瞬間、頭を過ぎるシーン「デジャヴ」
これまでに何度か家族の都合で転地しています。ずっと以前住んでいた町の景色と現在が交錯する時があります。
昼間、時間が空いて道の駅のベンチに腰を下ろして眺めた山のシルエットが記憶を蘇らせました。
確かにどこかで出会った!
500m足らずのその山は町のシンボルでした。春にはコブシの花が下から数えられるほど近くに見えます。
雪が被ると山全体が山法師のように覆われていました。松の木が殆んどを占めていました。
今日見た山は杉林でした。よく観察すると絵に描いたような普通のどこの田舎町にでもある”お結び”のような山です。
でも、懐かしさが蘇りこうしたシーンは以前は煩雑に思い出していましたがこのところその現象すら忘れていました。
翻って、古い小さな町には同じ「町名」がありました。
「寺町」など小さな川が流れて石の橋が架かっています。まるで雰囲気も同じでした。実際お寺が沢山ありました。
その時、その時住んでいる家がスタート地点です。駅からのスタートではなかった。
海外においてイギリスで車は左側を運転します。日本も数少ない左側運転です。外国で運転していた頃(右側)を瞬時に思い出すときがありました。左折をした際起こるのです。
交差点で全く車が止まってないと焦ってしまうのです。これは現在はなくなりました。
子供の時描いたチューリップに再び出会う・・・
大学に入学して家を出た頃です。新しい生活の中でチューリップに出会ってその絵を描いた時のことを思い出しました。(すっかり忘れてしまっていたことでした)
幼稚園の時広くて渡るのが怖く感じていた信号のない道路も、大人になってみると驚くほど小さな道だったことに気づきました。その土地を離れて長かったせいでしょう。
「デジャヴ」(フランス語)という。
一度も経験したことが無いのに、すでにどこかで経験したことがあるかのように感じる。
日本語では「既視感 きしかん」に当たります。「見たことがある」ほかに「聞いたことがある」も含まれる。
①脳の錯覚 毎日膨大な量の情報を記憶する途中、伝達ミスが起こる。誰にでも起こりうる可能性がある。
②予知夢 第六感的な不思議な感覚により未来を予知する夢 前にも見たことがある気がする
③左右の目 左右で物事を見るスピードが違うため目から脳内に伝達する時差が出て過去に見たように脳が錯覚する
④ストレスの多い人 ⑤10代~20代の若者 ⑥旅行の多い人
認知心理学では分かり易く図解していました。
ところが・・・
2010年ころからSNS上では誤用が広まっている。「本来の既視感は過去に一度も経験をしたことが無いのになぜか同じような体験をしたと感じる」事。
「デジャブ」は本来の意味で使われている。情報も量と共に変形いていく・・・
私の感覚は「過去に見た何かと一致している感覚」です。言葉変えると老化かなぁ 特別な能力を持っているわけではなく⑥が適当かと思います。
香りと思い出がリンクする場合は「プルースト現象」と言われます。
これは経験がありません。しかし、よく考えるとカレーの匂いから連想する景色も容易に浮かびます。
香水など人を思い出すためには典型かもしれません。逆に香水で好印象を贈るのも「あり」ですね。
そういえば子供の遊びに”シリトリ”がありました。“ン”を付けると負け。電車の中などで聞こえてきました。
今の情報は電子辞書を代表するようにクリックしただけで膨大な量が出てきます。脳内との隔たりは案外想像以上だと気付いた午後でした。