【赤札作戦】で目に見える『生休死区分』を
昨日の記事で【整理】とは分けることであるとお伝えしました。
そしてどう分けるのかということで『生休死区分』という方法をお伝えさせてもらいました。
今日はその『生休死区分』を行う方法として【赤札作戦】を紹介します。
【赤札作戦】とは?
今の若い人は【赤札】なんて知らないでしょうね。
赤札市なんて言い方もしなくなりました。
バーゲンセールといったほうが通じるでしょう。
赤札というのは、借金のカタに取られるものに貼られる紙です。
5Sに使う赤札は、在庫を減らす意味でも使われます。
在庫 = 借金ですので、赤札を貼るということが元ネタになっているそうです。
さてこの【赤札作戦】ですが、色々な方法がありますし、赤札にも様々な種類があります。
赤札に貼ったものの内容を書き込みものもあるのですが、ハッキリ言ってそんな手間をかける必要はありません。
市販の大きめの赤いタックシールを使えば、それでOKです。
もしくはコピー用紙を赤く印刷して、名刺サイズくらいに切って、貼り付けるのもアリです。
私はコピー用紙を名刺サイズにして、日付だけを入れられるようにしています。
全てのものに赤札を貼る
私の【赤札作戦】のやり方はいたってシンプルです。
準備した赤札を現場にある全てのモノに貼ります。
基本的に例外は一切ありません。
但し、コンプライアンス的に表示しなければならないものなどがある場合は、対象から外れます。
部品、仕掛品、ネジ、工具、治具、その他備品に至るまで、一切の例外はありません。
「これは今日、必ず使うから」
と言って貼らないのもダメです!
ネジやインシュロックは、それを入れている箱に赤札を貼ります。
使えば赤札を剥がし、使わなければ貼ったままにします。
前日の作業が終了した時点で、現場内にあるものの全てに赤札を貼ります。
そして翌日1日作業を行ないます。
その日の作業で使ったものは、使う時点で赤札を剥がします。
そして1日の作業が終わった時点で、赤札が貼られているものを全て、一旦現場の外に出すのです。
中にはその日たまたま使わなかったモノもあるでしょう。
また逆に、その日たまたま使ったモノがあるかも知れません。
でもそうしたことは一切関係なく、赤札が残っているものは全て、現場の外(通路とかでOK)に出します。
そこで現場内にどれだけのものが入っていたかが分かります。
多分、その光景に驚かれることになるでしょう。
それとともに、現場内に残っているものがあまりにも少ないことにも、驚かれると思います。
その時、現場内に残っているものが『生』になります。
実際にあった本当の話
これは【赤札作戦】を実行した時に、本当にあった話です。
ほとんどの人が【赤札作戦】は初体験になるので、事前にしっかりと共有を行い、どのように実行するのかを説明するのですが、それをしたにも関わらず、こんなことが起こりました。
「赤札が貼ってあるから作業がしにくい」
という意見が出てきたのです。
それを聞いた瞬間
「使ったら剥がしてくださいって説明したよな?」
と思ったほどです。
実際、私ではなく他のメンバーが、
「何を聞いてたん? 使う前に剥がせって言われたやろ」
と言って注意してくれたんですが、聞いた時はさすがにショックでした。
で、実際にこういう人が必ず出てきます。
冗談のように聞こえるかもしれませんが、間違いなく出てきます。
それはなぜか?
簡単にいうと、現状を変えたくない人だからです。
なので説明の時点で否定的になっていて、説明を一切聞いていません。
こういう人は必ず何人か出てきて、言われた通りにやりません。
だから、最初は必ず失敗すると思ってください。
ただ、そこで諦めるのではなく、必ず2回目の実践を行って欲しいのです。
1回目の時に失敗したとしても、2回目、3回目で成功すればいいのです。
逆に繰り返すことで、こちらが諦めない姿勢を見せることになり、これは大事なことなんだという意識付けができます。
だからこの【赤札作戦】は成功するまで続ける必要があるのです。
現場の外に出したモノに『黄札』を貼る
赤札が貼られたままのモノを一度現場の外に出したら、赤札を剥がす代わりに黄札を貼ります。
この黄札は、赤札の色違いでOKです。
ただ貼る時に、何に貼ったのかと、貼った日の日付を書いておいてください。
そして黄札を貼ったものから、現場の所定の位置に戻して、翌日も同じように作業を行います。
そして、赤札と同じように使ったら剥がします。
ただ黄札は剥がした日付を裏面に書くようにしてください。
剥がした黄札は捨てずに1カ所に集めます。
そうして何から剥がれたのかをチェックし、リストを作ります。
これを2〜3日続けて行います。
そしてその期間中に黄札が剥がれたものが『休』に分類され、黄札が剥がれなかったものは『死』になるのです。
『生』は現場内に、『休』はその近くに、『死』は遠くに安置します。
【赤札作戦】を実行することで、『生休死区分』ができることは、これまでの説明でお分りいただけたと思います。
『生』の期間が1日では短すぎるという方は、2日にすればいいです。
但し昨日も言いましたが、この『生』の期間を長くし過ぎると、5Sは失敗しますので、どれだけ長くても2日程度にしてください。
さてこれで『生休死区分』ができました。
ではその、それぞれの置き場所をどうするのか?
これは次の段階の【整頓】になります。
ということで、明日は【整頓】についてお伝えしたいと思います。