欧州サッカー移籍市場の途中経過報告(8月13日時点)
今夏の欧州サッカー移籍市場は、冷夏とまでは言わないまでもぬるーい感じで中盤戦を迎えています。果たして、夏の終わりに向けて熱さを取り戻していくのか?ちょっと短い記事で更新します。
プレミアからの夏の全力投球は未だなし
移籍市場の熱さを感じない理由として、プレミア勢の獲得スピードが上がらないということが挙げられます。プレミアはコロナ禍前後のシーズンで€15~20億を移籍市場につぎ込んでいましたが、過去2シーズンは総額€30億(約4,800億円相当)と一気にレベルを変えてきました。
今季のプレミア勢の合計支出額は、8月半ばで€15億と、冬の移籍ウィンドウも残っていることを踏まえれば、引き続き€30億に到達する可能性は十分残ります。ただ、過去2シーズンのジャンプアップがあまりにも印象が大きく、かつチェルシーなど夏の移籍に全力投球するチームが不在だったため、今夏は遅く感じるのだと思います。
背景には、エバートンとノッティンガム・フォレストがファイナンシャルフェアプレー(FFP)によるペナルティを昨シーズンに受けたため、各チームともFFPにいつも以上に気を使っていることが挙げられます。
後は、リヴァプール、マンチェスター・シティが中々、意中の選手を射止められてないという個別要因もあるかと思います。
セリアAはミラノ勢以外も元気!
さて、移籍支出額のランキングを見ると、相も変わらずプレミアが抜けています。ラ・リーガが5大リーグのビリなのも変わらず。ただ、セリエAが2シーズン振りにリーグアンやブンデスに差をつけて2位になっていることがやや異なります。
今夏のメガディールを眺めて感じるのは、ミラノ勢、ユヴェントスもさることながら、ナポリ、ローマ、そしてアトランタ!と大型補強をするクラブの数が増えていることです。これは欧州カップ戦を最多8チーム戦うこと、それを踏まえてオーナーの懐が緩んでいることが影響していると思われます。
後は、テュラム弟もそうですが、フランスからの引き抜きも活発化しています。ヴィティーニャ(マルセイユ→ジェノア、€1600万)、タイス・ダリンガ(トゥールーズ→ボローニャ、€1500万)、ゲンドゥージ(マルセイユ→ラツィオに完全移籍、€1300万)、リチャードソン(スタッド・ランス→フィオレンティーナ、€900万)とカルチャが選手を”獲る側”に回っています。
なお、鈴木彩艶選手のパルマ移籍金は€750万と、昇格組ではかなり高額の移籍金と報じられています。
停滞のラ・リーガ、リーグアンより格下に?
セリエAが上り調子にあるのに対し、一向に上る気配がないのはラ・リーガです。プレミアとの差は埋めがたいものがあるのは百も承知なのですが、20-21シーズンからはセリエA、そしてリーグアンにすら勝てなくなっています。
アトレティコ・マドリードが頑張って大盤振る舞いをしていますが、レアルのマドリードはスカッドの完成度が凄すぎて先行投資しか必要でない状況。一方、カタルーニャの某バルセロナは、財政困難の完成度が凄すぎて先行投資しかできない状況。乾坤一擲でダニ・オルモを獲得しましたが、ライプツィヒに頭を下げて移籍金は分割払いになったんだろうなぁ、ということが想像できます。
やはり2強が国内の他チームから”強奪”と呼ばれるくらいに主力を抜いていかないと、2強以外にお金が回らず、結果的にリーガ全体に金回りが悪くなってしまいます。