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#MCIARS マンチェスターシティ対アーセナル
[ prologue ]
やあ、みんな元気かい?
Premier Leagueの中でも最高な組み合わせの内の一つでありその二分の一が、こんなに早く行われるなんてウレシイんだか、モッタイナイんだかよく分からない面持ちのまま今日を迎えたという人も多いんじゃない?もちろんゲームが始まってしまえば、その一挙手一投足に集中して興奮と共に青い芝生の上で表現されるスペクタクルを、一気飲みしたみたいに酔いしれるんだろうけれど。
もうすでにホームチームはシーズンが開いたと同時にChelseaとやったり、Champions Leagueでは新フォーマット1試合目にイタリアからInternazinaleを招いてビッグマッチを開催していたり、対するアウェイチームも同じステージでソコのライバルと戦ったばかりで、このカードを通して間接的に対戦相手同士はMilanoダービーかのようなことになっていた。
スタジアムを見渡せば人、人、人でココが小さいんじゃないかと錯覚してしまいそうになるけど、それはまあつまり満員ってコトだよね。この国じゃ毎週ドコで試合をしようと似たような状況になるけど、この光景が珍しくないってのはとてつもなく素晴しいと思うんだよな、オレの視点から言ってもさ。
そして現代footballの中でも際立って魅力的で、クオリティの高いplayでゲームを構築するチーム同士の対戦だから、今日の2時間が10年先、20年先にもしかして『2024年の出来事を知ってるか?あの時は‥‥』なんて語り草にならないとも限らない可能性を秘めていて、自ずと湧き起こるワクワクがさらにみんなのkick offを待つ気持ちの昂りに火をつけ昇華させていくんだろう。
[ GOAL -1- ]
緞帳が上がり切る前のファーストコンタクトから会場には不穏な空気が漂った。これがこの先の一体何を暗示するものなのか、現時点でわかる者などいないハズだが、クリーンなplayを標榜する両チームにあってこのオープニングアクトは想像しなかったし、観客からも望まれていなかった、きっとね。
今度こその優勝への熱い想いが直接的なライバルを目の前にした事で、Havertz 29 をヒートアップさせたならせめて僕を絡めたシーンにしてくれないと、途端にツマラナイ諍いが呼ばれてもいないクセに主役に躍り出て来ちまうゼ。
君たちも嫌だろう?せっかくの好カードが、あんなくだらないヤツがしゃしゃり出て黄色ならまだしも、赤が何食わぬ顔でやって来てfootballを台無しにされるのは。
ただでさえ双方キープレイヤー、替えの効かない大黒柱と言っても決して過言ではないキャプテン、そしてタイプは異なるものの優れたパサーであり、Premier屈指のプレイメイカーを欠いてのゲームになってしまったんだから、これ以上要らないケガなんかで選手がリストから消えて行くのは何よりも避けて欲しかった。
試合後PUBに集ったはいいが、開口一番『 De Bruyne 17 だったら』とか『 Ødegaard 8 がいれば』なんて言いたくないと思う。だっていなかった人の名前が真っ先に飛び出しちまうゲームは、もうすでに内容がどんなだったかを連想させているじゃない、悪い方に。
それでも Rodri 16 が立ち上がったのを合図に再びスタートして行った試合は、やはりインテンシティ高く攻守においてお互い余白が生まれる事を善しとしていないようで、 Haaland 9 も僕にチャレンジしに行ったトコロで勢い余って Saliba 2 をブッ飛ばしたりしていた。
コレは幸いダメージの残る接触ではなかったみたいだけれど、当たった瞬間は危ない倒れ方に見えたよな。スグに近くの選手たちがユニフォームの色に関係なく人垣を作ろうとしたけれど、ココは審判が冷静な裁きを見せてその役割を果たしているように見えた。
そんな一度確実に空回った彼の気合いが整合性をとってソコに結実したのか、この日もゲームを動かしたのは Haaland 9 からだった。阿吽の呼吸も可能なベストパートナーを失ったエースは、それによっていつもより若干苦労するのではないかという試合前に囁かれた言葉を、普段通りピッチを駆け抜け背中で Gabriel 6 をブロックしながらスルーパスを待つ見事なラインブレイクをまざまざと見せつけ、いとも簡単にキーパーとの1vs1のシチュエーションを作り出し、大きく空いたニアサイドもろとも撃ち抜いて行った。
