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簡単にできる地球温暖化実験1 その驚くべき結果
ここ30年程、二酸化炭素による地球の温暖化が叫ばれるようになって久しい。しかし2010年くらいまでは、いわゆる仮説の一つであって、「まあ、そういう意見もあるでしょう。」という感じで、各国の政策レベルまでには大きな影響を及ぼさなかった。
しかし2020年くらいからは、「自動車は全部電気自動車にしろ。」「化石燃料は使うな。」という激しい主張が繰り返されるようになり、どの国も2050年くらいには二酸化炭素排出量ゼロという目標を掲げるようになった。本当に困った事態になってしまった。
とにかく二酸化炭素地球温暖化主犯説も、それに対して懐疑的な主張をされる方の言い分も皆さんは十分に聞いておられると思うので、ここでは簡単にできる実験で明らかにしてみようと思い立ったわけである。
皆さんは「地球温暖化問題」のことを専門家しか理解できない難しい問題であると思い込みすぎていないだろうか。確かに多少は難しい部分もある。しかし要点さえ押さえて考えれば、大体のことは理解できるはずである。あまり難しく考え過ぎない方が良い。
皆さんにやかんでお湯を沸かすときのことを考えてほしい。お湯が沸騰してくるとき、やかんに手にひらをかざすと、ほんのりと暖かい。これはやかんから赤外線が放出されているからである。この熱のことを輻射熱という。地球上のほぼすべての物質はその温度に応じて赤外線を出している。
この赤外線は大気中を通過するとき、温暖化効果ガスによって一部分が吸収される。その主力となっているのが水蒸気(H₂O)である。赤外線のかなりの部分を吸収する。
さて、二酸化炭素であるが、実はほんの一部分しか吸収できない。その吸収可能範囲をグラフで見て皆さんは驚かれると思う。「あれ~、二酸化炭素ってこんなに吸収可能範囲が小さいんだ。」と思うはずである。
とにかく赤外線吸収の主役は水蒸気で、二酸化炭素は分量も空気の成分の
0.04%と少ないうえ、一部の波長の赤外線しか吸収できない。しかし温暖化効果ガスであるのも事実である。
ここで問題になってくるのは「二酸化炭素が増えることで、どのくらいの昇温のパワーが増すのであろうか。」ということである。これはどんなに資料を探しても、わかりやすいものは出てこない。
それならば実際に自分で実験装置を考案し、やってみようと考えたのが、今回の実験の趣旨である。
そして皆さんにどちらの主張にも偏ることなく、事実どうりの結果をわかりやすく公表したいと思う。
なお、この実験の要旨や一部分を引用することはやっていただいても結構である。大部分を引用される場合場合は「〈 note 極北の光 〉から引用した」と標記していただければありがたい。とにかく皆さんに事実が伝わるのが、今は一番大切であると考えるからである。
今回の実験で特に注意した点は以下の六つである。
① 装置はできるだけ大きくすることである。大きいほど他の要因による 誤差を受けにくくなる。ペットボトル程度では全く実験にならない。本当は1立方メートル以上を確保したかったが、個人ではコストの関係で0.35立方メートルが限界であった。やれる方はもっと大きい装置で試してほしい。
② 電球を使ってはいけない。なぜなら電球の出す波長は(たとえ赤外線ランプであっても)地球の地面の出す赤外線の波長とまったく異なるからである。今回は地球の夏のコンクリート面と同じ30℃~55℃(周囲の気温+20℃)を出せる座布団型ヒーターを使用した。
③ 空気による対流を防ぐために上部からの加熱とした。下部から加熱すると対流が起こってしまい、実験結果に大きな影響を与えてしまうからである。
④ 水蒸気による影響をできるだけ取り除くため、底部に強力乾燥剤を配置した。
⑤ 温度計の誤差はどうしても避けられない。できるだけヒーターからの距離が同じものは現物合わせとした。
⑥ できるだけ差をみたいので、Aボックスは450ppm、Bボックスは計測限度上限に近い4500ppmとした。これで10倍の差である。この値にしても通常考えられないものであるが、差を見たいためにやむを得ない。
次に材料および備品であるが私が用意したものは以下の通りである。
①二酸化炭素計測器
