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カウンターアタック
「現代サッカーにおいてカウンターアタックは単に個人能力に頼るのではなく、チームの持つポテンシャルを最大限に発揮するため、組織的な戦術として構築され準備されなければならない」カルロ・アンチェロッティ
アンチェロッティが目指すカウンター
アンチェロッティ監督が目指すカウンターは、「組織的なカウンター」であると話す。彼が問題にしている点は、いかに数的優位を短い時間に作るのかということだ。バルセロナは、時間をかけてボールを回しながら数的優位を作り出そうとする。ポゼッションサッカーを志向するバルセロナとは、数的優位という言葉は同じでも概念がまったく違うのである。アンチェロッティ監督が志向する数的優位を実現するためには、味方がボールを奪った直後に相手がボールを奪い返そうとプレッシャーをかけにくるところを逆に利用して数的優位を作ることにかかっている。
基本原則
【1】ピッチをワイドに広く使う
ペナルティエリアやゴールエリアを基準として20~40mくらい広がる。
【2】ボールをサイドに持ち出す
ボールホルダーは相手に向かってドリブルを行う。相手の振る舞いに応じて最適なプレーを選択する。
【3】ボールホルダーを追い越して走り込む
オーバーラップやアンダーラップ。相手に対して2vs1を作る。
【4】中央にいる選手が裏のスペースをアタックする
出し手とのタイミングが非常に重要。
【5】反対のサイドにいる選手はワイドなポジションを保つ
ピッチをワイドに広く使うため、逆サイドの選手は寄らず離れる。
4vs3
自陣で奪って、縦パス。4vs3の状況。黒(南野)がスペースへ走りこむ黄(ゴロビン)にスルーパス。ダイレクトシュート。以下、各選手の動き。青:オーバーラップし、クロスを狙う。
黒:相手に向かってドリブルを行う。
黄:スペースへ走り込み、シュートを狙う。
緑:逆サイドに開き、相手DFを引き付ける。
赤:大外でクロスに合わせる。
白:ミドルシュートやマイナスのクロスを準備。ボールロスト時のカバー。
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浮き球をマイボールにし、4vs3。青から黒へパスを出し、オーバーラップ。相手DFの視線を動かすことで状況を有利にする。以下、各選手の動き。
青:オーバーラップ
黄:裏のスペースへ走りこむ
赤:ワイドなポジションを保つ
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3vs2
相手DFのパスミスからよく起こる。以下、各選手の動き。
赤:逆サイドに開く
黒:相手に向かってドリブル
青:オーバーラップ
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2vs2
自陣からのロングボールをハーランドがデブライネに落とした場面。相手に向かってドリブル、逆サイドに開く。ゴールエリアの幅まで広がっている。