相方不在のまま漫談にトライしようとしていたストライカーに、スタイルこそ違えど秀逸なフリを用意していつもの様にボケさせ、GOALまでキレイに落とさせてしまうんだから新加入とは思えないんだよな、Savinho 26 の活躍ぶりは。
ハーフウェイラインの右、タッチライン際でパスを受けに来た彼を僕の奪いどころだと判断した Calafiori 33 のプレッシャーをヒラリと交わし、外から中、さらに前方へとドリブルを進めて正確にパスの出しどころを見極め即興の漫才に仕立て上げたんだ、決して付け焼き刃と言われないデキにして。
[ GOAL -2- ]
得点が決まったとはいえ、それでなし崩し的になってしまう程ヤワではないArsenalは、その質を落とす事なく戦ってはいたけれど、やっぱり重要なリンクマンでもあるNo.8の損失は殊更オフェンス面に影を落としていた。そう、どうしても繋ぎの場面では苦労を隠せない。
ディフェンスラインとFW3枚をスムーズに連結させる Ødegaard 8 の代わりは誰に出来るものでも無く、仮にその選択肢を他クラブまで伸ばす事が許可されていたとしても、誰それなら遜色無いと即座に言い切れる存在はなかなか思いつかない。詰まるところ必然的に今日は Saka 7 にしろ、 Martinelli 11 にしろ、 Havertz 29 にしろ本来のポテンシャルを内に閉じ込め、守り人としての役職を全うしなければならなくなった。
本職ではない人間を守備へと駆り出したトコロで、一度流れに乗ったCityzensの攻撃を止めるのは容易ではないようで徐々に押し込まれて行き、よく見るハーフコートマッチの様相を呈してアタッキングサードでも華麗にパスを交わされワンテンポ遅れて寄せてしまうと、ホラ見たことか!ペナルティエリア手前の見通しがイイ場所でFKさ。
コレは Gündoğan 19 が振った脚から放たれた僕は美しい軌道を辿り、たぶん狙った通りにゴールの隅ギリギリへ向かったけれど、そこはなんとかポストが立ち塞がってくれてGunnersは事なきを得たんだ。
でもこの後のCKで悲劇は起こってしまう。夏の副業でも大役を果たした代償で負ってしまったケガから、やっと帰って来てこの日今シーズン初スタメンを飾った Rodri 16 がポジション取りの中で接触し悶えながら踞り、また再び彼の為にplayが止められた。
駆け寄った仲間によって直ちにベンチに向かって合図が送られ、駆け付けた医療スタッフが治療というよりは具合の確認をしたのちに時間をかけ自力で立ち上がった彼は、サイドを固められ退場して行く際に自ら手をクルクル回してコーチ陣へサインを送っていた。
『もうオレは無理だゼ』って。
彼についてはもう何年も勤続疲労が言われて久しいけれど、昨シーズンも数多くの試合でスタメンを張ってチームをPremier League優勝へ導き、そしてこの夏はそこから休む事なく母国のために走り続け4年に1度のタイトルを献上していた。その脚が代償だったなんて残酷なストーリーはあまりにも不適切で余計でしかない。
これで彼はきっと軽くはない離脱をするハメになったことだろう。バカンスの気楽さも喜びも付加されない長期休暇の始まりだ。仕事場から突然追い出しただけでは飽き足らず、一生懸命働いた彼に対して痛みと共に病院通いやリハビリをプレゼントするなんて、一体誰のどんな仕打ちなんだい?悪趣味すぎるよ、コレは。
挙げ句長い間 Rodri 16 からfootballを奪い取って。
ついこの間Cityzensは De Bruyne 17 を失ったばかりだというのにさ。 Foden 47 は帰って来てはいるけどまだ本調子ではないらしくスタメンではないし、復帰のさせ方はより慎重になるだろうね、こんなものを見せつけられると。
だってそうじゃないか!キープレイヤーを開幕間もないのに3人も欠いたスカッドでチームのクオリティを保ってるのが不思議なくらいだよ。普通ならこうはならないゼ?まあ、この選手層の厚さもこのクラブの為せる業とも言えるけれど。
