青柚子/青唐辛子/塩 家庭で作る"柚子胡椒"
「青柚子や山の祭に海の魚」
吉田汀史
青柚子の旬は8月~10月上旬ころ、青唐辛子は7月~9月ころ。 それぞれ2つの旬が重なるごく短い期間が、柚子胡椒づくりの季節です。
時期を逃してしまうと、あっという間に黄色く色づいてしまう柚子。一個づつ凹凸があって表情が違い眺めて飽きない。
"すだち"でもない。"レモン"でもない。ゆずには柚子の個性があります。
例えば、柚子の皮の一欠片をあつあつうどんに入れると、何?と感じるほどほのかな風味と香りが宇宙を拡がる。
柚子は一般的に柚子湯(ゆずゆ)など冬の風物詩として知られています。
隣町の知人から青柚子が丁度良くなったから…と収穫連絡。
昼過ぎて出掛けると茂った緑色の葉に青い実は見分けがつきにくい。柚子のトゲはなかなか鋭い。
黄色に熟すと生(な)っている場所がわかりやすいけど…
秋分の日近くの陽は、早い。
友は古民家を買って移り住んだ。敷地内には、大きな柚子の木が2本あった。トトロの森のような金木犀も横に並ぶ。
当地は柑橘類の北限なのか民家の庭先で年数の経つ柚子をよく見かける。利用する様子もなく、なりっぱなし…。
「柚子(ゆず)の大馬鹿十八年」はよく聞かされるフレーズ。もったいない!
店に並んだ柚子は綺麗に切り口も切りそろえられ清々しい顔をしてる。本日の収穫した柚子は不揃い。
これで柚子胡椒を作る。オーガニックは、有難い。
九州では一般的な調味料として多くの料理で使用される。
九州のほか、ユズの産地である徳島県木頭村(現:那賀町)や高知県でも製造されている。
完熟した柚子と赤唐辛子を使って作ると、青臭さがなく香りがとても爽やかでフルーティーなのだそうです。赤と黄色でオレンジ色。
「山うに」とは、福井県鯖江市河原田に古くから伝わる伝統薬味。鯖江出身のクリ・ヨウジ氏(アニメーション作家)に聞いたことがある。極、一部の地域だそうです。
材料は黄柚子、赤なんば(赤万願寺唐辛子)、越前塩(天日塩)、鷹の爪を使って作られます。ほぼ同じです。オレンジ色→うに
元に戻り、材料は青い柚子と青唐辛子と塩。青唐辛子も旬の時期。この組み合わせがなんとも嬉しい。
他にゴム手袋、おろし器、すり鉢、すりこぎあるいはフードプロセッサー、保存瓶など…
注意:青柚子の白い部分は苦味が出るので、おろし器ですりおろさないよう。
青唐辛子を扱う際は手袋を使用。
辛味成分が目や気管に入るのを防ぐため、部屋を換気しながら作業する。
「柚子胡椒の名前の由来」
青唐辛子のことを九州では古語で「胡椒」と言っていたみたいなのです。
柚子胡椒は商用として誕生したわけではなく、柚子を農家の方が青唐辛子と塩を混ぜて、すりつぶして自宅で使ったり、近所におすそ分けしたものがだんだん普及したと推定。
歴史としてはそれほど古いものではなく、少なくとも第二次世界大戦以降(1939〜1945年)に作られたようです。
たかが柚子胡椒、されど柚子胡椒…西方で愛され続けた柚子胡椒、いろいろなエピソードが繋がります。
すり鉢に皮だけすりおろした青柚子と種をとってフードプロセッサーで砕いた青唐辛子と塩(12%) 3種を入れてコリコリ…コリ。香り高く…
味見は容易ではない。この辺りでできた!とする。
スパイスは百人百用。日本の薬味は味が深い。土井善晴氏受け売りです。
卵焼きにも玄関先の山椒の実を…何?と思うほどのほのかな味わいが魅力です。
収穫してサラリとゆがきアルミ箔に包んで冷凍しておくと次シーズンまで楽しめます。
一日経って…
皮を使ったので、果肉をドレッシングにしたら香りが足りない。
暑い夏だった。ただ黙って過ごした植物の思いに馳せた。
材料はネットで簡単に手に入ります。試してみて…
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