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冬でも美味しい水出しコーヒーの淹れ方
今日は雨だったこともあって、太陽が出てなかった分、少し寒かったですが、それでも今年の冬は温かいですね。
とは言え、この時期に『水出しコーヒー』をススメている私は、どう見られているのでしょうか(笑)?
でも、寒い季節にコタツに入りながら、冷たいアイスコーヒーを楽しむのも、なかなか乙なものですよ。
さて本日は、寒い冬の季節でも、美味しい水出しコーヒーを入れる方法をお伝えしようと思います。
寒い時に水出しコーヒーを作ろうとすると・・・
私が水出しにハマってからの最初の冬に、一番悩んだことがあります。
それは、冬になると水温が下がって、コーヒーと水が馴染みにくくなることでした。
実は、コーヒーにはコーヒーオイルという油脂成分が含まれています。
深煎りの黒々としたコーヒー豆が、汗をかいたように脂ぎっているのを見られたことがある方もいらっしゃるでしょう。
アレはコーヒーオイルがにじみ出てきているのです。
このコーヒーオイルは、油脂としては珍しく水溶性です。
でも水溶性だからといって、いつでも簡単に水に溶けるわけではありません。
ある程度の温度が必要になるのです。
つまり、温度が下がれば下がるほど、水と馴染みにくくなり、水出しコーヒーを作る条件がどんどん厳しくなっていくわけです。
寒い時期に水出しコーヒーを作ろうと、水滴をコーヒーに落としても、コーヒーオイルが水を弾いてしまって、コーヒーの上で水滴がコロコロと踊ってしまいます。
ある程度時間が経過すると、水とコーヒーは徐々に馴染むようになるのですが、それでもそのスピードは圧倒的に遅くなります。
そうなると、水とコーヒーが馴染まないまま、ドリッパーの縁を伝って、水がコーヒーにほとんど触れずに下に落ちてしまい、薄い水出しコーヒーができてしまうのです。
答えはめちゃめちゃ単純でした(笑)
「寒くて水が馴染まないんなら、ホットコーヒーと同じように、お湯で蒸らせばいいんじゃね?」
すごくバカっぽくて、単純な発想(笑)ですが、これがマジで大正解でした。
コーヒーを入れる過程で、『蒸らし』というのは、絶対に必要な行程です。
それは水出しコーヒーも、ホットコーヒーも変わりません。
準備も何もできていないコーヒー豆に、いきなりお湯や水をかけたって、コーヒー豆はビックリするだけです。
美味しいコーヒーを出してもらうためには、コーヒー豆が美味しい成分を出しやすくなるように、準備してもらう必要があります。
それがコーヒーを『蒸らす』ということです。
冬でも美味しい水出しコーヒーを入れる方法
やり方はすごく簡単です。
ウォータードリッパーに挽いたコーヒー豆をセットして、水タンクに50ccくらい沸騰したお湯を入れます。
そしてコックを開けて、1秒弱に1滴落ちるように調整します。
しばらくすると、コーヒーとお湯が馴染んで、コーヒーの上の方が濡れてきます。
そうなったら、後は水をタンクに入れて、いつものように待てばいいだけです。
実はこれ、先に紹介した『ネルドリッパーを使った浸け置き式』の水出しコーヒーの作り方にも使えるのです。
ネルドリッパーにコーヒーを入れてボールにセットしたら、先にコーヒーにお湯をかけて蒸らします。
蒸らしが完了したら、ボールに水を張って、後は待てばOKです。
このお湯を入れて『蒸らし』をする水出しコーヒーは、水だけで抽出した水出しコーヒーよりも、熱をかけて蒸らすので、香りが深くなるというメリットがあります。
また、『蒸らし』の効果で味もしっかりと出てくれます。
それに、全体にお湯が回る前に、水を入れて温度を下げるので、コーヒーは熱による酸化を起こす前に冷めます。
熱くなったとしても、全体にお湯を回すわけではありませんので、嫌な酸味が出ることもありません。
この方法を使えば、冬でも美味しい水出しコーヒーが楽しめるのです。
この『蒸らし』を始めて分かったこと
そしてもう一つ、この『蒸らし』を始めてから分かったことがあります。
それは、水だけで水出しコーヒーを作れる季節は、意外と短いということです。
一度だけ測ったことがあるのですが、水温が20℃以上にならないと、コーヒーと水は上手く馴染んでくれません。
経験則で言うと、7月から9月までの3ヶ月間です。
6月の梅雨の時期は、意外と水温が低く、10月に入ると途端に水温が下がってきて、馴染みにくくなるのです。
逆に言えば、正真正銘、『旬』の水出しコーヒーが味わえる期間は、この3ヶ月だけなのです。
それ以外の時期は、お湯による蒸らしを行わないと、美味しい水出しコーヒーが飲めないと言い換えることもできます。
この『旬』の水出しコーヒーに近づけようと、単純な発想ながら考え出したのが、今日ご紹介した、お湯で『蒸らす』抽出法です。
もし機会があったら、一度『蒸らし』から始めた、水出しコーヒーを試していただければと思います。
それでは本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。