footballを観る上で一番見たくないシーンの後に待っていたのは、不条理の上に塗りつけられたスタンドプレイだった。
ファウルで止まった時間を使って交代が行われている間に両キャプテンを呼び何らかの注意を与えた後、準備の整っていたオフェンス側の都合を鵜呑みにするようにリスタートして行ったplayで簡単に左サイド奥深くまで進入出来たArsenalは、一拍置いたようにやって来たフリーのSBへリターンし、中央左45°、かつてデルピエロゾーンと呼ばれていた場所から左脚一閃、Premier初GOALを決めた。僕を逆サイドネットへ突き刺して。
もちろん巡って来たチャンスを正確で丁寧なkickによってGOALへと昇華させた Calafiori 33 には何の問題も無い。footballerなら基本的にどんな理由があろうと、笛が鳴らない限りそのplayを止める必要はないんだからね。
喜んだ彼の真っ先に駆けて行き飛びついたのが Arteta という場面を、そのまま受け取って感動に浸るだけにさせなかったのは、その物語の始まりが一部の登場人物を除け者にして腑に落ちない、憤りの感情を抱かせたまま一幕が終わったからだった。
そう、ジャッジのせいでね。
キャプテンがワザワザポジションを離れて話を聞きに行ったと思ったら、帰りには配慮の全くない再開の仕方で見送られ懸命に戻ったものの裏のスペースをカバーするのがやっと、翻弄されるうちに失点してしまうんだもの。
あんな事して平気な顔しているんだとしたら、今後誰も呼ばれたトコロで彼の元へなんか赴かなくなっちまうゼ。自分の思うがままに勝手に数的不利を作られるんだ、やってらんないだろ?
あの時キャプテンマークがGKの腕に巻かれていたとしても彼は同じ判断を下したのだろうか。空っぽのゴールに、僕がただ吸い込まれていく恐ろしい瞬間をスタジアム全体に目撃させるというおぞましい演出を施して。
[ GOAL -3- ]
Man Cityによる抗議虚しく次へ向かう事になったゲームは、ソコに至るまでに醸成されていた秩序を脱ぎ捨て、新調された目的の為なら何ものもを恐れないといった殺伐とした雰囲気を纏って行った。
ソレが先行し荒っぽいplayがより目に付くようになり、レフェリングによってレフェリングのコンセンサスが取れない状況に陥り、ピッチ上は不確かな規則、規律の中でGOALや対面する相手との攻防以外にもうひとつ別の問題に酷く煩わせられながら試合運びをせねばならぬ状況へ陥れられた。
ただし、ソコは流石のクオリティとメンタリティを兼ね備えたMan City。一旦そんな事ばかりに囚われ集中力を蔑ろにされていきそうなトコロを踏み止まり、ブリ返して来そうなアノ想いをその都度噛み殺しながら足は止めず、Arsenalと高い次元での質を担保したplayでゲームを構築して行く様子が、観衆に落ち着きを与えfootballそのものを注視するように促している。
そして内実はどうあれ、結果として平坦になったスコアはホームが先制した事で一方的になりかけた展開に、アクシデントによる交代と曰く付きのGOALによって待ったをかけ、一体何が試合に影響力を持つのかわからなくした。
Cityzensが僕を持つ形に変わりはなかったけれど、同点としたことで急いで前へ出て行く必要がなくなったから一度しっかりディフェンスブロックを形成し構えて攻撃を受け止めた後に、機を見て駆け上がるタイミングだけ間違わないようにすればよかったんだ、Gunnersは。
だから次の得点があるとすれば、無慈悲に完璧を重ね組織を砕いたシーンか、一瞬の静寂の後に迸る雷光のようなカウンターから生まれるのかと思っていたら実際は違ったね。
生粋のハードヒッターによる打点の高い獰猛で野生的な一撃は、Saka 7 の寸分の狂いのない美しい弧を描いたkick、キーパーに対するブロックの仕方とファーサイドの人垣の作り方を見て分かる通り、申し分のないデザインが施されたCKだった。
あんな風に飛び込まれちゃ成す術を探すのが一苦労どころか重労働だって、見た目にもハッキリしたGOALだったんじゃない?まるで迫り来るダンプカーみたいだったろ、 Gabriel 6 の迫力といったらサ。
