◇幹事を引き受けるワケ⑧ ~ 心からの謝罪とは ~
まあや「その代わり今帰ったら、今日の写真みんなにばらまくけどね」
私はまあや様の言葉を聞いて出入口の扉に伸ばしかけた腕をひっこめた。
わたし「それは、困ります!勘弁してください!」
まあや「そんな突っ立った状態でお願いされてもねぇ~」
きょうこ「自分が困るときは真剣に謝れるんだね。ということはさっきのグダグダの謝罪は形だけってことね」
私は慌てて床に膝をつき、きょうこ様に向かって土下座をした。
わたし「きょうこ様、面倒を見ていただいていたにも関わらず、こんな変態な私で申し訳ございませんでした。まあや様、写真や動画は本当に困ります。勘弁していただけないでしょうか?」
まあや「やっとまともに謝罪ができるようになってきましたね、せんぱい。」
ゆみか「あれっ?私への謝罪がないんだけど、気のせいかな?」
わたし「いえ、あの、ゆみか様、気持ち悪い私が指導することになって申し訳ございません。」
ゆみか「さっきから、本質的な部分を避けて謝ってるんだよね~。幹事を引き受けて、人に感謝される立場を利用して、自分の足フェチ性欲を満たしていることについて謝ったら?」
きょうこ「本当に分かっていないクズだね」
ゆみか様が立ち上がり、土下座する私の後頭部を踏みにじりながら、
ゆみか「ポテトフライあと10分くらいでくるんだって。それまですっとこのまま土下座しておいてもらおうかな~」
後輩の足によって、顔を床に押し付けられる屈辱を感じながら、私は必死になって謝罪した。
わたし「ゆみか様、幹事としての立場を利用して、足を覗き見るという最低な行為をしてしまい、申し訳ございませんでした」
きょうこ「まだまだだけど、そのくらいの謝罪はしなきゃね。初めからちゃんとやれよ!」
ゆみか「お前がいたら邪魔だから、食べ物がくるまで荷物を置いてトイレにでも行っててくれない?後でLINEで呼び出すから」
わたし「申し訳ございませんでした。分かりました」
彼女らにひどいことをされないように、すっかりと敬語を使うことが当たり前になってしまった。だれに対しても丁寧に話す人もいるが自分はそのタイプではなかったので、すごく卑屈な気持ちになってしまう。
カバンを出入口近くに置き、ボロボロの装いで地獄の密室を後にした。
もう解放されるんだと一瞬でも思わされたことによる落胆は大きかった。きょうこ様の背中へのかかと落としは今でも身体中がジンジンするほど痛いし、何より土下座した頭を踏みつけられるという屈辱を繰り返し行われることが耐えられなかった。
そして、トイレの個室に入り「怒った女性に謝る方法」という記事を読みながら、惨めな時間を過ごした。