森林大国ニッポン?
こんにちは。
一般社団法人フォレストック協会事務局の川西です。
私たちフォレストック協会は、国内民間では唯一の森林吸収系カーボンクレジット認定制度である「フォレストック認定制度」の運営を通して、日本の森を守る活動を行っています。
CO2の吸収源である森を守ることは、地球の未来を守ること。
今回の記事では、「世界の森」「日本の森」についてお伝えしていこうと思います!
世界の森林
まずは、世界の森林について見てみましょう。
地球の表面は、およそ7割が海です。
残りの3割が陸地で、陸地の3分の1が森林です。
つまり、地球全体の約1割が森林である、ということです。
世界の森林面積ランキング
世界の森林面積ランキング、上位5か国はこちら。
第1位 ロシア 815百万ha
第2位 ブラジル 497百万ha
第3位 カナダ 347百万ha
第4位 アメリカ 310百万ha
第5位 中国 220百万ha
(世界森林資源評価(FRA)2020より)
この上位5か国で、世界の森林の半分以上(54%)を占めています。
現在、世界の森林は減少を続けていますが(主な原因は大規模な農地への転用)、減少の速度はスピードダウンの傾向にあります。
一部の国(主にアフリカや南米)では、森林が減少している一方で、
新規植林などによってアジアやヨーロッパでは森林面積が増加しています。
日本の森林
ここからは、日本の森林について見ていきたいと思います。
皆さん、「日本は森林大国である」と聞いたことはありませんか?
日本の森林面積は約2,500万haで、世界23位の広さです。
面積でいうと、森林大国とまでは言えない気がします。
ただ、国の面積に占める森林の割合「森林率」に着目すると、
実は日本は世界第3位なのです。
森林率ランキング(OECD加盟国)、上位5か国はこちら。
第1位 フィンランド 73.7%
第2位 スウェーデン 68.7%
第3位 日本 68.4%
第4位 韓国 64.5%
第5位 スロベニア 61.5%
(世界森林資源評価(FRA)2020より)
日本の約7割は森林です。
森林率の高さが、日本が森林大国である、と言われる理由ですね。
日本の森林の現状
日本では、過去40年間森林面積の増減はほぼありません。
一方、森林を構成する樹木の幹の体積である「森林蓄積」は、増え続けています。
「森林蓄積」は、森林資源量の目安です。
森林蓄積が増えているということは、
「森林資源が充実してきている」ということです。
昭和30年~40年代に「拡大造林」という方針のもとに、大量のスギ、ヒノキが全国に植えられました。当時植林された木が、一般的な主伐期である50年生を超えており、本格的な利用期を迎えているのです。
しかし、今は高度経済成長期ほど建材としての木材需要はなく、また、安価な輸入材が多く出回っているために、国内の森林資源は使われずに、どんどん蓄積されている状態です。
木を切るのにはもちろんお金がかかりますので、需要がなければ誰も切らないのは当然ですよね。
でも、森林が減っているわけではないし、森林蓄積が増えても問題ないんじゃない?と思う方もいるかもしれません。
日本の森林の課題
利用されずに放置された人工林は、間伐など森林が育っていくために必要な手入れが行われないため、荒廃してしまいます。
放置され荒廃した森林では、土壌が流れやすく山崩れを起こしやすくなります。また、CO2の吸収源としても、主伐期を超えたような高樹齢の樹木は、若い木に比べて吸収能力が低下します。
収穫時期を迎えた樹木は伐って、新たに植林し森を若返らせ、適切な手入れをすることが、洪水や土砂災害防止、CO2吸収源の確保という点からも重要なのです。
「伐って、使って、植えて、育てる」というサイクルを保ち、未来につながる森林を育てていくことが求められています。
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最後までお読みいただきありがとうございました!