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子どもの望ましい行動を増やす③

子どもに望ましい行動を
させたいとき。
(あくまで大人側の「望ましい」)

認知行動療法を活用すると
良いことを紹介した。

ざっくりまとめると
◯人は無意識にあらゆる事象に反応している
◯人は『報酬』のために行動している
◯『望ましい行動』のあとに報酬を用意する
◯最初は報酬のためにがんばる(外発的動機)
◯慣れてきたら報酬を減らしていく
◯そのうち、そうしなきゃ気持ち悪くなる
◯そうなれば報酬は完全に無くす


こうして書き出すのは簡単。
しかし、実際にやってみると
なかなかに難しい。

また、ここんとこどうなの?
という疑問も湧いてくる。

そこで、
今回は認知行動療法を活用するときに
注意して欲しいことを
紹介します。

1,約束は必ず守る

見出しのような言い方をしてしまったが、
実際に、この認知行動療法を
うまく機能させるには
必ず行動の後に決まった結果を
用意しないといけない

子どもに◯◯を頑張ったら
ご褒美にドーナツ2個あげる!
と約束して、
子どもが、やったー!
となったら

その◯◯の後には必ずドーナツ2個
である。

「ごめん、やっぱ1個にしよ」は
絶対にNG。

認知行動療法で働きかけるのは
脳の根幹、つまり動物的部分

期待した報酬が得られない
と分かったら
次からその◯◯を
やる意欲が保てなくなる

頭では「◯◯をやらなきゃ」と
分かっていても
ドーナツ2個もらえない事実があれば
その時点で、次のやる気は生まれない。


一方で、約束通りドーナツ2個もらえたら
「次も頑張ってドーナツ2個もらうぞ。
そのために◯◯やるぞー」となる。

こうして
ドーナツ2個が、行動の頻度を上げること
強化』という。

つまり、望ましい行動の後には、
必ず期待した分の報酬を
用意しなければならない


私たち大人でもそうですよね。
月収25万円を約束されて働いたのに
「ごめん、やっぱ15万で勘弁して」
と給料日に言われたら

その会社、すぐ辞めますよね。


2,報酬は本人が本当に喜ぶもの

さて、用意する報酬について。
これは、大人側の一存で
決めてはダメ。

例えば
「あいつは多分
苺大福が好きそうだから
◯◯したら苺大福を
ご褒美に」としても

本人がそれほど
望まない感じであれば
報酬としての効果を
発揮しない。

苺大福ではなく
「ボクはブラックサンダーが好き」
というのなら
それを報酬にすべき。

こちらが良かれと思って
設定した報酬が
別に必要でないものであれば
報酬として機能しない
ことになる。

相手と合意形成
必ずはかってから
報酬を設定すると良い。


3,報酬を徐々に減らしていく

報酬目的で頑張らせるのは
最初だけで
いずれは無報酬でも
その行動が当たり前に
行えるようになる
のを
目標にすべき。

でなければ
報酬依存になってしまう。

行動のレベルが上がっても
(行動がさほど負担にならなくても)
同じ報酬を得続けているのなら

これまた報酬なしでは
やらなくなってしまう。

なので、
「Aくん、だいぶ◯◯が
できるようになったよねー。
すごいよ!」
と行動そのものを褒めた後

「ご褒美がなくても(減らしても)
もうできるよね?」
報酬を遠ざける
『フェーディング』

もしくは、
「Aくん、だいぶ
◯◯できるようになったね!
すごいよ!」の後に

「じゃあ次は◯◯を
2回1人でやったら
ドーナツ2個あげようか」
と、行動の内容のレベルを
上げる(ご褒美は変わらず)。

こうやって、行動そのものの価値を
本人の中で高めていく作業
が必要。

報酬はあくまで、
その手段であることを
忘れずに。
(いつしか手段が目的に
なってしまうことがありがち)

私たちで言えば
最初はお給料(報酬)のために
働いていた。
でも少しずつ
仕事そのものが楽しくなり
働くことが生き甲斐
になった。

というのが望ましい流れ。

逆に、
手段を目的化してしまうと
より給料のいい会社ばかりに
目が向いて
転職を繰り返して
結局、働く楽しみとか
生き甲斐とか
どうでも良くなった。

となってしまう。

前者へと促すために、
支援者は報酬の
コントロールを小まめに
行うことが大切。


まとめ


ということで、
子どもの望ましい行動を増やすなら
①子どもが本心から喜ぶ報酬設定
②その行動を達成後、必ず報酬用意
③少しずつ行動そのものを褒め価値を高める
④報酬を減らすor行動のレベルを上げる
⑤報酬なしで行動できる状態に
という流れになります。

逆もそうです。
「子どもの望ましくない行動を減らす」
場合も、
①子どもが本心から嫌悪する罰
②事前に確認の上、行動に至れば罰を行う
③行動が減ったことを褒める
④行動が無くなったので罰は無くす

これはでも、どこの国でも
昔から行われていたことであり
どちらかというと負のエネルギーで
動かすことになる。

そのため、子どもの脳は
萎縮してしまったり
緊張してしまったりして
パフォーマンスも下がる。

罰よりも
◯◯の行動をしなかったらご褒美!
というように、
報酬を用意する方が効果的。

ちなみに悪いことをしたときに
無視し続けるというのも
1つの方法ではあるが
これは大変。

消去沸騰といって
やめてほしい行動が
一時爆発的に増える。

それでも無視され続けていると
悟ったときに
ようやく行動は減る。

が、支援者側が
持ちこたえるのが大変。

例えばピンポンダッシュ。
ピンポンされても無視され続けていると
「あれ?何で反応してくんないの?」と
何度も何度もピンポンされまくる時期が
必ず来る。

それでも反応が無ければ
「なんだよ、つまんねーの」と
行動が止む。
しかし、無視し続けるのは
いつまで耐えなければいけないか
分からない
という難しさや、
我慢できず反応してしまったら
もっとピンポンの頻度を増やしてしまう

原因になるので
リスクはいっぱい。

なので、望ましい行いが増えたり
良くない行いが減ったりしたときに
報酬を用意しておくことが
最適
とされている。


ちょっと堅苦しい理論の話に
聞こえたかもしれないが
この理論をしっていれば
子どもの行動育成に限らず
自分自身の習慣化の達成にも
役にたつので、
3部にわたって紹介しました!

最後まで読んでくれて
ありがとうございます。

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