【簡単解説】J-クレジットの種類
皆さんこんにちは!
一般社団法人フォレストック協会事務局の川西です。
今回は、国が運営しているJ-クレジット制度で認証されるクレジットの種類について簡単に解説していこうと思います。
「J-クレジットの基本を知りたい」という方におすすめです!
J-クレジット制度とは
J-クレジット制度とは、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして発行しているのですが、削減・吸収の方法(方法論)によって分類されています。
クレジットの種類は、大きく分けて下記の3つです。
省エネクレジット
再エネクレジット
森林吸収クレジット
早速それぞれのクレジットについて見てみましょう!
その①【省エネクレジット】
省エネルギー活動によって、排出削減された量を認証したのが、
【省エネクレジット】です。
例えば、ボイラーを使用している工場で、年間1000トンのCO2を排出しているとします。
その工場に効率のよい新しいボイラーを導入(省エネルギー活動)したことで、化石燃料の使用量が減り、年間CO2排出量が600トンになった場合、
従来の排出量1000トン-新ボイラー導入後の排出量600トン=削減量400トンの【省エネクレジット】が創出されます。
省エネクレジットは、3種類のクレジットの中で一番安いです。
東証カーボンクレジット市場での省エネクレジット平均価格は、
1,665円/トンです。(参照:東証カーボンクレジット市場HP)
その②【再エネクレジット】
再生可能エネルギーの導入によって、排出削減された量を認証したのが、
【再エネクレジット】です。
再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱など、
CO2を排出しない(増加させない)クリーンなエネルギーのことです。
例えば、ある工場は、電力をすべて火力発電(石炭や石油を燃やすのでたくさんCO2を排出する)で賄っていて、年間1000トンのCO2を排出しています。
その工場に太陽光発電設備を導入して、電力の一部を太陽光由来に変えることで、排出量が年間300トンになった場合、
従来の排出量1000トン-太陽光発電設備導入後の排出量300トン=削減量700トンの【再エネクレジット】が創出されます。
再エネクレジットは、3種類のクレジットの中で中価格帯です。
東証カーボンクレジット市場での再エネクレジット平均価格は、
3,032円/トンです。(参照:東証カーボンクレジット市場HP)
その③【森林吸収クレジット】
適切に管理された森林が吸収するCO2吸収量を認証したのが、
【森林吸収クレジット】です。
例えば、ある森林で年間1000トンCO2が吸収されている場合、1000トンの【森林吸収クレジット】が創出されます。
3種類の中で、唯一CO2の「吸収量」がクレジットとして発行されています。
先に紹介した省エネクレジットと再エネクレジットは、
CO2の「削減量」なので、排出を減らしていますが、除去しているわけではありません。
カーボンニュートラルを実現するためには、森林吸収クレジットを活用することが必要になってくると考えられます。
森林吸収クレジットは、3種類のクレジットの中で一番高額です。
東証カーボンクレジット市場での森林吸収クレジット平均価格は、
8,273円/トンです。(参照:東証カーボンクレジット市場HP)
取引量
再エネクレジットは、RE100やSBTなど国際的なイニシアティブへの報告に使用できることもあり、3種類のクレジットの中で一番多くの量が取引されています。
再エネクレジットの次に、価格が安いというメリットのある省エネクレジットが売れており、森林吸収クレジットは、あまり売れていない状況です。
東証の市場開設以来の累計売買高は、約7割が再エネです。
(期間:2023年10月11日~2024年2月29日)
森林吸収クレジットを扱う当協会としては、もう少し森林吸収クレジットの取引が活発になってほしいところではあります。
以上、J-クレジットの種類の簡単解説でした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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