む】を選択する。この選択肢が表示され れない場合、【この地図へのリンク】をクリックする。
5.(省略可)ウェブページの短いリンクを作成するには、【短縮 URL】 のにあるチェックボックスをオンにする。
6.リンクをコピーして、マップを共有する場所に貼り付ける。
これだけでも、グーグルマップの中で目立ち始めます。
というのも、床屋の場合「お気に入りの床屋はここです」なんてリンクを張って紹介するような人はめったにいません。被リンク数の多い床屋なんて、まずない。そのなかで、5つも被リンクのある床屋があれば、上位表示されやすくなるのです。
床屋さんは、だいたい4月にブランドスイッチが起こります。
転勤などで引っ越しがあり、4月に多くの人が、行きつけの床屋を新たに開拓するのです。
あなたはどうやって探すでしょうか?
パソコンやスマホで、インターネットの検索窓に「地域名 床屋」と入れて検索するのではないでしょうか。すると、Googleは検索結果の上部に、グーグルマップを表示させます。
地域名の部分は、通常できるだけ狭くして入力しますよね。
たとえば「名古屋市 床屋」なんて検索したら広すぎて、自分のいる場所から行きやすいところを探しにくい。だから「中村区則武 床屋」と入力します。もし、それで何も出てこなければ、存在していないのと同じなのです。実際には床屋は存在するのに、グーグルマップに登録されていないわけです。
もし表示されて、しっかり安心できそうな店内写真、スタッフの仕事をしている様子写真、メニューの写真などが掲載されていたら、そこに行きますよ。
これだけのことで、一気に強者になれてしまうのです。
マーケティングなんて言っても、本当に頭を絞って本格的なフルマーケティングをするようなビジネスは、実はそうそうありません。
世の中の会社の大半は、「まともにできていないことを、まともやる」だけでいいのです。
問題は、何から着手したら良いのか? 何がどうできていないのか? まともにやるとはどういうことか? がわかっていないことです。
◆ネットマーケティングは無限ではない
今のところ、基本的なネットマーケティングは、そんなに無限ではありません。
いまどんな手法、ツール、プラットフォームがあるのか、挙げて見ましょう。
・SEO(GoogleやYahooで検索された時に、上位に表示されるために工夫す ることを示します)
・グーグルマップ(地図上でなにかを探すためのサービスです)
・ポータルサイト(スーモ、カーセンサー、いいお墓.com など業種別に ある)
・ブログ(オリジナルドメインのブログ/アメブロなどブログサービス活用 用など)
・メルマガ(自社配信/まぐまぐなど配信スタンド利用など)
・ツイッター
・インスタグラム
・LINE
・note
・プレスリリース(PRタイムス、アットプレスなど)
・YouTube
まだまだ数多くありますが、ひとまず基本としてなら、メインはこれくらいしかありません。
ほかに音声のプラットフォームとして「ポッドキャスト」があります。一時期は一世を風靡しましたが、衰退し始めたかと思いきや、「Spotify」「Anchor」「stand.fm」「voicy」といった音声プラットフォームが出てきており、いまだ勢力図が定まっていないような状況なのでいったん置いておきます。
それ以外にも、数多くのマーケティングがあります。
キュレーションサイトとか、アフィリエイトサイト、各種の攻略法まとめサイトや、PPC広告、ディスプレイ広告、コンテンツサイト構築、リマーケティング広告などなど、これだけでとても終わりません。
しかし、基本的なことをやるのが先決です。
それに、かなり力量がないとつくれませんから、いまは「こういうのもあるんだ」というくらいでいいでしょう。
つまり、ネットマーケティングの基本を全部網羅しようとしたって、このくらいのものなのです。それに基本をやるだけでも、随分と結果をだすことはできます。だから、まずは「無限じゃないんだ」と思って安心してください。
いやいや、じゅうぶん多いんですけど!
こんなにたくさんできないよ!
という人も、安心してください。
全部やる必要はありません。
大事なのでもう1回言います。
全部やらなくても、まったくかまいません。
くれぐれも注意してください。全部やったら本業できなくなりますよね?
もちろん、どれか1つだけやればいいという甘い時代ではなくなっています(昔は、Facebookだけやればいい、インスタグラムだけやればいいというときもありました)が、全部やろうとして中途半端になり、忙しいだけで効果がないなんてことになったら本末転倒です。
これらのなかから自社に最適な組み合わせを見つけて、運用していくのが最もいい、ということになります。
では、何が最適なのか? というと、それを判断するためには「ターゲティング」「商材」「持ち味」などをはっきりさせる必要があります。
インスタグラムが最適のビジネスもありますし、ブログが最適というビジネスもあります。
ここは避けて通れません。
その結果、たとえばYouTubeをメインにすれば良さそうだということがわかったら、YouTubeの具体的なノウハウを学べばいいのです。
「みんなやっているからYouTube」ではないし、「YouTubeの時代だから、乗り遅れないためにYouTube」というわけではありません。
ちなみに、私の会社、マーケティングトルネードが力を入れたいと思っているのは次の5つくらいです。
・ツイッター
・YouTube
・SEOブログ
・メルマガ
・note
しかし、実際に着手することができているのは、SEOブログと、メルマガ、そしてこのnoteぐらいです。あらゆるプラットフォームについてのノウハウは、そこそこ知っていますが、だからと言って全部いっぺんにやるわけじゃないのです。
これがわかっていれば、ネットマーケティングはさほど難しいわけじゃないと思うでしょ。
経営者や上司は「Facebookは? LINEは? インスタは?」なんていろいろ言ってきますが、やってませんと言うのではなく、これは必要で、これは必要ないということが言えれば、彼らに振り回されず済みます。
ということで次回は、あなたの会社に必要なネットマーケティングって? ということを知る重要なことを解説していきます。
それではまた次回。
編集部より こちらの連載は毎週水曜日に配信いたします。次回は1月27日です。よろしくお願いいたします。
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