森林環境税とは?
こんにちは。
一般社団法人フォレストック協会事務局の川西です。
今年、職場で渡された住民税のお知らせに、「森林環境税」という見慣れない文字が…
一体どんな税金?と思った方もいるかもしれません。
今日は、今年度(令和6年度)から徴収される新しい税「森林環境税」について書いていきたいと思います!
森林環境税とは?
「森林環境税」とは、2024年(令和6年)度から1人年額1,000円が徴収される国税です。
市町村において、個人住民税均等割と併せて徴収され、税収の全額が国によって森林環境譲与税として都道府県・市町村へ譲与されます。
税金が1,000円増えるのか…と思ったかもしれません。
この森林環境税は、今年度からの新たな税ですが、平成26年から、東日本大震災復興法等に基づいて、個人市・県民税の均等割に1,000円上乗せ措置となっていた分が、令和5年で終了しましたので、昨年までと実質の負担額は変わりません。
税金の使い道
森林環境譲与税は、市町村においては、「森林整備及びその促進に関する費用」に、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てること、とされています。
現在の日本の森林は、林業の担い手不足や、所有者や境界の不明な土地により、経営管理や整備が放棄される、などの問題を抱えています。
新しい税の導入について国は「森林を守ることは、国土の保全や水源の保護など国民に広く恩恵を与えるものだ」と説明しています。
問題点について
森林環境譲与税は、私有林人工林面積(55%)、人口(25%)、林業就業者数(20%)よる基準で按分して、全国の市町村へ譲与されています。
なので、森林面積がゼロで、人口の多い大都市にも配分されているのです。
例えば、東京都渋谷区は私有林や人工林の面積がゼロ、森林が全くありませんが、4年間で7200万円の森林環境譲与税が交付され、全額基金として積み立てられています。
森林環境譲与税の使途については、HPなどでの公表が義務付けられているため、誰でも確認することができます。
森林整備が目的なのに、森林がないところにも分配されることについて批判も出ており、今後、分配基準については見直しの議論が出てきそうです。
活用状況について
令和元年度に森林環境譲与税の譲与が始まり、令和4年度には総額500億円(市町村440億円、都道府県60億円)が譲与されました。
(課税は令和6年からですが、令和元年から交付金として自治体に先行配布されています)
令和元年度には、譲与額の半分以上が活用されていませんでした。
政府からの具体的な活用方法の指示がされておらず、配布されても、どう使っていいのかわからず、とりあえず基金に積み立てる、といった状態でした。
その後、活用事例が増えてきたこともあり、令和4年度では譲与額の約8割が活用されています。
間伐などの森林整備費としての活用が最も多く、次に木材利用・普及啓発(イベント、講習会等開催)に使われています。
一人当たり1000円といえども、納税者6200万人から徴収すれば、年間約620億円の税収となります。
森林環境税が適切に活用され、日本の森が豊かになることを願っています。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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