築地再開発計画を眺めながらヴェルディの躍進を妄想する
夜22時。私「うい、部長にぶん投げられた計画書完成!寝る!」
翌朝8時。部長「役員Aさんから連絡があって収益見込み上げろって。追加パート作成よろしく。Aさん、明日の朝に見たいって」(コーヒー片手に)
私の心の声(ぬでぇぱぁぁ!自分の願望で売上と利益が上がる訳ねぇだろぉぉぉ!必死で現実とのバランス取ったのに、あの机上の空論マン!)
私(現実)「かしこまりました。売上を増やすのは難しいので、コスト側から再分析いたします」(エナジードリンクを右手に、コーヒー左手に)
こと左様に「計画書」という奴は、いろーんな人の願望と欲望と、その裏で現実的な計算をしなければいけない人の悲哀が混じったものでございます。悲哀側に立っている私がサッカーと関連して注目しているのが、そう「築地再開発計画」です。見ていると進める側の苦労が計り知れない一方、サッカーという観点に立つと「ヴェルディが初の東京23区J1クラブになるんじゃね?」と思ったので、本日もデータ10%、妄想90%で書いていきます。
築地再開発計画がサッカーに持つ意味
築地市場は2018年10月に閉鎖し、市場機能は豊洲(正確には新豊洲エリア)へ移転しました。元々市場があった広大な場所がぽっかり空いたので、ここをどのように再開発するのかが問題でした。
これに対し2024年4月、三井不動産を筆頭に11企業のコンソーシアムが東京都と再開発の基本契約を結ぶことが発表されました。プロジェクト名は「One park × One city」。一瞬、麦わら帽子の海賊が頭の中によぎりましたが、新たなエリアは8つの建築物がエンタメ、生活、ビジネス全てをカバーする施設が並ぶことになるそうです。
このエリアの目玉は、なんといっても収容人数5万人超!という大規模エンタメ施設。しかも、目的により仕様が可変されるとしています。サッカーという目線では日産スタジアム、埼玉スタジアム、国立競技場に次ぐ、競技場が23区の、しかも東京駅の、銀座の激近場に生まれることとなります。
ハッキリ言って集客上、完璧です。客席数は国内最上クラス。交通の超便良し。周辺エリアはショッピングからレストランまで超充実。敢えてケチをつけるとすれば、傍(そば)に築地場外市場があるのでスタグル(スタジアム・グルメ)は苦戦しそうだな、位です。
簡単じゃない「多目的スタジアム」
主な建物が完成する第一次工期の完成めどは2032年度となっており、後8年で我々はこの異次元に集客しやすいスタジアムを目にすることが出来るわけです。ただ、新スタジアムはコンサート、バスケ、野球、展示会と多目的に利用されるため、1年を通してサッカーだけでは使えません。
この多目的、という言葉は見栄えはいいのですが、現場側がらすると泣き所だと考えます。例えば、北海道の札幌ドームのようにサッカー場を外に出して置ければ、試合の時にスライドさせて中に入れるので入れ替えはまだ容易です。(それでも大変そうですけど)
ところがどっこい(昭和死語)、計画の地図を見る限り、使わないサッカー場を置いておくようなスペースの余裕はなさそうです。となると、人と機械で地道に仕様変更しなければなりません。
ロンドンはウェストハムが本拠地とするロンドン・スタジアムがその例です。MLBのオフシーズンプレーがイギリスで開催されるたびに、サッカー仕様を野球仕様にするのですが、毎回大掛かりな工事になるのでプレミアリーグがオフシーズンとなる6月以降の超限定開催となっています。
新スタジアムを使うクラブは?
場所の立地、仕様変更にかかる負担の小ささを踏まえると、築地の新スタジアムは恐らくコンサートと展示会が主目的位なる可能性が高いと推察します。そして、野球、サッカーは限られた期間内(1~2か月)だけ使用できることになると思います。
となると、今度は野球とのすみわけを考えなければなりません。日本のプロ野球は2月後半のオープン戦に始まり、11月上旬までシーズンを戦い抜きます。サッカーがもらえるとすれば、12月~1月の枠です。
国立競技場の例に沿えばサッカー日本代表の使用優先順位が高そうですが、残念ながら今のFIFAカレンダーで言うと、この時期は代表の活動時期(3、5~6、8~11月)ではありません。つまり、サッカーが使うとすればJリーグのどこかです。はて誰が使うのでしょうか?
ここでもう一度、築地市場跡地の再開発企業を見てみましょう
トヨタ自動車?いえいえ、同社がスポンサーしている名古屋グランパスがわざわざ東京で試合を開催する理由はありません。竹中工務店とガンバ大阪、清水建設とコンサドーレ札幌の組み合わせもありますが、同じ理由で築地開催の可能性は低いです。鹿島建設はサッカーというより、スポンサーをしているBリーグのサンロッカーズ渋谷を支援するでしょう。
こうして考えてみると、やはり東京のクラブが試合開催するのが普通の流れになりそうであり、FC東京と東京ヴェルディが候補となるでしょう。どちらも味の素スタジアムを本拠地とします。このうち、個人的にイケると期待しているのが東京ヴェルディです。
ここから先は妄想・オブ・妄想です。東京ヴェルディはかつて読売新聞社グループ(以下、読売)の参加にありました。読売はヴェルディを手放した後も、祖業である新聞事業は斜陽産業となっています。同社は新聞事業を守りつつ、東京ジャイアンツタウン、今回の築地市場跡地再開発など、娯楽施設の開発・運営業にシフトしつつあります。ということは同社が再び東京ヴェルディの運営に参画し、築地市場跡地のスタジアムで試合を行うことは、中期戦略と合致しています。もしそうなれば、野球に顔が利く読売なので、野球の開催枠をサッカーに振り分けることもできるかもしれません。
となると、そうすると、東京23区をホームクラブをとする初J1クラブは東京ヴェルディ?ということになりかもしれません。それはヴェルディが川崎にいた頃からの悲願です。40年の時を超えて、プロクラブ設立当初の想いが実現するとすれば、こんなに胸アツな展開はないじゃないですか。今季はもうすぐ閉幕するJ1の順位表を観つつ、緑軍団のそんな来季以降を期待します。本日も良いサッカー生活を!