コピ・ルアックをご存知ですか?
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
さて、今日はコーヒーの話題で、『コピ・ルアック(コピ・ルアクとも言う)』を取り上げたいと思います。
この『コピ・ルアック』は、映画「かもめ食堂」でコーヒーを美味しくするおまじないに出てくるものです。
私はその映画を見ていないので、ウワサでしか知りませんでしたが、調べたところによると、コーヒーを淹れる前に、ドリッパーに入れたコーヒーに指を突っ込んで、『コピ・ルアック』と3回唱えると、コーヒーが美味しくなるというものだそうです。
なんでも『コピ・ルアック』は、美味しいコーヒーの代名詞になっているのだとか。
そんな『コピ・ルアック』を今日は取り上げます。
それでは最後まで、よろしくおつきあいくださいませ。
『コピ・ルアク』『イタチコーヒー』『ウ◯ココーヒー』と呼び方は様々
私が『コピ・ルアック』がらみで思い出すのは、昔「探偵ナイトスクープ」という番組で、『イタチコーヒー』なるものを飲んでみたいという依頼があって、それを探すというのがありました。
実はその『イタチコーヒー』が『コピ・ルアック』なのですが、最終的にそこには到達せず、番組は何かとんでもない結末(笑)に至ったことだけは、記憶しています。
『コピ・ルアック』とは、ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のことです。
『コピ』はコーヒーを指すインドネシア語、『ルアック(ルアク)』はマレージャコウネコの現地での呼び名になります。
この『コピ・ルアック』が美味しいコーヒーの代名詞とされているのには理由があります。
ジャコウネコの肛門には、麝香(ムスク)と同じ香りを持つ分泌物を出すものがあります。
世界一の香水と呼ばれる『シャネルNo.5』にも、同じジャコウネコの分泌物が使われているのは、有名な話です。
事実、『コピ・ルアック』には、麝香の香りが溶け込んでおり、独特の風味を醸し出すものがあります。
野生のジャコウネコは肉食よりの雑食性で、コーヒーの実(コーヒーチェリー)を食べることがあります。
コーヒーチェリーの実の部分は、栄養素として消化されますが、中の種であるコーヒー豆は、消化されずにフンと一緒に排出されます。
このフンと一緒に排出されたコーヒー豆を、乾燥・洗浄したものが『コピ・ルアック』で、ウ◯ココーヒーと茶化す呼び方をされることもあるのです。
上の画像は、『コピ・ルアック』のフンのイラストです。こんな感じで出てきます(笑)。
ピンからキリまである『コピ・ルアック』
世界中で珍重される『コピ・ルアック』ですが、本来はとても貴重で希少なものです。
というのも、野生のジャコウネコがコーヒーの実を食べて、フンと一緒に出たコーヒー豆だけが『コピ・ルアック』とされていたのだから当然です。
そのため、世界で最も高価なコーヒーとしても知られており、それで一儲けしようとする者が後を絶ちません。
中でも最もひどいのが、野生のジャコウネコを乱獲して檻に入れ、本来は肉食のジャコウネコに無理やりコーヒーチェリーのみを食べさせることで大量生産し、「天然もの」と偽装して販売している業者がありました。
この実態を取材したドキュメンタリーが2013年9月にBBCで放映され、後にコーヒー業界全体にも知られることとなり、大きな反響を呼んだことがあります。
また、『コピ・ルアック』として売られているもののほとんどが、ロブスタ種です。
特にインドネシアやバリ島、それにベトナムで市販されている観光客向けの『コピ・ルアック』はほぼロブスタ種であり、先に挙げたような方法で大量生産されているため、鮮度や品質が低く味も風味も最低です。
私も友人から、「『コピ・ルアック』が手に入ったので、ぜひ淹れて欲しい」と言われて行ったことがあるのですが、コーヒーは挽いてありましたし、袋を開けたら麝香の香りではなく、漢方薬の臭いがしました。
野生のジャコウネコは、完熟したコーヒーチェリーしか食べず、しかもロブスタ種よりも、香りや味に優れたアラビカ種を好んで食べる傾向があります。
ロブスタ種よりもアラビカ種の方が、コーヒーとして香りや味に優れるのは周知の通りですが、多分コーヒーチェリーの味も違うのでしょうね。
『コピ・ルアック』が麝香の香り以外で珍重されるもう一つの理由は、コーヒー豆の精製過程にあります。
普通のコーヒーの精製方法は、大別するとウォッシュド(水洗)とナチュラル(天日干し)に分かれます。(この精製方法については後日、詳しく説明しますので、しばらくお待ちください。)
それに対して『コピ・ルアック』は、ジャコウネコの腸内に存在する消化酵素の働きや腸内細菌による発酵の働きで、本来はありえない酵素の分解精製を経るのです。
この精製方法によって、コーヒーには独特の香味が加わることになります。
そこに麝香の香りが加わって、素晴らしい香気を醸し出すのです。
ただ、先にもお伝えした通り、野生のジャコウネコが食べて、フンとともに排出されたコーヒー豆はとても貴重で、かつ希少です。
なので、市場に出回っている『コピ・ルアック』の中でも、高品質のものはほんの一部しかありません。
実際に私も、何度か『コピ・ルアック』を手にして飲んでいますが、当たりを引けたのは2回だけです(笑)。
それだけ『コピ・ルアック』は、ピンからキリまであるということです。
ということで、本日は『コピ・ルアック』を取り上げましたが、いかがだったでしょうか?
もしかすると、皆さんの夢を壊してしまったかも知れませんが、このような実情があることも知っていただきたく思い、noteに書かせていただきました。
それでは本日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。