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ヴィーガンと革靴

こんばんは。靴手鳥です。

先日学校で、

「革製品の革は食肉の副産物であり、革をとるために動物を殺すことはしませんよ。」

という私たちにとっては今更過ぎること(授業で履修済み)を改めて説明され、その話の中で、ベジタリアンやヴィーガンなどの菜食主義の考え方が「食」だけでなく、革製品も対象になるらしいことを知り驚きました。

家に帰って調べてみたら、ヴィーガンの中には「食」だけでなく「衣」「住」の全てについて、動物愛護の観点から動物性の何かしらを使った製品は使用しないという考えを持っている人もいるとのことでした。

それを知ると、先日の「革をとるために動物を殺すことはしませんよ。」という説明は的外れというか何にも説明になってないように思えます。なのでここから先は人には分かり合えない価値観の壁もあることを承知で靴製作に革を使う理由を私なりに考えていこうと思います。

靴が革で作られる理由はなんだろう

最近では科学的に開発された様々な素材を使っている靴がかなり増えていますが、なぜ靴は革で作られ続けているのでしょうか。

靴の強度問題

一つは靴の強度の問題があると思います。「一生ものの靴」なんて言葉もありますが、革靴は定期的に手入れをしたり、時には修理をして長く履き続けるものというイメージがあります。どんなに値段の高いくつでも布系の素材ではさすがに一生履けるイメージがわきません。

特に靴の場合は歩行という激しい動作に耐えなくてはいけませんし、それに加えて雨などのダメージもあります。

身に着けるものであるということ

もう一つは足になじむことです。靴に限らず革製品は使っているうちに「味がでてくる」というのは結構本当で、革靴についていえば、見た目だけでなく、足にフィットしてきて履き始めより履きやすくなることもあります。何ならそれを想定して買うときはタイトめの靴を買うなんて考え方もあるくらいです。

時間の経過が劣化や消耗の一方向ではなく、向上に向かっていくのは革のいいところだと思います。

加工がしやすいこと

これは製作者としての視点ですが、革は本当にすごい素材です。伸びるし縮む、複雑な形にそわせることもできる。これが布だと伸縮性があってもたたいて形状記憶とかができなくて、靴の製作はいっきに難しくなると思います。私は一部が布になっている靴しか作ったことはありませんが、それでも十分難しかったです(もちろん技術不足もおおいにありますが…)。

甲とはきぐちを布で作った靴。特に甲の部分が型にそわなくて難しかった。


終わりに

きっとそんなこんなで靴は革で作られるのだろうなと思います。特に一個人や職人の靴づくりにおいて機械と技術をふんだんに使った新しい素材の靴づくりはハードルが高すぎる。

ヴィーガンと革製品理論(?)の結論には全くなっていませんが、靴づくりを学ぶものとして、革を使うのには理由があるんですよ。という主張というか、なんかもやもやしたので吐き出してみました。そのうちいい感じの結論を思いつきたいなと思います。

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