【theLetter】民法学の第一人者は、なぜ離婚後共同親権「反対」に転じたのか/連載一覧
連載一覧
第1回「告解」
連載のきっかけとなった、あるシンポジウムでの学者の小さな懺悔。
第2回「視座」
弱者が守られない。
公的介入力が決定的に欠如した、日本の離婚法制の難点。
第3回「判例」
弱者が守られない離婚法制の中で、誰を救おうとしていたのか。
5つの最高裁判例から、水野先生の基本姿勢が見える。
第4回「着想」
子の奪い合い紛争の中に落ちた子どもを救うために、離婚後共同親権導入という打開策を打ち出すが。。。
第5回「構想」
3年の検討を経て公表された第1次案。
水野先生らしい、全体的バランスを考えた現実的な改正案に見えるが。。。
第6回「論争」
批判の集中砲火を浴びる水野案。
再現した議論から、水野案の本質的欠陥が見えてくる。
第7回「泥濘」
3年の再考を経て、改めて提案された離婚後共同親権導入。
しかし、その中のある規定に、迂闊さが忍び寄る。
第8回
2年後に、水野先生の宿願の一部がかなった民法改正。
しかし、司法エリートたちの教条的な方針が、事態を思わぬ方向に持って行ってしまう。。。
第9回
ある新聞記事への痛烈な批判から始まった。水野先生の主張の変化。
「子の基本的人権」を中心に据えて、離婚後共同親権にも厳しい眼を注ぐが。。。
第10回(最終回) 【10/1~読者限定公開】
水野先生の離婚後共同親権導入論に欠けていたピースは何だったのか。
ある弁護士からの提言を題材に問い直します。
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参考文献一覧
※執筆者名はいずれも水野紀子のもの。
※記事中に紹介されなかったものも含みます。
「離婚」星野英一編『民法講座7』有斐閣143ー164頁(1984年)
「家族の解体と『再生』」『名大公開講座3・現代に生きる』名大出版会143ー160頁(1985年)
「男女平等と家族法」ジュリスト総合特集・女性の現在と未来58ー65頁(1985年)
「有責配偶者からの離婚請求」法学教室193号52ー58頁(1996年)
「団体としての家族」ジュリスト1126号7277頁(1998年)
「日本家族法の特徴と民法改正案をめぐって」「家庭の未来」研究会編『家庭の未来』労働基準調査会149-161頁(1998年)
「日本の離婚における法規制のあり方」ケース研究262号2-18頁(2000年)「子の奪い合いの法的解決をめざして」家族〈社会と法〉18号37-42頁(2002年)
「日本の離婚手続きについて」ケース研究286号55-96頁(2006年)
「破綻主義的離婚の導入と拡大」ジュリスト1336号19-25頁(2007年)「婚姻法・親子法の国際的動向」ジュリスト増刊・民法の争点308-309頁(2007年)
「モラル・ハラスメントからみた離婚法の現状と課題」橋本智子他著『Q&Aモラル・ハラスメント』明石書店208ー214頁(2007年)
「家族の法的保護」辻村みよ子・河上正二・水野紀子編『男女共同参画のためにー政策提言』東北大学出版会429-441頁(2008年)
「家族法の弱者保護機能について」鈴木禄弥先生追悼・太田知行・荒川重勝・生熊長幸編『民事法学への挑戦と新たな構築』創文社651-684頁(2008年)
「児童虐待への法的対応と親権制限のあり方」季刊社会保障研究45巻4号361ー372頁(2010年)
「家族法改正・シンポジウム」私法72号3-52頁(2010年)
「家族法の本来的機能の実現ー男女共同参画社会へ向けて」ジュリスト1424号46-53頁(2011年)
中田裕康編「家族法改正 婚姻・親子関係を中心に」(有斐閣)(2010年)
水野紀子「DV・児童虐待からみた面会交流原則的実施論の課題」(所収:梶村太市・長谷川京子編著「子ども中心の面会交流―子どものこころの発達臨床・法律実務・研究領域から原則実施を考える」(日本加除出版)112-124頁)(2015年) ※座談会の様子は315頁以下
「家族の自由と家族への国家介入」法律時報2017年8月号通巻1115号53-59頁(2017年)
「(私の視点)離婚後の子育て 悲劇の責任は社会の無策」2017年10月19日朝日新聞朝刊15面
「家族への公的介入 ―企画の趣旨」法律時報2018年10月号90巻11号通巻1130号4-9頁(2018年)
「「離婚しても子に会いたい」は親のエゴか」プレジデントオンライン2019年1月21日
「家族をめぐる観念と法手続に関する一考察」山元一・但野雅人・蟻川恒正・中林暁生編『辻村みよ子先生古稀記念・憲法の普遍性と歴史性』日本評論社153-172頁(2019年)
「民法・家族法学からみた離婚後共同親権」日仏文化90号83ー90頁(2020年)
「Column11・面会交流」磯谷文明・町野朔・水野紀子編集代表、岩瀬徹・久保野恵美子・柑本美和・浜田真樹・藤田香織編『実務コンメンタール児童福祉法・児童虐待防止法』有斐閣(2020年12月)694-696頁
※議事録
法制審議会児童虐待防止関連親権制度部会第10回議事録
法制審議会家族法制部会第1回会議議事録
同第4回会議議事録
※その他の著者の参考文献
上村昌代「離婚後の子の養育に向けて 共同親権・共同監護をめぐる問題」現代社会研究科論集:京都女子大学大学院現代社会研究科紀要第6号
細矢郁=進藤千絵=野田裕子=宮崎裕子「面会交流が争点となる調停事件の実情及び審理の在り方」家裁月報64巻7号1頁
大森貴弘「(私の視点)離婚後の子育て 共同親権で親子の関係守れ」2017年9月21日朝日新聞朝刊17面
吉田容子「監護法の目標と改正検討の要点」梶村太市・長谷川京子・吉田容子編著「離婚後の共同親権とは何か ―子どもの視点から考える」(日本評論社)175頁以下