ホームセンターにて購入 6.000円程度
(この実験では皆さんに確認していただくために2台購入している。通
常は1台で十分だろう。)
②本体用プラスチック段ボール、天板用ポリエチレン板、正面用塩ビ透明板
ホームセンターにて購入 15.000円程度
③バター用棒状温度計 -10℃~60℃まで計測できる
ホームセンターにて購入 18本で6.000円程度
④プラスチック用接着剤(コニシ GPクリヤー)
ホームセンターにて購入 3本で1.200円位
⑤圧着用工具(バネクランプ)
ホームセンターにて購入 8個で1.000円位
なお、Wクリップ、固定用工具も使用
⑥座布団型ヒーター(中国製かと思ってみたらベトナム製だった。安いもの
で良い。)
電器店にて購入 2組で6.000円
⑦アクリル製パイプ 直径1cmのもの
ホームセンターにて購入 2本で800円
棒状温度計を実験装置に挿入するために使用
⑧ 水草用二酸化炭素ボンベ
ホームセンターにて購入 2本で2.000円
以上、合計38,000円
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実験概要
① まず、450ppmの大気を作る。これはボックスAをベランダに出し、底部をはずして、空気が外気と完全に入れ替わるまで放置する。大体10分ほどでモニターの値が450ppm以下になる。そうしたら底部を再び取り付けて空気ごと室内に運び込む。
② 次に4,500ppmの空気を作る。これはボックスBの中に温度計用穴から水草用二酸化炭素ボンベの先にチューブを取り付け、これを差し込み注入する。携帯用扇風機でボックス内の空気を混ぜ合わせる。急に入れすぎるとすぐ計測オーバーの5,000ppmになってしまうので、少しずつ入れながら徐々に4,500ppmに近づけていく。開始時点の両ボックスのppm表示を記録しておく。
③ 2つの異なる空気が出来たら準備完了である。座布団型ヒーターの電源をいれる。
④ この実験では10分おきに計測するように設定している。計測箇所は16か所もあるので、実は計測だけで3分ぐらいかかる。計測中にも温度は変化し続けるので、正しく比較するにはAボックス10cm地点→Bボックス10cm地点→Aボックス20cm地点→Bボックス20cm地点‥‥というふうに時間差がAボックスとBボックスで発生しないようように計測していく。
⑤ 大体1時間くらいで各地点ともヒーターから受け取る熱と側壁からの放熱が同じになり、グラフは水平になっていく。
⑥ 2時間たった時点でヒーターの電源を切り、こんどは下降局面を見ていく。これも大体1時間ぐらいで水平状態になり、ボックス内と室内気温がほぼ同じになる。
⑦ 終了時の両ボックスのppm表示を記録しておく。この装置は完全な密閉性はないので、Aボックスのppmは少し上がり、Bボックスのppmは少し下がっている。
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うーん、これは微妙である。差があるとも、ないとも言えない。グラフを正確に読み取っていくと、7地点中5地点は0.1℃以上の偏差が認められる。
この実験では正確な見解を皆さんにお届けできないと考えたので、次回はもっと差を広げ、例えば20万・10万・5万・3万・2万・1万・8千ppm等についても、比較実験をしてゆき、できるだけ早く報告したいと思っている。
現時点での私の見解を述べることは控えさせていただきたい。ただやってみる前の私の予想は、
① 少なくとも全地点で、0.3℃以上の偏差がでる。
② まったく偏差がでない。
のどちらかだと思っていた。その中間の微妙なグラフになったわけで、はっきりと影響がでる二酸化炭素濃度を突き止めることが必要になってきたと考えている。
二酸化炭素計測器では計測できないレベルのCO₂異常混合気体と通常の空気を比較するわけで、現実にはあり得ない話ではあるが、二酸化炭素にどれだけの吸熱パワーがあるのか、どうしても知る必要があると考えている。
また、偏差自体が微妙であるので、より実験の精度を上げていく必要も感じている。つまり温度計の誤差や、ボックス内の気体の機密性の向上である。これは改善を続けていく。
最後に事実をありにまま皆さんにお伝えしていくことを、ここで強く約束したいと思う。