Gunners側の完成されたセットプレイには何の言い分もないけれど、Cityzensの守備、アレってどうなんだい?だってほんの少し前に同じ形からまざまざとあの高い打点を見せつけられていたばかりで、その時僕はわずかにバーの上へ逸れて行ったけど、十分肝を冷やしたハズなんだ。それなのにマークマンを替えただけにして同じ形からファーポスト付近を容易く制圧されたんじゃ、それはもう要塞とは呼べないゼ?「鉄壁の」っていうマクラを外したとしてもね。
ゾーンを言い訳にしたくなる気持ちも分かる。でも一度ならずも二度も単純な場所取り合戦で負けているんだ、誰の目にも明白に。
[ GOAL -4- ]
秒針が45度目の周回を終え46周目に入り、4つ目の印を通過する頃刻まれた得点で前半は締め括られたものだときっと誰もが思った事だろう。しかしこの試合には一人、主役の座は譲らないと心に誓っているかのような振る舞いを見せている人物が居て、その彼がどうしてもこのままハーフタイムを迎える事を良しとしなかったらしい。
活気に満ちたアウェイチームの52分間を根底から覆し、全て台無しにしてしまう程の2回目の黄色い提示から、暗くはならずお先を真っ赤にされた退場宣告だった。
確かにこのplayはイエローカードに値しないのかと問われれば、ルーズ僕の落下地点にいた選手の背中へ僕に全くアプローチする事なくヒットするのは当該行為と言えたし、1枚目のカードについてもシャツの引っ張りが彼の目の前であり印象は良くなかったとは思う。けれど今日それまでに Trossard 19 が犯したファウル全てを鑑みてもイエローカード、警告には値するだろうがレッドカード、退場に相当する程ではなかった。しかも前半で神隠しに遭ってしまうなんて。
ドコかで悪質な踏みつけや度を超えたエスカレートのようなスポーツとは無関係な残忍さを垣間見せていたなら酌量の余地など無いが、まだ Trossard 19 は気持ちの入ったplayの延長線上に存在していたはずだ。
2度目のカードを受けたplayと、前半始まった頃に Haaland 9 がレイト気味に接触したファウルに、このレフェリーはどうやって線を引いたのだろう。
ただ、よくよく集まった選手たちとレフェリーの会話を聞いてみると、どうやら犯したファウルにカードが提示されたワケじゃなく、それによってplayが止まった後に Trossard 19 が僕を蹴り上げてしまったことが要因らしい。でも、それにしてもカードを出すほどだったかい?確かに近年、特に昨シーズン辺りから遅延行為やらその辺が厳しくなって、スローインを早く入れなかったと見なされ 冨安 18 が犠牲になったりもしたんだけど、今回もplayの流れで起きた出来事であって、一度ファウルだと認識してから改めて僕を遠くへ蹴り飛ばしたんじゃないだろ。
それにここでカードを出せば、この後の45分が歪なカタチを成してしまうことはハッキリと分かっていながら、敢えてそれを実行するほど悪質なplayではなかったはずなんだ、前半の彼はね。
ルールはルールだと言われればその通りかも知れない。だけど未だ人間が責任を持って裁いている事の意味を今一度考えてみて欲しい、これが完全にAIに取って代わられる前に。このイエロー2枚がどちらも人を傷つけ、playもゲームもその選手が破壊しようとした結果なら致し方なかろうが、集中の延長線上にあるやり取りの中で勢い余っただけならば、ソレとコレとは判別してもらいたい。そこを現場で見分けるためのレフェリーだと思う、その上で人が机上の空論に芝生の上で現実的な落とし所を見つけてやることも。
1点のリードと11vs10という状況を作り出すことで誰かが勝手にこの試合の絶妙なバランスを取って見せたのかも知れないが、その出しゃばりによって後半が始まるスタジアムにはfootball以外から派生してきた不穏な空気が充満しているようだった。
15分のインターバルを使って両チームそれぞれが各々の置かれた状況を整理した結果、リードしたものの問題も抱える羽目になったArsenalがピッチに再び姿を現した時には1つの変化が見受けられた。
つまりこれはキャプテンを下げDFを追加し、5バックにして守るぞというメッセージだった。非常に現実的な判断を下したワケだ、非情にもね。残りの45分間1人少ない中で攻守両面でスコアの動く可能性を残すより、オフェンスの時間を捨てる代わりに相手にもスペースを与えない手段を用いたんだな。
