【読書日記005】ひとはどこから来てどこへ向かうのか。
5月!
大型連休とともにはじまった早月。
今月は積読を可能な限り読み進め、片付けていくことが目標!
#024. ハロー、ユーラシア -福嶋亮太
先月読んだ『文明の生態史観』に続き、地政学をテーマにした本書。
ユーラシア大陸の巨大な帝国の成立と、アジアとヨーロッパそれぞれのアイデンティティの創造というテーマで書かれている。
論点がいくつかの項目に飛ぶので、正直読みづらさを感じてしまった。
学びとしては、各帝国やどのような狙いを持って、インフラ投資やプロジェクトが進んでいるのがを各項目で語られており、概観することができた。
#025. ジョブ型雇用社会とは何か -濱口桂一郎 ★
日本の人事制度に疑問を持つ方や解決していきたいと考えている人は必読書。
話題のジョブ型雇用を体系立てて解説されており、とても学びになった。
特に、なぜ日本の雇用制度が年功序列としてまかり通ってしまってきたのか。都度、課題解決型の対応をしてきたため、雇用制度が時代とともにジレンマが起きていることに鋭く切れ込んでいた。
関連書籍である『新しい労働社会』も機会があれば読んでみようと思う。
#026. 戦争の文化(上) -ジョン・W.ダワー
日本とアメリカの歴史的事実に焦点を当てた一冊。
重要な写真とともに、当時どのように世の中に受け止められたのか、事細かに記されていた。
正直にいうと、読みのにはかなりパワーがいる本だと思う。
事実を元に、解説等をもとに論述されていく。なかなか読み進めるのに苦労した。
今後、歴史を改めて認識する必要に迫られたとき、本書を再度手に取ることにしよう。
#027. 遊牧民から見た世界史 -杉山正明
人間というものの「かたまり」のかたち(p.448)≒”世界史”・”国家”の枠組みをどう見るか。これが本書の主題である。
現在、我々が使っている民族・国家の概念は強固な語義とイメージを伴う、そしてそれはフランス革命を契機に、近代西欧でつくられた枠組み・価値観に基づくここ200年のものだ。と筆者は指摘する。
総じてこの枠組みを問い直そうとする。
前近代のユーラシア世界史においては、軍事力に支えられた政治権力が、地域を取りまとめて国家をつくり、「国家」という枠組みが言語や文化・習慣を形作る。歴史をどう見るか。いまなお研究対象であり、今後の世界史にも強く影響を与えていくはずだと解釈した。
#028. Forbes3月号「人を動かすメッセージ力」
「経営層は何に対して給料をもらっているのだろう?数少ない、優れた判断をすることに対してだ」(p.26)
さまざまな経営者のことばや哲学が色濃く反映された本特集の中で、特に目を引いたことばだった。
優れた判断をするために、さまざまな知見を獲得しなければならない。努力を怠らず、ことばを尽くして思考を深める必要がある。
労働時間に対してではない。その思考の深さにこそ、人を動かす力を得るのだろうと思う。
#029. Forbes6月号 なぜ「働く」のか?
今回気になった記事は下記。
「問題はデータが各分野でバラバラに存在しており、相互活用ができない状況である」ということ。
この状況に横串を刺し、ひとまとまりで管理することがDXの大きな効果だと思う。
この意識をどれだけ持てるかが社会のDX化をさらに推し進められると考える。
ユニファ取締役の星直人さんにも関心が高まった。
#030. 戦略の世界史(上) -ローレンス・フリードマン
古代から現代までの”戦い”の歴史を戦略という切り口で紐解く。
考察というよりも、教科書のように概観させてくれる一冊。
全体像を把握するにはもってこいの一冊だと思う。
特に、核兵器が軍事力の中心に据えられて以降は、戦いの原理原則が代わり、
世界の知識人たちがこぞって、どのような戦略を取るべきかを考えた。
ゲーム理論など経済学にも応用されている知見は、これらと同時期に一般的になったのである。
5月は地政学から、戦争の話まで、世界情勢を意識した本選びだった気がする。
本日梅雨入りしたようで、なんだか蒸し暑くもなってきた。
夏も読書に励んでいこうと思う。
それでは〜。