隙っていいよな。
隙がある人に憧れる。
隙というのは人間としての魅力の一つだと考えている。
なんかわかんないけど、つい話しかけたくなっちゃう。そういうのが隙がある人。
私は我ながら隙がないと思う。
基本真顔だし、楽しくなさそうにしてるし、怒ってるように見える。考え事していると思われることもしばしば。
実際は何も考えてないだけ。偉そうに文章上では御高説垂れていますが、本当は何も考えてない。
セネカ曰く「哲学者はこう生きるべきということを説いているだけで、そのように生きているわけではない。」
すみません、また御高説癖が出てしまいました。
ペダンチックなところがあるんですよね、私。あーもう、また横文字使ってしまいました。
毎日毎日幸せだなぁ、と思いながら生きてる。トンカツをいつでも食べられる程度にはお給金を頂いているし、ゆっくり眠りにつける家もある。
不幸なことは殆どない。自分が不幸だと思って良いのは、誰かの不幸を否定する覚悟がある人だけ。
そんな隙がないように見られがちな私ですが、先日初対面の人にめちゃくちゃ話しかけられました。
立川にある昭和記念公園に趣味の盆栽を勉強するために行きました。そのついで、というと不敬罪に問われそうですが、昭和天皇記念館に行きました。
そこでは昭和天皇ゆかりの品物や絵画、御料車の展示があり、昭和天皇の生涯を綴ったビデオが観られます。
展示を観ているとそこの職員と思しきおじいちゃんが話しかけてきました。
「ここは初めて?」
トンパかな? と思ったけど普通にビデオを観るか確認してくれただけでした。
十分ほどのビデオを観終わると、トンパが色々と説明してくれました。その説明が面白くて、間にクイズを挟みながらハンター試験感覚で楽しめました。
説明終わったあとは静かに展示を見ていました。するとまたトンパが話しかけてきて、観ている展示に関する雑学クイズを出題してくれます。
このクイズが絶妙に難しくて何も答えられないこともある。「沈黙!!それが正しい答えなんだ」ということはなくて、普通に感心する答えでめちゃ面白い。殴りかかりそうになったところをクラピカが制してくれて良かった。
私は昔くりぃむしちゅーの上田晋也に憧れていた。それは芸人としてではなく、雑学王として。それくらい雑学が好き。
飲み会でも軽率に雑学クイズとか出しちゃう。
トンパは記念館を出るまでずっと話しかけてきた。普段知らない人に話しかけられることが少ないから、嬉しかった。
でもよくよく考えてみれば、トンパは自分の仕事を全うしていただけだし、なんなら自分の溢れ出る雑学出題欲を私で満たしていただけなのではないか。
気持ちはわかる。雑学クイズは答えるよりも出題するほうが楽しい。
私は、ついに自分にも隙ができたのかと勘違いしていた。
本当はそんなことなくて、トンパにとって相手は誰でも良かったのかもしれない。すごい楽しそうに話してくれるから勘違いしちゃった、ワタシ。
『スキ』って難しいですね。
余談
昭和記念公園の盆栽苑はここいちテンション上がりました。盆栽の凄さを舐めていた。実物見たら震え上がる。お金持ちになったらウン百万だしても買ってしまうかも。それくらいの圧倒的迫力と荘厳さ。