アウェイ、1点リード、数的不利でMan Cityと対戦、条件に照らし合わせてみるとなるほど理に適った選択なのかも知れない。5-4のブロック、それもとてもコンパクトな2ラインは、観る者にいつかのChelseaを思い起こさせた事だろうし、ペナルティエリアの白線に踵をつけたくらいにしてライン間でなんて受けさせまいとかなり圧縮した二本線が、さらにサイドを奥深くまで進入された時なんかもうすでに1ラインになってしまうんだから腹が決まっている。
ただCityzensもこのハーフコートマッチならぬ1/4コートマッチに慣れていないハズもなく、そうと来ればできる限り相手を押し込めてスライド、ステップバックを強要して、単純にGOALだけ求め力技で城壁を登ろうとしたり大きな門扉を破壊しようとするのではなく、ジワジワと肉体的、そして精神的にも蓄積していくダメージを与えるスタイルで、籠城の攻略を試みていた。ちょうど兵糧攻め、水攻めを現代に、footballに則してアップデートしたみたいに。
でもこうなるともうタテホコじゃないけど、観る方の興味としてはどんな展開が待ち受けているのかというワクワクよりも、このガマン比べに勝つのはどっちなんだという分かりやすさへ全振れした要素でほとんどが占められたんじゃないかな。
そんな大方の予想を裏切らずに進んだ後半の45分は、決して得意とは言えない「ゲーム展開」を選択せねばならなかったArsenalの思惑通りに事が運び、9人でスペースを消したディフェンス、Raya 22 のセーブが光りほぼ全員が満身創痍になりながらもEtihadでの、シーズン終盤であれば6ポインターと呼ばれそうな勝利に大事そうに手をかけていた。
交代枠をいつもと違う意味で使い、落ちた運動量を補填して早々に粘りに出た戦略が盤上この一手だった事を証明する所まであと一歩に迫り、時計の上では追加された時間に到達し、いつ鳴ってもおかしくない笛の音を聴くばかりだった。
そんな風前の灯のCityzensを救ったのは Grealish 10 であり、 Gündoğan 19 であり、Kovačić 8 であり、Stones 5 、そしてCKだった。Gunnersとは違ったアプローチのね。ゴール前に人が集中しているのを見てショートで始めた Grealish 10 の判断はとても冴えていたと言える。それがシンプルにリターンされてペナルティエリアでの注目を一点に集めてから、フリーになった中央へ捌いてシュート、ディフレクションした僕を押し込む。ここまで四苦八苦させられて来たけれど、とうとう彼らの努力が形を変えた瞬間が訪れた。
それにしてもアウェイチームは、自分たちのと同じようにヘッダーを意識したポジショニング、マークに固執してしまったんじゃないかな。1人少なくて、Haaland 9 はじめヘディングの強い選手にケアは必要だったとしても、余りに簡単にエリアへ進入を許し過ぎだし、至近距離から絶好の位置で力強くミートさせてしまっては、人垣によって一度は事なきを得たように思ったものの即座に Stones 5 が反応してfinishだ。
犯した過ちへ何度首を振ったところで無かった事にしてはくれない現実というやつを前に、掴んだモノを全て失った訳ではないにしろArsenalの選手達には、手に残った物が砂のように感じられた。
[ epilogue ]
紛う事なき土壇場で、45分以上の慣れない努力が報われなかった事は、魔法かなんかでそっくり生気を吸い取ったみたいに選手を脱力させその場から容易には立ち上がらせないでいた。
ようやく閉ざされた城を開門にこぎつけたMan Cityに残された猶予も無いに等しいにも関わらず、お互いでさらに新たな小競り合いを生み出していたのはどういうことなんだろう。
そして監督同士が握手を交わした後も、芝生の上では何事か続いているようでこのスッキリしない試合を象徴して、優劣のつかない結果と共に不鮮明な着彩で完成は表現された。
Premier Leagueの中でも豪華な一戦に数えられる期待値の計り知れなかった好カードで、ジャッジが要らぬ横槍を入れゲームを左右させたのだったとしたら、この結末はとてもじゃないがやり切れなかった。
fin.