学びのつぶやきプロジェクト #3
どうも、主任やまもです。
幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研究室を運営したりしています。
「学びのつぶやきプロジェクト」というのをゆるゆると進めております。新任の保育者や実習生に伝えたい言葉をツイートから探していく企画です。
最終的に冊子になればいいなと思っています。
学びのつぶやき解説
本日のつぶやきはこちら。
「”教育”ではなく”共育”」というテーマですね。
ツイートの言葉をお借りすると「教えるのではなく、育ちを支える視点」を持つ、と。
忘れてはいけない、でも、忘れやすいことなんです。
学校の先生を悪く言う気はさらさらないのですが、昔は先生と生徒の関係は明らかに上下関係でした。先生は偉い、先生の言うことが正しいという関係ですね。
大人と子どもという関係も、やはり大人が正しい、子どもは大人の言うことを聞きなさい的な関係があります。大人が人生の先輩だからですかね?見本になる大人なんて半分もいないように思いますが…まあ、そこは今回はスルーします笑。
そんなこんなで、大人は子どもに上の立場を取りたがる、取りやすい傾向にあるのは事実です。
ですが、ツイートにあるように保育者という仕事はそうではありません。場面によるとは思いますが、保育者は「教える立場」に立つことは多くないです。というか、普段はその意識で子どもと接するべきではありません。
自転車のギア変速をイメージしてください。通称”きりかえ”です。
6段階に切り替えられるとして、普段は何段にしておきますか?1段だと全然進まないし、いきなり6段だとペダルが重すぎます。自転車に最近乗らない人にとっては懐かしい話だと思います。
保育者の”立場”もギアがあると思ってください。6段だと「教える立場」を意識しすぎて、なんでも「こうしなさい。ああしなさい。それはするな。あれはしろ。」と指示命令ばかりになるとします。反対に1段だとなんでも自由にさせすぎて収拾がつかないと思ってください。
子どもが主役、子どもの主体性を大事にと言われるこの時代です。また、就職しても言われたことしかできない若者問題も見聞きします。その原因は、子ども時代の周りの大人のギアが6段だったからだと言われています。
みなさんにも「教える立場」のギアがあります。
保育者として、普段は1段から6段の何段にしておきますか?
育ちを支える視点とは?
ツイートの言葉「教えるのではなく、育ちを支える視点」の「教えるではなく」の部分は説明しました。
次は「育ちを支える視点」です。どんな視点なのでしょうか。
その前に、”支える”の代わりに入る言葉は何があるか考えてみましょう。
促す、引き出す、引き上げる、出させる、引っぱり出す……こんな感じでしょうか。
引くとか出すとかが多いですね。促すも内から出すイメージがあります。引っぱり出すなんて分かりやすいですが、これは大人の都合感が強いです。「育たせなきゃ!育ってもらわないと困る!(私が)」という心の声が聞こえてきます。
教える側の話に戻りますが、ツイートにも「教えなきゃ!」と思う必要はないと書いてあります。「○○しなきゃ!○○させなきゃ!」という考えは保育者的な考え方ではないようです。
一方で、”支える”はどうでしょう。
大人の都合感がありますか?あんまり感じないですね。子どもの下に保育者がいて、落ちないように押さえているのを私は想像しました。
いま記事を書いていて、ボルダリングが頭に浮かびました。子どもが上に登っていき、保育者は下から支える。時には下から「次は〇色の石を掴むのがいいよ!」とアドバイスするかもしれませんが、どの石(ルート)を選んで登っていくかは子どもに決定権があります。登る=育つということです。
支えるではなく引っぱり出すだとすると、ボルダリングの崖の上から無理やり引っ張って上に引き上げる感じでしょうか。そうすると、子どもには石を選ぶ決定権がありませんし、そもそも自分の力で登れません。これでは経験も力もつかないです。
崖ではなく坂道をイメージする人もいるかもしれません。
後ろから支えてあげるか、上から引っぱり上げるか。
最初に話した教える立場のギアとも繋がってきませんか?
指示命令の強い6段ギアと、育ちを上から引っぱり上げる。
まとめ
たよしさんのツイートから「教える立場のギア」と「支える」についてお話しました。ボルダリングの例え、分かりやすかったかな…
ギアについては、変速なのがポイントです。つまり、一度決めたらこのギアでずっといく!ではないのです。時と場合によって変えるんですね。なのであえて「普段は何段?」と聞いたのでした。
で、あなたは何段にしますか?
そして実は、ツイートはもう一つのメッセージがあります。
「子どもたちと共に自分も育つ」
最高な言葉です。
資格を手に入れても、大学を卒業しても、保育者としては完成しません。そこはスタートです。子どもたちや先輩たちと一緒に保育者として育っていくんですね。
私もまだまだ未熟です。だから今も学んでいます。
未熟ながら、子どもにとって最高の保育を提供しようと日々悩んで考えて試しています。面白いです。
何が面白いって?
最高の保育は一つではなくて、それぞれの子どもにとって別のものだということが面白いです。
毎年新入園児が入るということは、その子たちの分だけ新しい最高の保育があります。最高が重なる部分はあるけれど、ぴったり重なることはありません。それぞれの最高を見つけて提供します。
実際は、すべての保育者が日々そこまで考えられるほど、ゆったりとした現場ではないです。ですが、すべての園児が次々にスポットライトが当たる保育をしている保育者はいます。それぞれの子どもの良さを分かり、その子が活躍できる保育をしているからです。うちの園の職員です。
最後は私の後輩自慢になってしまいましたが…
保育者として、私たちも育ちのボルダリングを登っていきましょう。みなさんのことは、先輩と主任と園長と私やまもが支えていますよ。
ではでは。
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